浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z12_0314A01: | 保熱を解脫するがゆへに。三に具緣とは。略して五緣 |
Z12_0314A02: | を出さん。一に淨信。二に發心。三に要期。四に受緣。五 |
Z12_0314A03: | に離障。初に淨信とは。まづ三藏門の信を立て。後に |
Z12_0314A04: | 大乘信を起すべし。いはゆる三藏門の信といふは。こ |
Z12_0314A05: | れまた三あり。一には善惡因果の道を信じ。二には四 |
Z12_0314A06: | 諦無我の理を信じ。三には戒に餘德あるを信ずるな |
Z12_0314A07: | り。いはゆる大乘の信といふは。卽ち三因佛性を信ず |
Z12_0314A08: | るなり。三因佛性とは。一に自性住佛性。二に引出佛 |
Z12_0314A09: | 性。三に至得果佛性なり。自性住佛性といふは。衆生 |
Z12_0314A10: | 在纒の心に。如來の性を具するをいふなり。引出佛性 |
Z12_0314A11: | といふは。三乘の聖道を修すれば。漸々佛性顯現し。所 |
Z12_0314A12: | 具の勝德。みな證得するなり。至得果佛性といふは。佛 |
Z12_0314A13: | 果究竟の位。三身四德圓成するなり。此大小二種の信 |
Z12_0314A14: | 起るを淨信と名く。菩薩三聚戒を受るものは。かなら |
Z12_0314A15: | ず。此淨信を起すべきなり。二に發心とは。卽ち發菩 |
Z12_0314A16: | 提心なり。菩提心といふは。上無上菩提を求め。下一 |
Z12_0314A17: | 切衆生を救度せんと願ふ心なり。地前の發心を緣修 |
Z12_0314B01: | といひ。地上の發心を眞修といふ。此義甚深。此に述 |
Z12_0314B02: | がたし。三に要期といふは。卽ち上に明す所の三聚戒 |
Z12_0314B03: | を。今身より成佛に至るまで。護持せんと。誓願要期 |
Z12_0314B04: | するなり。四に受緣とは。これに二あり。一に人緣。二 |
Z12_0314B05: | に法緣。人緣は卽ち戒師なり。戒師に三あり。一に眞 |
Z12_0314B06: | 佛。二に聖人。三に凡師これなり。佛像舍利等は。發戒 |
Z12_0314B07: | の緣弱し。前加行を修し。好相を得てのち。憑對すれ |
Z12_0314B08: | ば受を成ず。爾らざれば得戒せずと。經疏に見えたり。 |
Z12_0314B09: | 法緣は戒羯磨なり。台疏に六本の羯磨を出せり。その |
Z12_0314B10: | 後數本流行す。心に任て依用すべし。一本に局執する |
Z12_0314B11: | は。聖旨に順ぜざるべし。五に離障とは。障に三種あ |
Z12_0314B12: | り。謂く煩惱障業障報障なり。煩惱は受戒の障にあら |
Z12_0314B13: | ず。業と報との中。障と不障とあり。その障となる中 |
Z12_0314B14: | にまた輕重あり。これまた台疏に詳らかなり。討ぬべ |
Z12_0314B15: | し。 |
Z12_0314B16: | 二に戒體といふは。前にいはゆる戒法身心に注入し。 |
Z12_0314B17: | 無作業を成じ。菩提成佛の種子となるものこれなり。 |