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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0315A01: 台疏に云く。戒體起らずばやむ。起れば卽ち性無作假
Z12_0315A02: 色なりと。云云これ色なれども。不可見無對の色なる
Z12_0315A03: ゆへ。假色といふなり。成實論には。これを非色非心
Z12_0315A04: 法とす。善惡ともに。(ごう)(じやう)の心に作す業には。みな無
Z12_0315A05: 作を發す。惡業の無作は。かならず惡果を感じ。善業
Z12_0315A06: の無作は。かならず善果を(ひく)。もし善業に淨願を(かぬ)
Z12_0315A07: ば。淨土の因となる。をよそ引業の成不は。大むね無
Z12_0315A08: 作の有無に(か〻)るべし。今此菩薩戒の無作は。一發已去。
Z12_0315A09: 四十二賢聖を歷て。佛果におもむく廣大深遠不可思
Z12_0315A10: 議の妙無作なり。ゆへにこの戒受るもの。心(おん)(じう)眞實
Z12_0315A11: ならず。信願微劣なるものは。(うく)といへども。た※作
Z12_0315A12: 業の善のみありて。無作業起らず。心慇重眞實なれば。
Z12_0315A13: 作無作ならび起るべし。ゆへに此戒受んと願ふもの
Z12_0315A14: は。受戒前に加行を修し。禮念心をこらして。三世の罪
Z12_0315A15: 障を懺悔し。十方一切の三寶に歸依し。得戒を乞求し。
Z12_0315A16: (たん)(せい)(つく)すべし。しかるにこの前加行は。定れる制限
Z12_0315A17: なし。昔支那の道進法師は。三年前加行を修し。殊勝
Z12_0315B01: の感相を得て得戒せり。又眞表律師は。もと獵師たり
Z12_0315B02: しが。心に感ずることありて。一念發起し。自ら(もと※り)
Z12_0315B03: 剪て沙門となり。心におもへらく。まのあたり文殊菩
Z12_0315B04: 薩を禮して。戒法を受んと。爾しより山河(けん)()を省り
Z12_0315B05: みず。た※ちに五臺山に登り。果して聖僧に遇て。上品
Z12_0315B06: の戒を發得せりと。僧史に出たり。然れば此前加行は。
Z12_0315B07: 人々の境界に隨て修すべし。もし出家の人。閑靜無事
Z12_0315B08: なるは。七日或は三七日乃至百日。その意樂に任て修
Z12_0315B09: すべし。もし前行道場にて。無言不臥專志一心なるは
Z12_0315B10: 本式なり。(たへ)ざるものは。每日三時或は六時に懺法を
Z12_0315B11: 修し。七日の內に三千禮を修して。三世の罪障を懺ず
Z12_0315B12: べし。老病不堪の人は。た※心をこらして念佛すべし。
Z12_0315B13: 在家の人も。閑暇無事なる人は。出家に準じ懺場を結
Z12_0315B14: び。勇勤無間に修すべし。もし世緣(まぬか)れがたき人。或
Z12_0315B15: は老病不堪の人は。をの〱その(おもむ)きに隨て勤むべ
Z12_0315B16: し。所詮前加行は。心の()(みやう)至誠を(げき)(はつ)し。殊勝の戒
Z12_0315B17: を得んための方便なり〓然るに此戒禮の義。甚深難解。

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