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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0317A01: 四に戒相とは。卽ち十重四十八輕なり。受者の()(げう)
Z12_0317A02: ち〱なり。或は輕重具に受るあり。或は唯十重禁戒
Z12_0317A03: を受得し。輕戒は隨分受學と要期するあり。重輕戒相
Z12_0317A04: は。三疏に詳らかなり。疏家の異義等は。此に述るに(いとま)
Z12_0317A05: あらず。今且略して十重禁戒の相を辨じ。四十八輕戒
Z12_0317A06: は。廣疏に(ゆづ)るのみ。
Z12_0317A07: 十重禁戒 第一()()殺生戒。これ一切生あるものを
Z12_0317A08: 殺さぬ戒なり。台疏の一解に。律制に準じて輕重を判
Z12_0317A09: じ給へり。謂く人を殺すを重罪とし。畜類を殺すを輕
Z12_0317A10: とす。これは制罪とて。如來所制の律(はん)なり。如來在
Z12_0317A11: 世。(びやう)(しや)王の國制に準擬して。律制を定め給ふゆへ。
Z12_0317A12: その輕重判罪。(ほ※)世の典刑に似たり。もし業罪の
Z12_0317A13: 邊は。輕重必しも制罪の判に同じからず。人畜にか〻
Z12_0317A14: はらず。た※因等起の心の。善惡無記と强弱とにより
Z12_0317A15: て。輕重を判ず。ゆへにたとひ人といへども。慈心に
Z12_0317A16: て殺すは。業罪を結せず。畜類といへども。正忿纒殘
Z12_0317A17: 忍心にて殺すは。重罪を成ず。この制業二罪の辨別は。
Z12_0317B01: 學戒の者の第一用心處なり。しるべし。此戒受る人。制
Z12_0317B02: 門に於て。輕重ともに謹護すべし。いかんとなれば。重
Z12_0317B03: は大に制に違するゆへ。謹護すべきは勿論なり。輕は
Z12_0317B04: 制に於て輕しといへども。業に於て重きものあるゆ
Z12_0317B05: へ。これまたゆるがせにすべからず。殺生に種々類罪
Z12_0317B06: あり。或は(たい)(ねう)(おと)し。或はみだりに生地を(ほり)。或は
Z12_0317B07: (かは)ける地に(ぼく)()をはき。或は熱湯を地に流し。或は看
Z12_0317B08: 病甚だ疎略にして。命を落さしむ等。みな殺罪に屬す
Z12_0317B09: べし。此戒受るものは。〓一切時一切事に於て。慈悲救命
Z12_0317B10: の念を運び。害命の緣を離るべし。さらに諸疏を尋ぬ
Z12_0317B11: べし。
Z12_0317B12: 第二劫盜人物戒。これ一切主あるものを。盜まぬ戒な
Z12_0317B13: り。これまた台疏に輕重の辨あり。人物の中に。五錢已
Z12_0317B14: 上を盜むを重とし。四錢已下を輕とす。非人畜生物を
Z12_0317B15: 盜むも。また輕と判ず。人物の中僧物ことに重し。三
Z12_0317B16: 寶物に種々差別あり。具に律鈔に出たり。尋ぬべし。こ
Z12_0317B17: れまた制罪の判なり。業罪の邊は。心の垢淨と强弱と

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