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Z0520 浄土四要義 証賢 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0135A01: 淨土四要義
Z09_0135A02: 增上緣義
Z09_0135A03: 安養は報土なり。報の法は高妙なり。我等は凡夫也。凡
Z09_0135A04: の義は輕微なり。すでに土たかく。處たへなり。機か
Z09_0135A05: ろ〲しくしては生じがたし。しかれども彌陀の本
Z09_0135A06: 願を强緣とするが故に。往生する事はなはだやすし。
Z09_0135A07: こ〻をもて善導大師は。一切善惡の凡夫の生る〻事を
Z09_0135A08: うるは。みな阿彌陀佛の大願業力に乘じて。增上緣と
Z09_0135A09: せずといふ事なしとの給へり。いまこの釋の心をあ
Z09_0135A10: きらめて。いよ〱往生の安心を治定せんと思ふ。そ
Z09_0135A11: の願といふは。四十八の誓願なり。業といふ〓は。僧祇
Z09_0135A12: 劫の行業なり。力とい〓ふは。佛果菩提の神力なり。こ
Z09_0135A13: の大願と。大業と。大力と。たがひにあひたすけて。我等
Z09_0135A14: を往生せしむるちからを成就し給へり。くはしくそ
Z09_0135A15: の本末をたづぬれば。彌陀如來。むかし法藏比丘と申
Z09_0135A16: し〻時。我等罪障の凡夫をすくはむがために。五劫思
Z09_0135B01: 惟して。不思議の大願をおこし給はく。もし我れ成佛
Z09_0135B02: せむ時。わが名號をとなへむもの。十聲一聲までも我
Z09_0135B03: 國に生ぜずば。正覺をとらじとちかひ給へり。おほよ
Z09_0135B04: そ無上正覺は。菩薩の先途なり。一大事の因緣これに
Z09_0135B05: すぎたるはなし。されども常沒の凡夫をあはれみ給
Z09_0135B06: ふがゆへに。我等が往生に。菩薩の正覺をかけて。衆生
Z09_0135B07: うまれずば。我も佛にならじとちかひたまふ。これま
Z09_0135B08: めやかに身にかへたる御慈悲なり。いはむや法藏比
Z09_0135B09: 丘本願をおこしをはりて。勇猛堅固の心ざしをもて。
Z09_0135B10: かさねてちかひをなしてのたまはく。我れ世にこえ
Z09_0135B11: たる願をたてぬ。かならず無上道にいたらん。この願
Z09_0135B12: 滿足せずは。ながく正覺をならじ。この願もし成就す
Z09_0135B13: べくは。大千世界もうごき。そらの中なる諸天。たへな
Z09_0135B14: る花をふらせとの給ひしに。すなはち大地もたちま
Z09_0135B15: ちにうごき。そらよりたへなる花もふり。自然の音樂
Z09_0135B16: そらの中にありて。決定して無上正覺をなり給ふべ
Z09_0135B17: しと。しらべしこそ。身の毛もよだちて。たふとくおぼ

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