浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z12_0318A01: | によりて。輕重を判ずべし。盜の中に。夜盜劫賊等は。 |
Z12_0318A02: | その相麤顯にしてしりやすし。斗秤の詐り筆舌の欺 |
Z12_0318A03: | きにて。他物を己に入る。または非理の謀をもふけ。財 |
Z12_0318A04: | 賄を得る等。あらはに盜竊とは見えずして。深く理を |
Z12_0318A05: | 窮むれば。盜科に入ことそこばくあるべし。ゆへに律 |
Z12_0318A06: | 制にも。梵網諸疏にも。この戒の判釋數卷に及ぶ。此に |
Z12_0318A07: | 縷述すべからず。但深く佛制を重んじ業果を怖れ。絲 |
Z12_0318A08: | 毫も他物をわれに屬すまじと。中心正直ならば。此戒 |
Z12_0318A09: | 自ら淸淨なるべし。盜妄の二罪は。殊に凡鄙の心行な |
Z12_0318A10: | り。苟しくも道に志しある人は切にこれを恥謹しむ |
Z12_0318A11: | べし。 |
Z12_0318A12: | 第三無慈行欲戒。これ一切の婬行を離る〻戒なり。〓此 |
Z12_0318A13: | 戒出家在家護持同じからず。出家は一切の婬を制す。 |
Z12_0318A14: | 女三男二の正道に就て婬を行ずれば。ならびに重犯 |
Z12_0318A15: | なり。餘處を婬し或は自ら漏する等は。輕罪に入る。出 |
Z12_0318A16: | 家五衆の護持開遮輕重。律部及び鈔疏にいでたり。斷 |
Z12_0318A17: | 婬は第一難行。婬欲は欲惑の主魁。根蔕深固なる心病 |
Z12_0318B01: | なるゆへ。極めて制斷しがたし。但宿善深厚にして。深 |
Z12_0318B02: | く佛制を崇め。業果を怖る〻もの。又は智慧深利にし |
Z12_0318B03: | て。深く佛知見をあきらむるもの。よく此戒を堅持す |
Z12_0318B04: | べし。しからざるは多く此に於て點額す。在家は邪婬 |
Z12_0318B05: | を制し正婬を開す。正婬は妻妾なり。妻妾の外。人のゆ |
Z12_0318B06: | るさ※る女人に婬するを邪婬とす。正婬の中に。非時 |
Z12_0318B07: | 非處非量などの非法の婬あり。具には戒飾に問てし |
Z12_0318B08: | るべし。婬女價を與ふれば。破戒には非ざれども。菩薩 |
Z12_0318B09: | 道を行ずるもの。婬房酒肆に徘徊するは非威儀なり。 |
Z12_0318B10: | 女人の男子に於る。準じてしるべし。菩薩戒受る人は。 |
Z12_0318B11: | 無上菩提の道に於て。大願行を立る極善丈夫なれば。 |
Z12_0318B12: | 在家正婬を斷ぜずとも。五欲の過患を知。沈著迷亂を |
Z12_0318B13: | 離れ。遠大の志氣を立べし。印度婆羅門姓には。斷婬家 |
Z12_0318B14: | 梵行を修するもの多し。又此邦にも上古は獨道あり |
Z12_0318B15: | と傳ふ。尋ぬべし。 |
Z12_0318B16: | 第四故心妄語戒。これ妄語して人を欺誑するを制す。 |
Z12_0318B17: | た※〓言のみ妄あるにあらず。威儀にて人を欺惑す |