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Z0500 浄土要略抄 然空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0126A01: の罪をもつくらざれの戒にたがひぬべし。すこしの
Z09_0126A02: つみをつくりて。か〻らんには往生いか※など疑は
Z09_0126A03: むは。又十惡五逆も皆生ずと信ぜよとの敎をしらざ
Z09_0126A04: るに成りぬべし。この二のあゐだあやまちせぬを。よ
Z09_0126A05: く心得たる人とは名づくるなり。問。この二のす〻
Z09_0126A06: みしりぞきを。心得すましたる人は申すに及ばず。若
Z09_0126A07: し或は本願をばひしと信ぜずして。つみをばふかく
Z09_0126A08: おそる〻人もあり。或は本願をばふかく信じて。つみ
Z09_0126A09: をおそる〻心なき人も有り。この二人は。いづれか往
Z09_0126A10: 生をばゆるすべきや。答。是は書にはかきつくしが
Z09_0126A11: たし。口授に有べし。問。罪を造りたるたびに。隨犯
Z09_0126A12: 隨懺の義有べきや。答。禮讚には。念を隔て時を隔て
Z09_0126A13: 日を隔てざれとこそ勸められたれば。構て思ひ出し
Z09_0126A14: て懺すべきなり。問。彼つみを思ひ出る事はなくし
Z09_0126A15: て。いつも申す念佛ばかりにては。其罪は滅すまじき
Z09_0126A16: や。答。それも滅するなり。されども思ひ出たるは。
Z09_0126A17: 猶よき事なればこそ。故には勸られたるらめとおぼ
Z09_0126B01: ゆるなり。問。戒をも持ち齋をもしなとするをば。自
Z09_0126B02: 力の行と嫌ふべし。されば吉水上人に。人有て齋して
Z09_0126B03: 念佛申すがよく候かと尋ね申しければ。さもなし。唯
Z09_0126B04: 念佛を申せと仰られけると語る人あり。さやうに心う
Z09_0126B05: べきや。答。是は一をしりて。二をしらぬ人の申す事
Z09_0126B06: なり。まことに戒を持たず齋をせずして。念佛申すば
Z09_0126B07: かりにては。往生すべからずと思ひてたもたんは。其
Z09_0126B08: 心きらひつべし。念佛の功德をしらず信ぜざるが故
Z09_0126B09: に。若し念佛は不思議の功德にて。何のたすけなくと
Z09_0126B10: も。た※こればかりにて往生疑なしと信を取りぬる
Z09_0126B11: 上は。又何の善根も。念佛を妨ざらんをば嫌はざるな
Z09_0126B12: り。吉水の齋をきらひ給へるも。齋をせずして申す念
Z09_0126B13: 佛は。往生不定なりと思ひて問申せばこそ。其心を破
Z09_0126B14: らんとて。非時に物喰ひたるもくるしからずとは仰
Z09_0126B15: られけれ。此語をき〻て。念佛の行者は。一向に齋など
Z09_0126B16: をばすまじき事といふは。僻心えしたる人なり。
Z09_0126B17: 來迎引接

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