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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0313A01: の要期。功德無邊にして。比類すべきものなきことを。
Z12_0313A02: かく三聚の要期未來際をきはめて。今身は。わが行ひ
Z12_0313A03: 得べきほど受持すべし。もし攝律儀戒は。或は十重四
Z12_0313A04: 十八輕戒を受持し。或はた※十重禁戒を受持し。或は
Z12_0313A05: 十戒の中において。一戒二戒乃至九戒分受すること
Z12_0313A06: を許す。又在家出家護持おなじからず。下に至りて辯
Z12_0313A07: ずべし。もし攝善法戒は。一切福慧萬善の中。わが力
Z12_0313A08: の及ぶほど。善法を行ずるなり。願生淨土の人ならば。
Z12_0313A09: 三心五行を主とし。異類の衆善。緣に隨て行ずべし。
Z12_0313A10: 攝衆生戒は。一切衆生のうへに慈心をおこし。わが
Z12_0313A11: 心力の及ぶほど。拔苦與樂の事を行じ。又人を止惡修
Z12_0313A12: 善の道に(みち)びくべし。此戒受得已後。生々世々。〓漸々
Z12_0313A13: 增長。轉勝轉妙。三賢十聖通達修習し。遂に二種の生
Z12_0313A14: 死を翻破し。菩提𣵀槃二轉の妙果を證す。これを菩提
Z12_0313A15: 薩埵の道とす。上來略して三聚戒の大綱を明し(おは)る。
Z12_0313A16: (のち)台疏に依て四法を辯ず。四法とは。一に戒法。二に
Z12_0313A17: 戒體。三に戒行。四に戒相。初に戒法とは。これまた三
Z12_0313B01: あり。謂く法體名義具緣なり。法體といふは。謂く本
Z12_0313B02: 有の佛性法界に周徧し。當體非を離れ。萬德を具し。大
Z12_0313B03: 悲を成就す。因に在ては六波羅蜜と名け。果に在ては
Z12_0313B04: 理智悲と名く。然るに衆生無明妄執力によりて。この
Z12_0313B05: 法界性を(とり)て。麤細二種の惑業苦となし。三業の過惡
Z12_0313B06: 法界に周徧し。生死の苦輪海に(た※よ)ふ。如來大悲。この
Z12_0313B07: 迷倒を(あはれ)み。衆生をして。かの法界無量の過惡を飜轉
Z12_0313B08: して。法界無量の善法を成就せしめんがために。法界
Z12_0313B09: 二諦の境に周徧する三聚戒善に準じて。戒羯磨を制
Z12_0313B10: 定し。誓受三聚學處の軌則に備へ給ふ。これ如來金口
Z12_0313B11: の所制なりといへども。その法體は。淨法界法爾常恆
Z12_0313B12: の性()()なり。二に名義とは。略して三名を出さん。一
Z12_0313B13: ()()()。此に調(ぢやう)(ぶく)と翻じ。また滅と名く。三業の過
Z12_0313B14: 惡を調伏し除滅するがゆへに。二に尸羅。〓此に戒或は
Z12_0313B15: 淸涼と翻ず。過非を戒禁し。煩惱の熱惱を淸涼するが
Z12_0313B16: ゆへに。三に波羅提木叉。此に別々解脫といひ。また
Z12_0313B17: は保解脫と名く。別々に身口の過非を解脫し。煩惱の

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