ウィンドウを閉じる

Z0470 唯信鈔 聖覚 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0070A01: 佛を持念せむは。うちきくところたくみなれども。念
Z09_0070A02: 佛たれか一萬遍にかぎれとさだめし。精進の機なら
Z09_0070A03: ばひねもすにとなふべし。念數をとらば彌陀の名號
Z09_0070A04: をとなふべし。本尊にむかは※彌陀の形像にむかふ
Z09_0070A05: べし。た※ちに彌陀の來迎をまつべし。なにのゆゑか
Z09_0070A06: 八菩薩の示路をまたむ。もはら本願の引導をたのむ
Z09_0070A07: べし。わづらはしく一乘の功能をかるべからず。行者
Z09_0070A08: の根性に上中下あり。上根のものはよもすがら日を
Z09_0070A09: くらし念佛をまうすべし。なにのいとまにか餘佛を
Z09_0070A10: 念ぜむ。ふかくこれをおもふべし。みだりがはしくう
Z09_0070A11: たがふべからず。
Z09_0070A12: つぎに念佛をまうさむには三心を具すべしと。た※
Z09_0070A13: 名號をとなふることは。たれの人か一念十念の功を
Z09_0070A14: そなへざる。しかはあれども往生するものはきは
Z09_0070A15: めてまれなり。これすなはち三心を具せざるにより
Z09_0070A16: てなり。觀無量壽經にいはく。具三心者必生彼國とい
Z09_0070A17: へり。善導の釋にいはく。具此三心必得往生也若少一
Z09_0070B01: 心卽不得生といへり。三心の中に一心かげぬればう
Z09_0070B02: まる〻ことをえずといふ。よの中に彌陀の名號をとな
Z09_0070B03: ふる人おほけれども。往生する人のかたきはこの三
Z09_0070B04: 心を具せざるゆゑなりとこ〻ろうべし。その三心と
Z09_0070B05: いふは。ひとつには至誠心。これすなはち眞實のこ〻
Z09_0070B06: ろなり。おほよそ佛道にいるにはまづまことのこ〻
Z09_0070B07: ろをおこすべし。そのこ〻ろまことならずばそのみち
Z09_0070B08: す〻みがたし。阿彌陀佛の昔菩薩の行をたて。淨土を
Z09_0070B09: まうけたまひしも。ひとへにまことのこ〻ろをおこ
Z09_0070B10: したまひき。これによりてかのくに〻うまれむとお
Z09_0070B11: もはんも。またまことのこ〻ろをおこすべし。その眞
Z09_0070B12: 實心といふは。不眞實のこ〻ろをすて。眞實のこ〻ろ
Z09_0070B13: をあらはすべし。まことにふかく淨土をねがふこ〻
Z09_0070B14: ろなきを。人にあひてはふかくねがふよしをいひ。內
Z09_0070B15: 心にはふかく今生の名利に著しながら。外相にはよ
Z09_0070B16: をいとふよしをもてなし。ほかには善心ありたふと
Z09_0070B17: きよしをあらはして。うちには不善のこ〻ろもあり。

ウィンドウを閉じる