浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z12_0315A01: | 台疏に云く。戒體起らずばやむ。起れば卽ち性無作假 |
Z12_0315A02: | 色なりと。云云これ色なれども。不可見無對の色なる |
Z12_0315A03: | ゆへ。假色といふなり。成實論には。これを非色非心 |
Z12_0315A04: | 法とす。善惡ともに。强盛の心に作す業には。みな無 |
Z12_0315A05: | 作を發す。惡業の無作は。かならず惡果を感じ。善業 |
Z12_0315A06: | の無作は。かならず善果を引。もし善業に淨願を兼れ |
Z12_0315A07: | ば。淨土の因となる。をよそ引業の成不は。大むね無 |
Z12_0315A08: | 作の有無に係るべし。今此菩薩戒の無作は。一發已去。 |
Z12_0315A09: | 四十二賢聖を歷て。佛果におもむく廣大深遠不可思 |
Z12_0315A10: | 議の妙無作なり。ゆへにこの戒受るもの。心慇重眞實 |
Z12_0315A11: | ならず。信願微劣なるものは。受といへども。た※作 |
Z12_0315A12: | 業の善のみありて。無作業起らず。心慇重眞實なれば。 |
Z12_0315A13: | 作無作ならび起るべし。ゆへに此戒受んと願ふもの |
Z12_0315A14: | は。受戒前に加行を修し。禮念心をこらして。三世の罪 |
Z12_0315A15: | 障を懺悔し。十方一切の三寶に歸依し。得戒を乞求し。 |
Z12_0315A16: | 丹誠を彈すべし。しかるにこの前加行は。定れる制限 |
Z12_0315A17: | なし。昔支那の道進法師は。三年前加行を修し。殊勝 |
Z12_0315B01: | の感相を得て得戒せり。又眞表律師は。もと獵師たり |
Z12_0315B02: | しが。心に感ずることありて。一念發起し。自ら髻を |
Z12_0315B03: | 剪て沙門となり。心におもへらく。まのあたり文殊菩 |
Z12_0315B04: | 薩を禮して。戒法を受んと。爾しより山河險阻を省り |
Z12_0315B05: | みず。た※ちに五臺山に登り。果して聖僧に遇て。上品 |
Z12_0315B06: | の戒を發得せりと。僧史に出たり。然れば此前加行は。 |
Z12_0315B07: | 人々の境界に隨て修すべし。もし出家の人。閑靜無事 |
Z12_0315B08: | なるは。七日或は三七日乃至百日。その意樂に任て修 |
Z12_0315B09: | すべし。もし前行道場にて。無言不臥專志一心なるは |
Z12_0315B10: | 本式なり。堪ざるものは。每日三時或は六時に懺法を |
Z12_0315B11: | 修し。七日の內に三千禮を修して。三世の罪障を懺ず |
Z12_0315B12: | べし。老病不堪の人は。た※心をこらして念佛すべし。 |
Z12_0315B13: | 在家の人も。閑暇無事なる人は。出家に準じ懺場を結 |
Z12_0315B14: | び。勇勤無間に修すべし。もし世緣免れがたき人。或 |
Z12_0315B15: | は老病不堪の人は。をの〱その趣きに隨て勤むべ |
Z12_0315B16: | し。所詮前加行は。心の勇猛至誠を擊發し。殊勝の戒 |
Z12_0315B17: | を得んための方便なり〓然るに此戒禮の義。甚深難解。 |