浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z09_0120A01: | せんと思ひてと※まれといふ。是はあさけれども心 |
Z09_0120A02: | に思ふ事を口にいへば。猶まことにて有るなり。一人 |
Z09_0120A03: | をばなをざりならぬ大事いはむと思ふに。此次なら |
Z09_0120A04: | では後に又といはむ事もあらじをなど思へば。さら |
Z09_0120A05: | ばかへらんといふも。身もいたき斗におぼへて。と※ |
Z09_0120A06: | まれといふ。是はゆ〻しき深き實にて有べし。此三人 |
Z09_0120A07: | はじめの一は僞り。後の二はあさきふかきのかはりめ |
Z09_0120A08: | あれども。同じく實の心といふべき也。今往生の心の |
Z09_0120A09: | まことも是にて知ぬべし。心に往生を願はずして。こ |
Z09_0120A10: | とばに出て願ふ由をいはむこと。虛假とはきらふべ |
Z09_0120A11: | げ〓。心に願ひて口にもいひ身にもふるまはむは。あ |
Z09_0120A12: | さくとも實にて有べければ往生すべきなり。さらに |
Z09_0120A13: | 嫌ふべからず。摠て至誠心のしたの釋には。自力とい |
Z09_0120A14: | ひてきらひたる事もなし。又勇猛なるべしとす〻め |
Z09_0120A15: | たる事もなし。唯嫌ふことばには僞を出し。勸る言葉 |
Z09_0120A16: | には實あれといへり。大師の勸のま〻に心えて。外の |
Z09_0120A17: | 語を知る事なかれ。二には深心。ふかく信ずる心なり |
Z09_0120B01: | と釋せり。何をふかく信ずるぞとならば。是に二あり。 |
Z09_0120B02: | 一には機を信じ。二には法を信ずるなり。先ず機を信 |
Z09_0120B03: | ずるといふは。自の身を深く信じてすべて生死をば |
Z09_0120B04: | いづべき緣なしとしるなり。如レ是信ずるは何の爲ぞ |
Z09_0120B05: | とならば。二の故あり。一には若し我身に生死を出べ |
Z09_0120B06: | き功ありとおもは※。本願のうれしさも强なるまじ |
Z09_0120B07: | きにや。此故に本願にのりゐんが爲に先ず我身の拙 |
Z09_0120B08: | き事をしるなり。則是又自力の心をすて〻他力に歸 |
Z09_0120B09: | する姿なり。二にはたとひ本願の文に十方衆生十念し |
Z09_0120B10: | て生ずべしといへども。衆生のことば廣し。しらず何 |
Z09_0120B11: | なる機にかあるらん。況異學異見の人有て。さほどに |
Z09_0120B12: | ゆ〻しき淨土は凡夫なりともせめて戒をもよく持ち |
Z09_0120B13: | 智慧も深くしてこそ生るべけれ。いか※そこたちの |
Z09_0120B14: | 樣に罪ふかく愚なる人は。輙く生ずべきなど。妨げ云 |
Z09_0120B15: | 事あらむには。實に本願の文ばかりにては其疑晴れ |
Z09_0120B16: | がたかるべきを。善導大師は彌陀の化身として。我昔 |
Z09_0120B17: | の本願の念たがへじとて。其本願の機は。よろづの佛 |