浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0353A01: | がめなしつ〻とあるも。春をへて冬に至れる義 |
Z08_0353A02: | 也。此歌の見なすと。かの歌のながめなると同じ |
Z08_0353A03: | 心也。よく〱案ずべし。これ余が粉骨なり。○ |
Z08_0353A04: | 釋書上人ノ傳ニ云ク。亡セシ之前二三日。紫雲降リ二-垂ル |
Z08_0353A05: | 坊上ニ一云云。○上人云。た▲南無阿彌陀佛と申て。 |
Z08_0353A06: | 聲につきて決定往生の思ひをなすべし云云。○ |
Z08_0353A07: | 向阿上人云。聲につきて決定往生の思ひなせと |
Z08_0353A08: | いふ。げにもいはれたり。異香よりも。紫雲より |
Z08_0353A09: | も。南無阿彌陀佛と〻なふる聲に。過ぎたる往生 |
Z08_0353A10: | のしるしやは侍るべき云云。○臨終の外瑞は。機に |
Z08_0353A11: | 依て隱顯あるべし。平生の念佛。まことならば。何 |
Z08_0353A12: | ぞ來迎なからんや。紫雲を見ざる人も。往生をう |
Z08_0353A13: | たがふ事なかれ。 |
Z08_0353A14: | ○極樂往生の行業には。餘の行をさしをきて。た▲ |
Z08_0353A15: | 本願の念佛をつとむべしといふ事を。 |
Z08_0353A16: | 阿彌陀佛といふよりほかは津のくにの |
Z08_0353A17: | なにはの事もあしかりぬへし |
Z08_0353A18: | 此歌。夫木集第卅四雜部に載せたり。心は詞書にあ |
Z08_0353A19: | らはなり。これ一向專修の御勸めなり。○阿彌陀佛 |
Z08_0353A20: | といふよりほかとは。本願の稱名より外也。此一句 |
Z08_0353B01: | に。正行の中の觀念をもえらび。助業をも兼ねざる |
Z08_0353B02: | 義あり。雜行のみにもあらざりけらし。此句に。ほ |
Z08_0353B03: | かといへるは。餘の字なるべし。日本紀に。自餘と書 |
Z08_0353B04: | きてこのほかと訓ぜり。詞書にも餘の行とあり。○ |
Z08_0353B05: | つの國とは。難波といはん枕詞なり。難波といへる |
Z08_0353B06: | は。あしかるといはん料也。○難波の事とは。諸の往 |
Z08_0353B07: | 生の雜行をさす。○あしかりぬべしとは。正しく制 |
Z08_0353B08: | 止する詞也。念佛は。かの佛の本願の行なれば。修し |
Z08_0353B09: | やすくして。決定往生の正業なり。その外の行は。修 |
Z08_0353B10: | しがたくして正業にあらず。それを修すれば。往生 |
Z08_0353B11: | も不定なるがゆへに。あしかりぬべしといふ也。此 |
Z08_0353B12: | 歌の緣の語。古歌におほし。難波は攝津國の名所に |
Z08_0353B13: | て。蘆などおほき處なれば。蘆をかるによそへたり。 |
Z08_0353B14: | 此浦をなにはと名づくる事。淨土長歌ノ注にもしる |
Z08_0353B15: | せり。日本紀第三ニ云。到二難波之崎ニ一會下有二奔潮一。太急上。 |
Z08_0353B16: | 因以爲二浪速國ト一。赤曰二浪花ト一。今謂フ二難波ト訛一。云云。梁 |
Z08_0353B17: | 塵愚案抄云。難波はむかし浪のはやくありしゆへ |
Z08_0353B18: | に。浪速といへるを。難波と略していへりと云云。扨。 |
Z08_0353B19: | 此歌は。上人難波津にまし〱ける時の雅詠なり |
Z08_0353B20: | 御傳見聞云。此歌は後白河法皇と。上人と日想觀を |