浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z09_0073A01: | ず。過現三業の善根をめぐらして極樂にうまれんと |
Z09_0073A02: | 願ずるなり。 |
Z09_0073A03: | つぎに本願の文にいはく。乃至十念若不生者不取正 |
Z09_0073A04: | 覺といへり。いまこの十念といふにつきて人うたが |
Z09_0073A05: | ひをなしていはく。法華の一念隨喜といふは。ふかく |
Z09_0073A06: | 非權非實の理に達するなり。いま十念といへるもな |
Z09_0073A07: | にのゆゑか十遍の名號とこ〻ろえんと。このうたが |
Z09_0073A08: | ひを釋せば。觀無量壽經の下品下生の人の相をとく |
Z09_0073A09: | に。いはく五逆十惡をつくりもろ〱の不善を具せ |
Z09_0073A10: | るもの。臨終のときにいたりてはじめて善知識のす |
Z09_0073A11: | すめによりて。わづかに十遍の名號をとなへて。すな |
Z09_0073A12: | はち淨土にうまるといへり。これさらにしづかに觀 |
Z09_0073A13: | じふかく念ずるにあらず。た※くちに名號を稱する |
Z09_0073A14: | なり。汝若不能念者といへり。これふかくおもはざる |
Z09_0073A15: | むねをあらはすなり。應稱無量壽佛と〻けり。た※ふ |
Z09_0073A16: | かく佛號をとなふべしとす〻むるなり。具足十念稱南 |
Z09_0073A17: | 無阿彌陀佛。稱佛名故於念々中。除八十億劫生死之罪 |
Z09_0073B01: | といへり。十念といへるはた※稱名の十遍なり。本願 |
Z09_0073B02: | の文これになずらへてしりぬべし。善導和尙はふか |
Z09_0073B03: | くこのむねをさとりて。本願の文をのべたまふに。若 |
Z09_0073B04: | 我成佛十方衆生。稱我名號下至十聲。若不生者不取生 |
Z09_0073B05: | 覺といへり。十聲といへるは口稱の義をあらはさん |
Z09_0073B06: | となり。 |
Z09_0073B07: | 一。つぎにまた人のいはく。臨終の念佛のちからは功 |
Z09_0073B08: | 德はなはだふかし。十念に五逆を滅するは臨終の念 |
Z09_0073B09: | 佛のちからなり。尋常の念佛はこのちからありがた |
Z09_0073B10: | しといへり。これを案ずるに。臨終の念佛は功德こと |
Z09_0073B11: | にすぐれたり。た※しそのこ〻ろをうべし。もし人い |
Z09_0073B12: | のちおはらむとするときは。百苦身にあつまり正念 |
Z09_0073B13: | みだれやすし。かのとき佛を念ぜんことなにのゆゑ |
Z09_0073B14: | かすぐれたる功德あるべきや。これをおもふにやま |
Z09_0073B15: | ひおもくいのちせまりて。身にあやぶみあるときに |
Z09_0073B16: | は。信心おのづからおこりやすきなり。まのあたりよ |
Z09_0073B17: | の人のならひをみるに。その身おだしきときは。醫師 |