浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z09_0039A01: | 答。懺悔の心と云は。作たる罪を悔る心也。後世ねがは |
Z09_0039A02: | ん人は。爭か其心なかるべき。懺悔すれば罪滅す。罪 |
Z09_0039A03: | 滅すれば。淸淨になる也。 |
Z09_0039A04: | 問。念佛は申とも。懺悔の心發ずば罪滅すべからずや。 |
Z09_0039A05: | 答。たとひ其心なくとも。念佛を申さば罪滅すべし。た |
Z09_0039A06: | とひ其心ありとも。念佛を申さずば罪消ゆべからず。 |
Z09_0039A07: | 但罪を悔る心なくば念佛も申さるべからず。念佛を |
Z09_0039A08: | 申さずば罪きゆべからず。つみ消えずば定で三惡道 |
Z09_0039A09: | に墮すべし。三惡道の怖故に念佛申べし。念佛申せば |
Z09_0039A10: | 罪を滅すべし。罪をめつする故に地獄に墮すべから |
Z09_0039A11: | ず。此故に懺悔の心あるべしと云也。 |
Z09_0039A12: | 問。日所作に限りたる數遍をかく事の候をば。次の日 |
Z09_0039A13: | 申入べきにて候やらん。答。長樂寺の律師の記には。 |
Z09_0039A14: | 構で闕くべからず。重病より外には。何事にさへられ |
Z09_0039A15: | てか日所作をかぐべき。不レ及レ力かけたらば。心に懸て |
Z09_0039A16: | 歎くべし。後に申入れんずればとて兼て思へば。心の |
Z09_0039A17: | 緩也。又心にか〻りて疑れば。せめてず※をはやくと |
Z09_0039B01: | いかにも〱して。申果つと思ふべき也。つぎの日 |
Z09_0039B02: | も申入べし。 |
Z09_0039B03: | 問。數珠をはやくこして。舌をばおそくして念佛何萬 |
Z09_0039B04: | 遍と云事は。有名無實にてや候べき。答。詮ずる所は |
Z09_0039B05: | 思をかけて相續せん料なれば。數珠はやくとも。數遍 |
Z09_0039B06: | だに多く申さば目出度事也。 |
Z09_0039B07: | 問。或は一日廿萬卅萬。或は每日に四十八萬遍申候な |
Z09_0039B08: | んど云人の候は。實しからぬ方も候。恐は佛を欺き奉 |
Z09_0039B09: | る咎にや候らん。答。其儀はふしんすまじきにて候 |
Z09_0039B10: | 也。高野に到來の非人念佛者一人參りて。明遍僧都の |
Z09_0039B11: | 室に尋入て。念佛の數遍は如何程か定て申べきと問。 |
Z09_0039B12: | 僧都又いくら定て申さる〻ぞと問れて。客僧申て |
Z09_0039B13: | 云。一日に百萬遍闕退なく申候也。僧都是を聞て心に |
Z09_0039B14: | うけぬ事に思はれて。軈而目もみせず詞も懸ずして |
Z09_0039B15: | 止れければ。修行者歸りぬ。其夜僧都の夢に見樣。善 |
Z09_0039B16: | 導現じての給はく。いかに念佛每日に百萬遍の行者 |
Z09_0039B17: | をば。疑ひ惡みて歸し給へるぞと。云々僧都夢さめ夜明 |