浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z09_0141A01: | 往生至要訣 |
Z09_0141A02: | 南無阿彌陀佛 |
Z09_0141A03: | 南無南無者卽是歸命亦是發願廻向之義 安心至誠心 深心廻向發願心 |
Z09_0141A04: | 南無といふは歸命なり。歸命といふは佛たすけ給へと |
Z09_0141A05: | おもふ心なり。このたすけたまへとおもふ心に。三心 |
Z09_0141A06: | はをのづから。そなはるなり。しかるゆへは。まこと |
Z09_0141A07: | しく。たすけ給へと思ひて。いつはらざるは至誠心な |
Z09_0141A08: | り。ひとすぢに佛願をたのもしく思ひて。うたがはざ |
Z09_0141A09: | るは深心。たすけ給へとねがふ心は。すなはち廻向發 |
Z09_0141A10: | 願心なり。されば。三心の所詮をば。南無の二字に。な |
Z09_0141A11: | らひいる〻なり。口に南無と〻なふるは。心にたすけ |
Z09_0141A12: | 給へと思ふを。いひあらはすことばなればなり。 |
Z09_0141A13: | 阿彌陀佛是名二正定之業一順二彼佛願一故 起行 |
Z09_0141A14: | 彌陀の名號は往生の定業なり。わが名をとなへば。か |
Z09_0141A15: | ならず。生ぜしめんと。ちかはれたるがゆへに。これ |
Z09_0141A16: | によりて。上一形をつくし。下一念にいたるまで。決定 |
Z09_0141B01: | 往生の業にあらずといふことなし。これすなはち。南 |
Z09_0141B02: | 無阿彌陀佛といづるこゑは。みな。彌陀の本願に順 |
Z09_0141B03: | ずるが故なり。しかる間。他力往生の所詮をば。彼佛 |
Z09_0141B04: | の願に順ずるが故にと釋する。故の一字に。習ひ入る |
Z09_0141B05: | なり。されば。往生のためには。この本願が萬の事の |
Z09_0141B06: | 故となるなり。 |
Z09_0141B07: | 以上。淨土一宗の法門。安心起行の肝要。つかぬれば。 |
Z09_0141B08: | この三字に極るものぞと。習ひ傳ふる所なり。此外。ま |
Z09_0141B09: | たく。別の子細なし。すなはち。釋迦彌陀を。あふぎて證 |
Z09_0141B10: | 誠としたてまつる。しかれば。心にたすけ給へと思ひ |
Z09_0141B11: | て。口に南無阿彌陀佛ととなへん人は。佛の願力によ |
Z09_0141B12: | るが故に決定往生すべし。聊も。うたがふべからず。 |
Z09_0141B13: | 法然上人よりこのかた。先師禮阿に至るまで。この |
Z09_0141B14: | 掟をまほりて。こと〲く往生をとげき。これまた現 |
Z09_0141B15: | 證にあらずや。ゆめ〱。この相傳をかろしむるこ |
Z09_0141B16: | となかれ。 |
Z09_0141B17: | 源空上人 |