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Z0520 浄土四要義 証賢 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0136A01: ゆれ。かたじけなく正覺をかけてちかはれたる本願
Z09_0136A02: なれば。その正覺をなり給ひたらむが。本願のむなし
Z09_0136A03: からぬしるしにてはあるべければ。彼の樂のこゑに
Z09_0136A04: も。決定して正覺をなりたまふべしとはとなへしな
Z09_0136A05: り。若し夫れ我らが往生は不定なりとも。おして正覺
Z09_0136A06: をなりたまふべくば。さらにこの瑞相にはおよぶま
Z09_0136A07: じき事ぞかし。さればその奇瑞を現ぜし時。本願成就
Z09_0136A08: して。我等が往生すべきことはりは。ゆるぎなく治定
Z09_0136A09: せしものなり。か〻るいみじき奇瑞を。たちどころに
Z09_0136A10: 感じ給ひし程の事は。いかばかりの大願の力とかし
Z09_0136A11: るや。これ程に强緣なる誓願なれば。その力ばかりに
Z09_0136A12: ても。我等などか往生をとげざらん。そのうへまたこ
Z09_0136A13: の願を成就し給はんがために。兆載永劫のあひだ難
Z09_0136A14: 行苦行して。つぶさに六度萬行を修し給ひし。その功
Z09_0136A15: これいくそばくぞや。この大業の力にて何事の願な
Z09_0136A16: らばか。成就せずといふ事あらんや。さればその永劫
Z09_0136A17: の修行にこたへて。本願成就し給ひしゆゑに。かの不
Z09_0136B01: 取正覺とちかはれし正覺をば。つひになり給ひにき。
Z09_0136B02: この時佛の正覺の御果報に。我等を往生せさする大
Z09_0136B03: 力を感成し給へるなり。是則五劫思惟の本願も。われ
Z09_0136B04: らが往生のためにおこし。兆載永劫の修行も。我等が
Z09_0136B05: 往生のためにつとめ給ひしかば。その大願と大行と
Z09_0136B06: にむくいて。成じ給へる正覺の御果報なればわれら
Z09_0136B07: を往生せさする大力を成就し給へる事。まことにこ
Z09_0136B08: とわりなる物なり。しかれば我等が往生をうる事は。
Z09_0136B09: せむずるところ。た※阿彌陀佛の本願成就の正覺の
Z09_0136B10: 御果報になりぬるなり。すぐに佛の御果報にひかれ
Z09_0136B11: て往生をとげんうへは。何のあやぶむところかあら
Z09_0136B12: む。ゆめ〱わがちからにてすまじき往生なれば。い
Z09_0136B13: さ〻かもうたがふ事あるべからず。たとへば轉輪王
Z09_0136B14: は十善の果報いみじきゆへに。御ゆきなる時は。いや
Z09_0136B15: しき疋夫までをも。みなそらをとばせてめしぐせら
Z09_0136B16: る〻なり。これた※劣夫のおのが果報はいやしけれ
Z09_0136B17: ども。輪王の果報にか〻る者までをも。そらをとばす

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