浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z12_0319A01: | る。みな此戒の所制なり。威儀にて聖者の相をなし。ま |
Z12_0319A02: | た布薩の默妄のごとし。此戒また台疏に輕重の判あ |
Z12_0319A03: | り。いまだ聖道を得ずして。妄に向果を得たりといひ。 |
Z12_0319A04: | いまだ禪定神通を得ずして。定通を得たりといひ。或 |
Z12_0319A05: | は妄に天龍八部來りて。われを供養すといひて。名利 |
Z12_0319A06: | を求る等を重波羅夷とす。その餘の妄語を輕とすと。 |
Z12_0319A07: | 云云これまた制罪の判なり。業罪の邊は。重き煩惱心 |
Z12_0319A08: | にて。己が貪情を助けんために。故意を以て人を欺誑 |
Z12_0319A09: | するは。みな重罪なり。もし輕き心にて。異相發言す |
Z12_0319A10: | るは輕罪なり。もし人事應對の時。直語正語にては。却 |
Z12_0319A11: | て人法に害あると。また前人の機情をやぶらざるた |
Z12_0319A12: | めなどにて。いさ〻かも煩惱垢心なくて。異相發言す |
Z12_0319A13: | るは竝に犯にあらず。しかれども此等の事に濫托あ |
Z12_0319A14: | りて。苟くも自己を利する垢心まじはれば。みな犯科 |
Z12_0319A15: | に入。所詮は深く心の垢淨を察し。不淨心より起る妄 |
Z12_0319A16: | 語は。一切離るべし。不淨心にて妄語するとき。た※ |
Z12_0319A17: | 人を欺くのみならず。また三寶神天をなみする過あ |
Z12_0319B01: | るべし。有智これを察せよ。 |
Z12_0319B02: | 第五酤酒生罪戒。これ酒を酤を制する戒なり。印度の |
Z12_0319B03: | 酤酒家は。別聚落に在て。酒を酤かつ種々放逸行を導 |
Z12_0319B04: | く。極不律儀家にて。その過婬舍よりも甚し。ゆへに |
Z12_0319B05: | これを制し給ふ。此邦の酤家酒は。印度の風俗とは頗 |
Z12_0319B06: | る異なれども。醉狂逸情を引緣は同じ。聖制まぬがる |
Z12_0319B07: | べからず。もし酤酒家その業やめがたき人は。此戒を |
Z12_0319B08: | 除て受べし。 |
Z12_0319B09: | 第六談他過失戒。これ出家在家の菩薩。及び出家五衆 |
Z12_0319B10: | の罪過を說を制す。〓此戒受る人は。緇素を問ず。身を |
Z12_0319B11: | 佛法海に投じ。佛弟子となるゆへ。隨分佛法僧を扶護 |
Z12_0319B12: | すべきに。郤て佛法僧の過非を說は。大に菩薩の道に |
Z12_0319B13: | 戾る。ゆへにこれを制す。かつそれ人の善惡邪正。至 |
Z12_0319B14: | りてしりがたし。みだりにこれを說ば。うた〻過失を |
Z12_0319B15: | 生ず。なかんづく出家人は世情と異なるものありて。 |
Z12_0319B16: | その好惡長短。ことに辯じがたし。ゆへいかんとなれ |
Z12_0319B17: | ば。出家には三乘道分の因種ありて。三業疎漏なるも。 |