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Z0470 唯信鈔 聖覚 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0069A01: なにのとが〻あらんと思ふなり。た※ちに本願に順
Z09_0069A02: ぜる易行の念佛をつとめずして。なほ本願にえらば
Z09_0069A03: れし諸行をならべむことのよしなきなり。これによ
Z09_0069A04: りて善導和尙の〻たまはく。專をすて〻雜におもむ
Z09_0069A05: くものは。千の中に一人もうまれず。もし專修のもの
Z09_0069A06: は百に百ながらうまれ。千に千ながらうまるといり。
Z09_0069A07: 極樂無爲𣵀槃界 隨緣雜善恐難生
Z09_0069A08: 故使如來選要法 敎念彌陀專復專
Z09_0069A09: といへり。隨緣の雜善ときらへるは。本業を執するこ
Z09_0069A10: ころなり。たとへばみやづかひをせんに。主君にちか
Z09_0069A11: づきこれをたのみてひとすぢに忠節をつくすべき
Z09_0069A12: に。まさしき主君にしたしみながら。かねてまたうと
Z09_0069A13: くとほき人にこ〻ろざしをつくして。この人主君に
Z09_0069A14: あひてよきさまにいはんことをもとめむがごとし。
Z09_0069A15: た※ちにつかへたらんと勝劣あらはにしりぬべし。
Z09_0069A16: 二心あると一心なると。天地はるかにことなるべし。
Z09_0069A17: これにつきて人うたがひをなさく。たとへば人あり
Z09_0069B01: て念佛の行をたて〻每日に一萬遍をとなへて。その
Z09_0069B02: ほかはひねもすにあそびくらしよもすがらねむりお
Z09_0069B03: らむと。またおなじく一萬遍をまうして。その〻ち經
Z09_0069B04: をもよみ餘佛を念ぜんと。いづれかすぐれたるべ
Z09_0069B05: き。法華に卽往安樂の文あり。これをよまむにあそ
Z09_0069B06: びたはぶれにおなじからむや。藥師には八菩薩の引
Z09_0069B07: 導あり。これを念ぜんはむなしくねむらむににるべ
Z09_0069B08: からず。かれを專修とほめ。これを雜修ときらはむこ
Z09_0069B09: と。いまだそのこ〻ろをえずと。いま〻たこれを案ず
Z09_0069B10: るに。なほ專修をすぐれたりとす。そのゆゑはもとよ
Z09_0069B11: り濁世の凡夫なりとことにふれてさはりおほし。彌
Z09_0069B12: 陀これをか※みて易行の道をおしへたまへり。ひね
Z09_0069B13: もすにあそびたはぶる〻は散亂增のものなり。よも
Z09_0069B14: すがらねむるは睡眠增のものなり。これみな煩惱の
Z09_0069B15: 所爲なり。たちがたく(ふし)がたし。あそびやまば念佛を
Z09_0069B16: となへ。ねぶりさめば本願をおもひいづべし。專修の
Z09_0069B17: 行にそむかず。一萬遍をとなへてその〻ちに他經他

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