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Z0530 往生至要訣 証賢 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0141A01: 往生至要訣
Z09_0141A02: 南無阿彌陀佛
Z09_0141A03: 南無南無者卽是歸命亦是發願廻向之義 安心至誠心 深心廻向發願心
Z09_0141A04: 南無といふは歸命なり。歸命といふは佛たすけ給へと
Z09_0141A05: おもふ心なり。このたすけたまへとおもふ心に。三心
Z09_0141A06: はをのづから。そなはるなり。しかるゆへは。まこと
Z09_0141A07: しく。たすけ給へと思ひて。いつはらざるは至誠心な
Z09_0141A08: り。ひとすぢに佛願をたのもしく思ひて。うたがはざ
Z09_0141A09: るは深心。たすけ給へとねがふ心は。すなはち廻向發
Z09_0141A10: 願心なり。されば。三心の所詮をば。南無の二字に。な
Z09_0141A11: らひいる〻なり。口に南無と〻なふるは。心にたすけ
Z09_0141A12: 給へと思ふを。いひあらはすことばなればなり。
Z09_0141A13: 阿彌陀佛是名正定之業彼佛願 起行
Z09_0141A14: 彌陀の名號は往生の定業なり。わが名をとなへば。か
Z09_0141A15: ならず。生ぜしめんと。ちかはれたるがゆへに。これ
Z09_0141A16: によりて。上一形をつくし。下一念にいたるまで。決定
Z09_0141B01: 往生の業にあらずといふことなし。これすなはち。南
Z09_0141B02: 無阿彌陀佛といづるこゑは。みな。彌陀の本願に順
Z09_0141B03: ずるが故なり。しかる間。他力往生の所詮をば。彼佛
Z09_0141B04: の願に順ずるが故にと釋する。故の一字に。習ひ入る
Z09_0141B05: なり。されば。往生のためには。この本願が萬の事の
Z09_0141B06: 故となるなり。
Z09_0141B07: 以上。淨土一宗の法門。安心起行の肝要。つかぬれば。
Z09_0141B08: この三字に極るものぞと。習ひ傳ふる所なり。此外。ま
Z09_0141B09: たく。別の子細なし。すなはち。釋迦彌陀を。あふぎて證
Z09_0141B10: 誠としたてまつる。しかれば。心にたすけ給へと思ひ
Z09_0141B11: て。口に南無阿彌陀佛ととなへん人は。佛の願力によ
Z09_0141B12: るが故に決定往生すべし。聊も。うたがふべからず。
Z09_0141B13: 法然上人よりこのかた。先師禮阿に至るまで。この
Z09_0141B14: 掟をまほりて。こと〲く往生をとげき。これまた現
Z09_0141B15: 證にあらずや。ゆめ〱。この相傳をかろしむるこ
Z09_0141B16: となかれ。
Z09_0141B17: 源空上人

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