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Z0520 浄土四要義 証賢 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0138A01: 三心とは。佛の本願に歸する心にてある也。歸すると
Z09_0138A02: は。本願をたのむをいふなり。それ歸する心を。わく
Z09_0138A03: れば三のしながある也。まめやかに。本願をたのみて。
Z09_0138A04: たすけ給へと思ふ。これを本願に歸する心とす。かく
Z09_0138A05: 三のこ〻ろとけばとて。三がべち〲にはおこらぬ
Z09_0138A06: なり。た※そうじてあらたのもしやとも。又たすけ給
Z09_0138A07: へともおもはる〻也。この時は。三心かふさねてひと
Z09_0138A08: つ心なるやうにおこるなり。それをこまかにわくれ
Z09_0138A09: ば。三のいろがある也。この三心は。智者も愚者も。み
Z09_0138A10: なた※おなじやうにおこるなり。智者なればとて。三
Z09_0138A11: の心をこと〲しく。やうありげにおこす事はなき
Z09_0138A12: なり。三の心をべち〱に申し◇たするは。法門に申
Z09_0138A13: しわくる時の事にてある也。
Z09_0138A14: 問云。しみ〲とおぼゆる心を。眞實心とは申すかと
Z09_0138A15: 思ふはいかに。答云。しみ〲とは。ふか〱とおぼ
Z09_0138A16: ゆるをいふにや。それは眞實心のふかきにてこそあ
Z09_0138A17: れ。た※まづ眞實心とは。いつはりならで。げに〲し
Z09_0138B01: くおぼゆるぶんをこそ申せ。
Z09_0138B02: 問云。念佛を申し居たる時。こゑ〲にも眞實の心が
Z09_0138B03: おこらずして。そう〲しきやうに申さる〻は。眞實
Z09_0138B04: 心のかけたるかや。答云。念佛のみにもあらず。何事
Z09_0138B05: も時をのべてしもてゆくことは。みなさこそあれ。た
Z09_0138B06: ※とりくはだつるはじめのあてがひをこそ申すに
Z09_0138B07: てあれ。この世の事のさしも心にそみたるだにも。し
Z09_0138B08: もてゆく時。さのみ念々に心にそむ事やある。これに
Z09_0138B09: てよろづ心えぬべし。
Z09_0138B10: 問云。本願をたのむべき事とは思ひながら。ひし〱
Z09_0138B11: と思ひつきたる心地もせぬは。いか※といへるは。み
Z09_0138B12: な他力本願は。安心のよわきをもたすくる事をあら
Z09_0138B13: はす文なり。されば彌陀の本願は。すべてゆるぎなき
Z09_0138B14: 事としりて。たのむ心のいできぬるこそうれしけれ。
Z09_0138B15: 信心のおこるとは。これにてこそあれ。そのうへのよ
Z09_0138B16: わ〱しさは。本願のちからにか〻へられむずれば。
Z09_0138B17: 往生はいまはしすまさむずる事なり。

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