浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z09_0042A01: | 力を仰ぐ信心なれと仰せられたり。加樣の事を能々 |
Z09_0042A02: | 心得て。我身の分をはからひて。只佛たすけ給へと思 |
Z09_0042A03: | ふべき也。 |
Z09_0042A04: | 問。念佛は實に機に隨へばいくらにても申すべし。但 |
Z09_0042A05: | まめやかに極樂にとく參らばやと。欣求の心の急が |
Z09_0042A06: | れ候はぬは。如何し候べき。答。日々の所作だに懈怠 |
Z09_0042A07: | なくば。それこそ欣求の心なれ。欣求なければと疑ま |
Z09_0042A08: | じく候也。日夜をふるに隨て。名利の心のみ彌增にな |
Z09_0042A09: | り行ども。さすがに念佛の心はかはらずうすくなら |
Z09_0042A10: | ずば。往生疑なき事也。 |
Z09_0042A11: | 問。今生の祈に。餘の佛神につかふまつる事は。雜行に |
Z09_0042A12: | て候やらん。往生の障にて候べきか。答。雅成の親王 |
Z09_0042A13: | の御尋候ひけるに。隆寬の御返事に全雜行になり候 |
Z09_0042A14: | はず。往生の障にあらずと。云々 |
Z09_0042A15: | 問。念佛の行者の中に。物の氣病る時は。驗者して祈せ。 |
Z09_0042A16: | 陰陽師にて祠せなんどし候事いかん。答。それも可レ |
Z09_0042A17: | 然。但し一向に阿彌陀佛に後世を祈り。餘の神明神道に |
Z09_0042A18: | つかふまつらざれば。全く其た〻り有べからず。祟なけ |
Z09_0042B01: | れば。更に物の氣病ま〻じ。さて一向に後世をば阿彌 |
Z09_0042B02: | 陀佛に申せ共。さすが今生も捨難ければ。餘の神明神 |
Z09_0042B03: | 道につかふまつりて參候はんには。必ず其祟有べし。 |
Z09_0042B04: | たとへば君に仕へ奉るに。忠を致す時は賞有。過ある時 |
Z09_0042B05: | は刑をおこなはる〻が如し。神明は非禮を受給はず |
Z09_0042B06: | とて。もちひず仕へぬ人には。全く賞もなく又罸もな |
Z09_0042B07: | し。用ひ崇人の爲には。愼を致す時は定て惠あるべ |
Z09_0042B08: | し。危ある時は必ず祟あるべし。祟あらば念佛す共物 |
Z09_0042B09: | の氣病すべし。物の氣あらば。尤祈り祠りて本心に住 |
Z09_0042B10: | して念佛申して往生すべし。在家の人は必ず今生を祈 |
Z09_0042B11: | る事あるべし。祈ば定で神明に仕へまつるべし。然と |
Z09_0042B12: | 云共。三心具足して信心うけかためん人は。在家にも |
Z09_0042B13: | 依るまじ神明に仕へんにも依るまじ。全く物氣病すま |
Z09_0042B14: | じき也。たとひ又出家なり共。神明を捨て奉りたりと |
Z09_0042B15: | も。信心未だ取かためざらん念佛者は。物氣病もすべ |
Z09_0042B16: | し。其も祈祭べき方あらば祈らすべし。さらずば。始て |
Z09_0042B17: | 一向の信心をつよく發して念佛を申さば。物氣も退 |