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Z1160 菩薩三聚戒弁要 普寂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z12_0311A01: 菩薩三聚戒辨要
Z12_0311A02: 普寂德門 撰
Z12_0311A03: 菩薩三娶戒は。成佛の因種。萬行の根基なり。その旨
Z12_0311A04: 廣大深玄。諸疏に明すがごとし。今かつ創學の人のた
Z12_0311A05: めに。その梗槪を辯ぜん。初に略して三聚の綱要を明
Z12_0311A06: し。後に台疏に就て四法を辯ず。初に三聚の綱要を明
Z12_0311A07: すとは。それ衆生心性本淨。なを虛空のごとし。(た※)
Z12_0311A08: 明妄動によりて。我法二執を起し。煩惱所知の二障を
Z12_0311A09: 生じ。分段變易二種の生死を感ず。分段生死は六道な
Z12_0311A10: り。中に於て。地獄餓鬼畜生の三道は。これ惡業所感。修
Z12_0311A11: 羅人天の三道は。これ善業所感。善惡(こと)なりといへど
Z12_0311A12: も。みな有漏の妄法なり。いはゆる變易生死は。三乘
Z12_0311A13: の聖人。分段生死を離れてのち。(うく)る微細の生死なり。
Z12_0311A14: 二の生死を出離し。無漏の聖道におもむくに。三乘の
Z12_0311A15: 別あり。謂く聲聞乘緣覺乘菩薩乘なり。いはゆる聲聞
Z12_0311A16: 乘は。三學處を修し。四眞諦を證し。我執煩惱障を對
Z12_0311B01: 治し。三界を出過し。無爲滅に歸す。いはゆる緣覺乘
Z12_0311B02: は。緣起を觀ず。斷證(ほ※)聲聞に同じ。この二乘は。分段
Z12_0311B03: 生死を出離するの道なり。いはゆる菩薩乘は。三賢十
Z12_0311B04: 聖の位を歷て。六波羅蜜を修し。一實諦を證し。二執二
Z12_0311B05: 障を對治し。二種生死を出離し。無上正覺に趣入す。生
Z12_0311B06: 死永く(つき)て。菩提𣵀槃究竟圓成するを。如來等正覺と
Z12_0311B07: いふなり。(たとへ)ば鏡の明淨なるも。(さび)くもれば。明淨か
Z12_0311B08: くれて。生鐵のごとし。滓くもれども明淨を(うし)なはざ
Z12_0311B09: るゆへ。(とぎ)(みが)けば。本明淨また(あらは)る〻がごとし。衆生
Z12_0311B10: の迷悟もまたしかり。自性淨心。二障の()()(けが)ると
Z12_0311B11: いへども。明淨の體を(うしな)はざるゆへ。三乘一乘の聖法
Z12_0311B12: を以て。如法に修治すれば。本淨心漸く(あらは)れて。四十
Z12_0311B13: 二賢聖道。自然に成就す。いはゆる本淨心離垢顯現す
Z12_0311B14: れば。無量の三昧智慧を發生し。無量の國土色身を示
Z12_0311B15: 現し。無量の衆生を救濟し。盡未來際。德用つくるこ
Z12_0311B16: となし。奇なるかな。衆生如來の性を具して。しかも
Z12_0311B17: 六道生死に輪廻し。魔王の()(れい)となること。譬ば大長

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