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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0318A01: によりて。輕重を判ずべし。盜の中に。夜盜劫賊等は。
Z12_0318A02: その相麤顯にしてしりやすし。斗秤の(いつは)り筆舌の(あざむ)
Z12_0318A03: きにて。他物を(おのれ)に入る。または非理の(はかりごと)をもふけ。財
Z12_0318A04: 賄を得る等。あらはに盜竊とは見えずして。深く理を
Z12_0318A05: 窮むれば。盜科に(いる)ことそこばくあるべし。ゆへに律
Z12_0318A06: 制にも。梵網諸疏にも。この戒の判釋數卷に及ぶ。此に
Z12_0318A07: ()(じゆつ)すべからず。(た※)深く佛制を重んじ業果を怖れ。()
Z12_0318A08: (ごう)も他物をわれに屬すまじと。中心正直ならば。此戒
Z12_0318A09: 自ら淸淨なるべし。盜妄の二罪は。殊に(ぼん)()の心行な
Z12_0318A10: り。苟しくも道に(こ〻ろざ)しある人は切にこれを(はぢ)(つ〻)しむ
Z12_0318A11: べし。
Z12_0318A12: 第三無慈行欲戒。これ一切の婬行を離る〻戒なり。〓此
Z12_0318A13: 戒出家在家護持同じからず。出家は一切の婬を制す。
Z12_0318A14: 女三男二の正道に就て婬を行ずれば。ならびに重犯
Z12_0318A15: なり。餘處を婬し或は自ら漏する等は。輕罪に入る。出
Z12_0318A16: 家五衆の護持開遮輕重。律部及び鈔疏にいでたり。斷
Z12_0318A17: 婬は第一難行。婬欲は欲惑の(しゆ)(くわい)(こん)(たい)深固なる心病
Z12_0318B01: なるゆへ。極めて制斷しがたし。(た※)宿善深厚にして。深
Z12_0318B02: く佛制を崇め。業果を怖る〻もの。又は智慧深利にし
Z12_0318B03: て。深く佛知見をあきらむるもの。よく此戒を堅持す
Z12_0318B04: べし。しからざるは多く此に於て點額す。在家は邪婬
Z12_0318B05: を制し正婬を開す。正婬は妻妾なり。妻妾の外。人のゆ
Z12_0318B06: るさ※る女人に婬するを邪婬とす。正婬の中に。非時
Z12_0318B07: 非處非量などの非法の婬あり。具には戒飾に問てし
Z12_0318B08: るべし。婬女(あたい)を與ふれば。破戒には非ざれども。菩薩
Z12_0318B09: 道を行ずるもの。婬房酒肆に徘徊するは非威儀なり。
Z12_0318B10: 女人の男子に(おけ)る。準じてしるべし。菩薩戒受る人は。
Z12_0318B11: 無上菩提の道に於て。大願行を立る極善丈夫なれば。
Z12_0318B12: 在家正婬を斷ぜずとも。五欲の過患を(しり)。沈著迷亂を
Z12_0318B13: 離れ。遠大の志氣を立べし。印度婆羅門姓には。斷婬家
Z12_0318B14: 梵行を修するもの多し。又此邦にも上古は獨道あり
Z12_0318B15: と傳ふ。尋ぬべし。
Z12_0318B16: 第四故心妄語戒。これ妄語して人を()(おう)するを制す。
Z12_0318B17: た※〓言のみ妄あるにあらず。威儀にて人を欺惑す

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