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Z0470 唯信鈔 聖覚 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0072A01: こ〻ろつねに散亂して一心をうることかたし。身と
Z09_0072A02: こしなへに懈怠にして精進なることなし。佛の願ふ
Z09_0072A03: かしといふとも。いかでかこの身をむかへたまはん
Z09_0072A04: と。このおもひまことにかしこきににたり。憍慢をお
Z09_0072A05: こさず高貢のこ〻ろなし。しかはあれども佛の不思
Z09_0072A06: 議力をうたがふとがあり。佛いかばかりのちからま
Z09_0072A07: しますとしりてか。罪惡の身なればすくはれがたし
Z09_0072A08: とおもふべき。五逆の罪人すらなほ十念の功ゆゑに
Z09_0072A09: よりて。ふかく刹那のあひだに往生をとぐ。いはんや
Z09_0072A10: つみ五逆にいたらず功十念にすぎたらんをや。つみ
Z09_0072A11: ふかくばいよ〱極樂をねがふべし。不簡破戒罪根
Z09_0072A12: 深といへり。善すくなくばます〱彌陀を念ずべ
Z09_0072A13: し。三念五念佛來迎とのたまへり。むなしく身を卑下
Z09_0072A14: してこ〻ろを怯弱にして。佛智不思議を。うたがふこ
Z09_0072A15: となかれ。たとへば人ありて。たかき〻しのしもにあ
Z09_0072A16: りて。のぼることあたはざらんに。ちからつよき人。き
Z09_0072A17: しのうへにありて。つなをおろして。このつなにとり
Z09_0072B01: つかせて。われをきしのうへに。ひきのぼせんといは
Z09_0072B02: むに。ひく人のちからをうたがひて。つなのよはから
Z09_0072B03: むことをあやぶみて。手をおさめてこれをとらずば。さ
Z09_0072B04: らにきしのうへにのぼることをうべからず。ひとへ
Z09_0072B05: にそのことばにしたがひて。たなご〻ろをのべてこ
Z09_0072B06: れをとらんには。すなはちのぼることをうべし。佛力
Z09_0072B07: をうたがひ願力をたのまざる人は。菩提のきしにの
Z09_0072B08: ぼることかたし。た※信心の手をのべて誓願のつな
Z09_0072B09: をとるべし。佛力無窮なり罪障深重の身をおもしと
Z09_0072B10: せず。佛智無邊なり散亂放逸のものをもすつること
Z09_0072B11: なし。た※信心を要とす。そのほかをばかへりみざる
Z09_0072B12: なり。信心決定しぬれば三心おのづからそなはる。本
Z09_0072B13: 願を信ずることまことあれば虛假のこ〻ろなし。淨
Z09_0072B14: 土をまつことうたがひなければ廻願のおもひあり。
Z09_0072B15: このゆゑに三心ことなるににたれども。みな信心に
Z09_0072B16: そなはれるなり。みつには廻向發願心といふは。なの
Z09_0072B17: 中にその義きこえたり。くはしくこれをのぶべから

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