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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0316A01: 聞思功をつまざれば。領會しがたし。台疏の出體章。華
Z12_0316A02: 嚴探玄記の第六に。宗を分て辯釋す。その旨明著なり。
Z12_0316A03: (てき)(えう)に引がごとし。
Z12_0316A04: 三に戒行とは。此中二を分つ。一には正しく戒行を明
Z12_0316A05: し。二にまさに興廢を辨ず。初に戒行を明すとは。謂く
Z12_0316A06: 本所受に隨て護持し。三業過を離れ。衆善を奉行し。有
Z12_0316A07: 情を利樂するを。戒と名く。此戒行にまた二あり。一
Z12_0316A08: に專精不犯。二に犯已能悔。初に專精不犯とは。謂く
Z12_0316A09: 謹心奉持して。全く本受に違せず。性遮の諸戒。なら
Z12_0316A10: びに違犯なきなり。遮性二戒の別。摘要に圖解するが
Z12_0316A11: ごとし。また大小乘戒。護持同じからず。大乘義章の
Z12_0316A12: 第十に。五種不同を明せり。一に起因不同。二に有無不
Z12_0316A13: 同。三に寬狹不同。四に長短不同。五に愛捨不同。尋ぬ
Z12_0316A14: べし。又菩薩の護持。十信三賢十地位に隨て差別あり。
Z12_0316A15: これまた摘要に辨ずるがごとし。二に犯已能悔とは。
Z12_0316A16: これまた謹心護持すれども。或時本受不同分心起り
Z12_0316A17: て犯科にいる。犯あれば。便ち如法に發露悔除。戒法を
Z12_0316B01: 欺かざるものなり。犯に輕重あり。能起の纒に上中下
Z12_0316B02: の三品あるゆへ。懺法また別あり。また罪に制罪業罪
Z12_0316B03: の別あるゆへ。懺悔また制業二懺の別あり。業罪は化
Z12_0316B04: 敎に依て懺し。制罪は制敎懺による。いはゆる化敎懺
Z12_0316B05: にまた二種あり。謂く理懺事懺なり。事懺にまた二種
Z12_0316B06: あり。謂く作法懺取相懺なり。具には探玄記第七。法苑
Z12_0316B07: 珠林七十四及百二等に明せり。尋ぬべし。制業二罪の
Z12_0316B08: 旨混濫すれば。大に人を(あやま)ることあり。細に分別すべ
Z12_0316B09: し。二に興廢とは。菩薩戒方便求受すれば。その體卽
Z12_0316B10: ち起り。二緣四緣あれば。戒體卽ち廢す。二緣は瑜加
Z12_0316B11: 論四十に云く。捨緣二あり。一には無上菩提の大願を
Z12_0316B12: 棄捨す。二には上品纏にて他勝處法を犯ずと。他勝處
Z12_0316B13: は波羅夷の翻名にて。重罪を(さす)なり。四緣は瑜加七十
Z12_0316B14: 五に出たり。一には決定して受心不同分心を起す。二
Z12_0316B15: には識別ある丈夫に對して。故意を以て棄捨の言を
Z12_0316B16: 說く。三には總別に他勝處法を毁犯す。四には上品纒
Z12_0316B17: を以て。總別に隨順他勝處法を犯ずと。云云

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