浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z09_0044A01: | 號を唱ふるばかり也。是を散心の念佛と申す也。 |
Z09_0044A02: | 問。此二の念佛の中に。何れか佛の本願に叶ひ候。答。 |
Z09_0044A03: | 散心の念佛を以て本願とし候也。上人御存生の時。西 |
Z09_0044A04: | 國の修行者申しけるは。佛の相好を常に心に懸て。念 |
Z09_0044A05: | 佛の數遍少く申さんと。心は散亂て數遍多申候はん |
Z09_0044A06: | と。何れか勝れ候べきと。其時お前に候僧の云く。心に |
Z09_0044A07: | 常に佛の相好を思ひて申さんこそめでたかるべけ |
Z09_0044A08: | れ。上人宣く。源空は全くさは思はず。本願のむなしか |
Z09_0044A09: | らず。稱念せば必ず生るべしと思ふより外には。全く |
Z09_0044A10: | 心にか〻る事なしと。云々明遍僧都宣けるは。引接の思 |
Z09_0044A11: | ひ往生の思ひ迄も心に懸られず。增て佛の相好など |
Z09_0044A12: | は思も寄らぬ事也。只佛助けさせ給へと思ふより外 |
Z09_0044A13: | は。全く別の儀なしと。云々惠心僧都に覺超僧都の問 |
Z09_0044A14: | ひ奉られけるは。往生の業には觀念具足しおはしま |
Z09_0044A15: | すや。惠心の給はく。理觀も用に立はしつべけれ共。 |
Z09_0044A16: | 往生の業には稱名足りと存ずと。云々善導の禮讚にも。 |
Z09_0044A17: | 相好をば觀ぜざれ只名號を稱せよと。稱名は易が故 |
Z09_0044B01: | に相續して卽ち生るとこそ釋せられて候へ。 |
Z09_0044B02: | 閑亭後世物語卷上終 |