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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0319A01: る。みな此戒の所制なり。威儀にて聖者の相をなし。ま
Z12_0319A02: た布薩の默妄のごとし。此戒また台疏に輕重の判あ
Z12_0319A03: り。いまだ聖道を得ずして。妄に向果を得たりといひ。
Z12_0319A04: いまだ禪定神通を得ずして。定通を得たりといひ。或
Z12_0319A05: は妄に天龍八部來りて。われを供養すといひて。名利
Z12_0319A06: を求る等を重波羅夷とす。その餘の妄語を輕とすと。
Z12_0319A07: 云云これまた制罪の判なり。業罪の邊は。重き煩惱心
Z12_0319A08: にて。(をの)が貪情を助けんために。故意を以て人を欺誑
Z12_0319A09: するは。みな重罪なり。もし輕き心にて。()(そう)(はつ)(ごん)
Z12_0319A10: るは輕罪なり。もし人事應對の時。直語正語にては。却
Z12_0319A11: て人法に害あると。また前人の機情をやぶらざるた
Z12_0319A12: めなどにて。いさ〻かも煩惱垢心なくて。異相發言す
Z12_0319A13: るは竝に犯にあらず。しかれども此等の事に濫托あ
Z12_0319A14: りて。(いやし)くも自己を利する垢心まじはれば。みな犯(くわ)
Z12_0319A15: (いる)。所詮は深く心の垢淨を察し。不淨心より起る妄
Z12_0319A16: 語は。一切離るべし。不淨心にて妄語するとき。た※
Z12_0319A17: 人を(あざむ)くのみならず。また三寶神天をなみする過あ
Z12_0319B01: るべし。有智これを察せよ。
Z12_0319B02: 第五酤酒生罪戒。これ酒を(うる)を制する戒なり。印度の
Z12_0319B03: 酤酒家は。(べつ)(じゆ)(らく)に在て。酒を(うり)かつ種々放逸行を(みちび)
Z12_0319B04: く。極不律儀家にて。その(とが)婬舍よりも甚し。ゆへに
Z12_0319B05: これを制し給ふ。此邦の酤家酒は。印度の風俗とは頗
Z12_0319B06: る異なれども。醉狂逸情を(ひく)緣は同じ。聖制まぬがる
Z12_0319B07: べからず。もし酤酒家その業やめがたき人は。此戒を
Z12_0319B08: (のぞき)て受べし。
Z12_0319B09: 第六談他過失戒。これ出家在家の菩薩。及び出家五衆
Z12_0319B10: の罪過を(とく)を制す。〓此戒受る人は。緇素を(とは)ず。身を
Z12_0319B11: 佛法海に投じ。佛弟子となるゆへ。隨分佛法僧を扶護
Z12_0319B12: すべきに。(かへり)て佛法僧の過非を(とく)は。大に菩薩の道に
Z12_0319B13: (もと)る。ゆへにこれを制す。かつそれ人の善惡邪正。至
Z12_0319B14: りてしりがたし。みだりにこれを(とけ)ば。うた〻過失を
Z12_0319B15: 生ず。なかんづく出家人は世情と異なるものありて。
Z12_0319B16: その好惡長短。ことに辯じがたし。ゆへいかんとなれ
Z12_0319B17: ば。出家には三乘道分の因種ありて。三業疎漏なるも。

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