浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0355A01: | 頭此歌を案ずるに。阿彌陀佛といふより外とあ |
Z08_0355A02: | れば。口業の惡をいましむる義あり。難波の事と |
Z08_0355A03: | あれば。三業の一切の惡事をやむべしといふ義 |
Z08_0355A04: | もあり。○散善義ニ云。一心ニ專念スレハ二彌陀ノ名號ヲ一。 |
Z08_0355A05: | 乃至是ヲ名ク二正定之業ト一。順スルカ二彼佛ノ願ニ一故ニ云云。 |
Z08_0355A06: | ○群疑論ニ云。依テレ斯ニ行者。廢M(シテ)二餘ノ一切ノ諸願諸 |
Z08_0355A07: | 行ヲ一。唯二-願唯三-行セヨ西方ノ一行ヲ一。雜修之者ハ。千ニ不二 |
Z08_0355A08: | 一モ生セ一。專修之人。萬ニ無二一リモ失フヿ一云云。慧心ノ云。 |
Z08_0355A09: | 今勸ルハ二念佛ヲ一。非三是遮スルニ二餘ノ種々ノ妙行ヲ一。只是レ |
Z08_0355A10: | 男女貴賤。不レ簡二行住坐臥ヲ一。不レ論二時處諸緣ヲ一。 |
Z08_0355A11: | 修スルニレ之ヲ不レ難カラ。乃至臨終ニ願二-求スルニ往生ヲ一。得ルヿ二 |
Z08_0355A12: | 其ノ便宜ヲ一。不レ如二念佛ニハ一云云。 |
Z08_0355A13: | ○ |
Z08_0355A14: | 極樂へつとめてはやくいてた〻は |
Z08_0355A15: | 身のをはりにはまいりつきなん |
Z08_0355A16: | 是も夫木集に載せたり。胸の句つとめてとくとあ |
Z08_0355A17: | り。同じ心也。此歌は。去此不遠の心と見えたり。か |
Z08_0355A18: | の空也上人の詠を本歌とし給へり。千載集 |
Z08_0355A19: | 極樂は〻るけきほと〻きしかと |
Z08_0355A20: | つとめるていたるところなりけり |
Z08_0355B01: | とあり。極樂世界は。十萬億土とて遙なる所とは聞 |
Z08_0355B02: | しかど。かの土をねがひ。彼業を修しつれば。やがて |
Z08_0355B03: | 程なく至るとの義也と。此歌もおなじ心也。十萬億 |
Z08_0355B04: | 刹の遐方なれども。念佛の足をだに運びなば。一生 |
Z08_0355B05: | の終には。往生すべしといふ也。○つとめてとは。勤 |
Z08_0355B06: | 精進の義に。早朝の心を兼ねたる詞也。慧心の歌に。 |
Z08_0355B07: | 朝かほのあたにはかなきいのちをは。つめてのみ |
Z08_0355B08: | そしはしたもたんといへる詞に同じ。その外。枕草 |
Z08_0355B09: | 子。土佐日記の類にいくらもある詞也。伊勢物語の |
Z08_0355B10: | 眞名本に。晨の字を書きてつとめてと訓ぜり。極樂 |
Z08_0355B11: | までと心ざすは。遙なる旅路なれば。早朝より出で |
Z08_0355B12: | 立つべしとなり。○身のをはりとは。人の臨修をい |
Z08_0355B13: | ふ。禮讚に。前念命終後念卽生とあり。まいりつきな |
Z08_0355B14: | んとは。往生すべしといふ義なり。臨終は日沒の如 |
Z08_0355B15: | く。少年は早朝のごとし。老來るを待て。始て道を學 |
Z08_0355B16: | ぶ事なかれ。つとめてはやく。少壯より出で立つべ |
Z08_0355B17: | しとの御勸なり。か〻ればとて。多年の行者のみ。往 |
Z08_0355B18: | 生すといふにはあらず。一日七日の念佛者も。來迎 |
Z08_0355B19: | に預ること。經文分明なり。老後に初て念佛して。往 |
Z08_0355B20: | 生しけるためし。傳記にみえたり。さはいひながら。 |