浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z09_0043A01: | き。本心正念に住して往生すべき也。 |
Z09_0043A02: | 問。念佛の行者服藥灸治などは。する事いか※候べき。 |
Z09_0043A03: | 極樂には死なずして詣べきに非ず。命を惜まば往生を |
Z09_0043A04: | すまじきに似たり。いかんぞ。答。服藥灸治するに二 |
Z09_0043A05: | 樣有り。一には命をたすからん爲には非ず。苦痛を止 |
Z09_0043A06: | て。心のどかに念佛申さん爲也。二には命の惜さに服 |
Z09_0043A07: | 藥灸治する凡夫の習也。然共療治には。病は癒れども |
Z09_0043A08: | 命は延る事なし。定業には死ぬべし。始には命を惜め |
Z09_0043A09: | ども。實に死なん時には先の念佛の功によりて。佛の |
Z09_0043A10: | 誓なれば必ず迎へ給ふべし。命を惜むは凡夫の拙き |
Z09_0043A11: | 習ひ也。往生する事は佛の慈悲本願の力也。 |
Z09_0043A12: | 問。念佛に自力他力と申事の候なるは。如何なる事ぞ。 |
Z09_0043A13: | 答。隆寬律師の云く。佛の本願は。只名號を唱へん凡夫 |
Z09_0043A14: | を迎へんとこそ立おはしますに。自力の者は。此本願 |
Z09_0043A15: | の名號を唱へながら。我身をつくろひ我心を調。戒を |
Z09_0043A16: | 持。齋をし。身をせめ心をくだきて。通夜終日に頭の燃 |
Z09_0043A17: | を掃が如に勵てこそ。本願にも叶はめと思て。念佛申 |
Z09_0043B01: | すを自力と申す也。他力と申すは。もとより我身のわ |
Z09_0043B02: | ろきを始てつくろひと〻のへんとも思はず。元より |
Z09_0043B03: | 我心の煩惱に濁れるを今更す〻まさんともせず。只 |
Z09_0043B04: | 佛の御力に任て我身の罪をも滅してたべ。我心のに |
Z09_0043B05: | ごれるをも淸めてたべ。我行のよはきを助てたべと |
Z09_0043B06: | 思ふ斗にて。僅に舌を働して名號を唱へて。四種の威 |
Z09_0043B07: | 儀をも調へず。只ありきくも立ても居てもねてもさ |
Z09_0043B08: | めても唱。三業の罪障を〻もかへりみず。只身に禮み |
Z09_0043B09: | 口に唱へ心に念じて。時を嫌はず所をきらはず。唱ふ |
Z09_0043B10: | ばかりにて。往生は佛の御力に任て賴を他力の念佛 |
Z09_0043B11: | と申て。此ぞ決定往生の信心にて候。四句の抄と申文 |
Z09_0043B12: | を見給ふべしと。云々 |
Z09_0043B13: | 問。念佛に定心の念佛散心の念佛と申す事の候なる |
Z09_0043B14: | は。如何樣なる事ぞ。答。定心の念佛と申すは。心のち |
Z09_0043B15: | り亂るをと※めて。佛の相好光明に思をかけて申す |
Z09_0043B16: | を。定心の念佛と申也。散心の念佛と申すは。心の妄念 |
Z09_0043B17: | の沙汰もせず。佛の相好をも思はず。只舌を動して名 |