浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 | 
|---|---|
| Z09_0068A01: | このこ〻ろか。これを念佛往生とす。龍樹菩薩の十住 | 
| Z09_0068A02: | 毘婆沙論の中に。佛道を行ずるに難行道あり易行道 | 
| Z09_0068A03: | あり。難行道といふは。陸路をかちよりゆかむがごと | 
| Z09_0068A04: | し。易行道といふは。海路に順風を得たるがごとし。難 | 
| Z09_0068A05: | 行道といふは。五濁世にありて不退のくらゐにかな | 
| Z09_0068A06: | はんとおもふなり。易行道といふはた※佛を信ずる | 
| Z09_0068A07: | 因緣をもてのゆゑに淨土に往生するなりといへり。 | 
| Z09_0068A08: | 難行道といふは聖道門なり。易行道といふは淨土門 | 
| Z09_0068A09: | なり。わたくしにいはく。淨土門にいりて諸行往生を | 
| Z09_0068A10: | つとむる人は。海路にふねにのりながら順風をえず。 | 
| Z09_0068A11: | ろをおし力をいれて潮路をさかのぼりなみまをわく | 
| Z09_0068A12: | るにたとふべき歟。 | 
| Z09_0068A13: | つぎにこの念佛往生の門につきて。專修雜修の二行 | 
| Z09_0068A14: | わかれたり。專修といふは。極樂をねがふこ〻ろをお | 
| Z09_0068A15: | こし。本願をたのむ信をおこすより。た※念佛の一行 | 
| Z09_0068A16: | をつとめてまた〱餘行をまじへざるなり。他の經 | 
| Z09_0068A17: | 呪をもたもたず餘の佛菩薩をも念ぜず。た※彌陀の | 
| Z09_0068B01: | 名號をとなへ。ひとへに彌陀一佛を念ずる。これを專 | 
| Z09_0068B02: | 修となづく。雜修といふは。念佛をむねとすといへど | 
| Z09_0068B03: | も。また餘の行をもならべ。他の善をもかねたるなり。 | 
| Z09_0068B04: | このふたつの中には。專修をすぐれたりとす。そのゆ | 
| Z09_0068B05: | ゑはすでにひとへに極樂をねがふ。かの土の敎主を | 
| Z09_0068B06: | 念ぜむほか。なにのゆゑか他事をまじへむ。電光朝露 | 
| Z09_0068B07: | のいのち。芭蕉泡沫の身。わづかに一世の勤修をもて。 | 
| Z09_0068B08: | たちまちに五趣の古鄕をはなれむとす。あにゆる〻 | 
| Z09_0068B09: | 〻諸行をかねんや。諸佛菩薩の結緣は隨心供佛のあ | 
| Z09_0068B10: | したを期すべし。大小經典の義理は百法明門のゆ | 
| Z09_0068B11: | ふべをまつべし。一土をねがひ一佛を念ずるほかは | 
| Z09_0068B12: | その用あるべからずといふなり。念佛の門にいりな | 
| Z09_0068B13: | がらなほ餘行をかねたる人は。そのこ〻ろをたづぬ | 
| Z09_0068B14: | るに。をの〱本業を執してすてがたくおもふなり。 | 
| Z09_0068B15: | あるひは一乘をたもち。三密を行ずる人。をの〱そ | 
| Z09_0068B16: | の行を廻向して。淨土をねがはんとおもふこ〻ろを | 
| Z09_0068B17: | あらためずして。念佛にならべてこれをつとむるに |