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Z0470 唯信鈔 聖覚 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0074A01: をも陰陽師をも信ずることなけれども。やまひおも
Z09_0074A02: くなりぬれば。こ〻ろを信じてこの治方をせば。やま
Z09_0074A03: ひいえなむといへば。まことにいえむずるやうにお
Z09_0074A04: もひて。くちににがきあぢはひをもなめ。身にいたは
Z09_0074A05: しき療治をもくはふ。もしこのまつりしたらば。いの
Z09_0074A06: ちはのびなむといへば。たからをもおしまず。ちから
Z09_0074A07: をもつくして。これをまつりこれをいのる。これすな
Z09_0074A08: はちいのちをおしむこ〻ろふかきによりて。これを
Z09_0074A09: のべむといへばふかく信ずるこ〻ろあり。臨終の念
Z09_0074A10: 佛これになずらへてこ〻ろえつべし。いのち一刹那に
Z09_0074A11: せまりて。存ぜむことあるべからずとおもふには。後
Z09_0074A12: 生のくるしみたちまちにあらはれ。あるひは火車相現
Z09_0074A13: し。あるひは鬼率まなこにさへぎる。いかにしてかこ
Z09_0074A14: のくるしみをまぬがれ。このおそれをはなれんとおも
Z09_0074A15: ふに。善知識のおしへによりて。十念の往生をきくに。
Z09_0074A16: 深重の信心たちまちにおこりて。これをうたがふこ
Z09_0074A17: 〻ろなきなり。これすなはちくるしみをいとふこ〻
Z09_0074B01: ろふかく。たのしみをねがふこ〻ろ切なるがゆゑに。
Z09_0074B02: 極樂に往生すべしときくに。信心たちまちに發する
Z09_0074B03: なり。いのちのぶべしといふをき〻て。醫師陰陽師を
Z09_0074B04: 信ずるがごとし。もしこのこ〻ろならば。最後の刹那
Z09_0074B05: にいたらずとも信心決定しなば。一稱一念の功德み
Z09_0074B06: な臨終の念佛にひとしかるべし。
Z09_0074B07: 二。つぎによのなかの人のいはく。たとひ彌陀の願力
Z09_0074B08: をたのみて。極樂に往生せむとおもふとも。先世の罪
Z09_0074B09: 業しりがたし。いかでかたやすくうまるべきや。業障
Z09_0074B10: にしな〲あり。順後業といふはかならずその業をつ
Z09_0074B11: くりたる生ならねども。後々生にも果報をひくなり。
Z09_0074B12: されば今生に人界の生をうけたりといふとも。惡道
Z09_0074B13: の業を身にそなへたらむことをしらず。かの業力つ
Z09_0074B14: よくして。惡趣の生をひかば。淨土にうまる〻ことか
Z09_0074B15: たからむ歟。この義まことにしかるべしといへども。
Z09_0074B16: 疑網たちがたくして。みづから妄見をおこすなり。お
Z09_0074B17: ほよそ業は〻かりのごとし。おもきものまづひく。も

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