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Z0450 閑亭後世物語 隆寛 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0037A01: 念佛最上に候。十惡五逆の罪たりといへども。全く障
Z09_0037A02: たらず。一稱十念の力。決定して往生せしむべきよし。
Z09_0037A03: 眞實堅固に御信(じゆ)候べき也。(いさ〻か)も不定の義ゆめ〱
Z09_0037A04: 候べからずと。云々
Z09_0037A05: 問。不淨の時念佛申。經をよむ事いか※候べき。答。經
Z09_0037A06: を讀事は。不淨にて不。西方要決には(みへ)て候。念
Z09_0037A07: 佛も長樂寺の律師隆寬は。不淨の身にて。みだりがは
Z09_0037A08: しくず※を取。本尊にむかふべからず。不淨ならん時
Z09_0037A09: は。卽行水を用ふべし。但病に沈みたらん人は不
Z09_0037A10: た※念佛を申。佛像にもむかひ奉るべしと。云々又但馬
Z09_0037A11: の宮の此事を御尋有しに。()(しや)(もん)(だう)の法印(めう)(ぜん)の御
Z09_0037A12: (うけ)(ぶみ)には。不淨の時の(しやう)(みやう)の事。衣をす〻ぎ身をもす
Z09_0037A13: 〻ぎ候事は。別時の儀に候。常の念佛は。不淨あながち
Z09_0037A14: と憚候べからずと。云々同御尋に依て。(せい)(かく)の請文に日
Z09_0037A15: 々の御所作は。更に不淨憚べからず候。或は身の懈怠
Z09_0037A16: 不淨に憚。或は心の(さん)(らん)(まう)(ねん)におそれて。往生に不定
Z09_0037A17: の思をなすは。きはめたる(ひが)事也。佛の御心にも背べ
Z09_0037B01: く候也。念佛の本意は。た※常に念ずるを要として。(ぎやう)
Z09_0037B02: (ぢう)()(ぐわ)(えらば)ず。()(しよ)()(ゑん)をきらはず候也。但月每に。一
Z09_0037B03: 日なんどは御(しやう)(じん)(けつ)(さい)にて御念佛候べし。其外の日
Z09_0037B04: 々の御所作は。た※御手水斗にて候べき也と。云々
Z09_0037B05: 問。小便の後又はくだ物などを食て。うがひすべしや。
Z09_0037B06: 又せずとも苦からずや。或は塗香なんどは如何候べ
Z09_0037B07: き。答。長樂寺の律師は。湯水飮てもうがひせられき。
Z09_0037B08: 尤すべき事にこそ候めれ。但便宜あしく水もなから
Z09_0037B09: ん時は。水なければとて。手を徒にて所作をかくべき
Z09_0037B10: に非ず。只申べき也。又塗香なんどは。水のなからんに
Z09_0037B11: は心ゆかし用ふべき也。只我心地によしと思は※よ
Z09_0037B12: かるべき也。
Z09_0037B13: 問。別時の念佛と身の不淨にて申す念佛と。()(どく)(しやう)(れつ)
Z09_0037B14: 如何。答。稱名には全く勝劣なき也。南無阿彌陀佛の
Z09_0037B15: 功德は。いかに如本て申も差別なき也。
Z09_0037B16: 問。勝劣なくば。何か故ぞ煩はしく別時をつとむべき。
Z09_0037B17: 答曰。日々の所作事にふれて懈怠を致す。其心を勵

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