ウィンドウを閉じる

Z0400 空花和歌集 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0350A01: 云。佛無量功德。念スルカ無量功德
Z08_0350A02: スルコトヲ無量云云。
Z08_0350A03: 拾玉集に
Z08_0350A04: となへつるほとけの御名は朝日にて
Z08_0350A05: やかてきえゆくひと年の露
Z08_0350A06: このやがてと同じ心也。○消えぬるとは。消えはつ
Z08_0350A07: る義なり。
Z08_0350A08: 滅罪讚云。事理の懺悔を修せねども。彌陀の
Z08_0350A09: 名號となふれば。一念須臾の間にも。無量生死の
Z08_0350A10: 罪きえぬ云云。
Z08_0350A11: ○佛法に逢ては。身命を捨つといへることを。
Z08_0350A12: かりそめの色のゆかりの戀にたに
Z08_0350A13: あふには身をもおしみやはする
Z08_0350A14: 歌の心は。詞書にて聞え侍り。はかなき男女の戀路
Z08_0350A15: にも。なを身を捨て契るぞかし。ましてげにくしき
Z08_0350A16: 菩提のために。露の命をおしまんやとのす〻め也。
Z08_0350A17: ○かりそめには。まことなき義也。又色のゆかりと
Z08_0350A18: いはんとて儲の詞なり。
Z08_0350A19: 拾遺愚草
Z08_0350A20: もろともに思ひそめけるむらさきの
Z08_0350B01: ゆかりの色もけふそしらる〻
Z08_0350B02: 古今にも。あふことのまれなる色に思ひそめとあ
Z08_0350B03: り。○色のゆかりとは。もろこしの文にも。女人を
Z08_0350B04: 色といへり。ゆかりとは。その愛緣をいふ。紫に付
Z08_0350B05: てゆかりといふ事もあり。○あふとは。男女打とけ
Z08_0350B06: て相見る事也。歌書に逢戀。不逢戀の品題もあり。
Z08_0350B07: ○おしみやはするとは。おしみはせざるものぞと
Z08_0350B08: 也。
Z08_0350B09: 詩序疏云。女有美色。男子悅之。故經典之文。
Z08_0350B10: M(シテ)女人
Z08_0350B11: 古今戀 友則
Z08_0350B12: 命やは何そはつるのあたものを
Z08_0350B13: あふにしかへはおしからなくに
Z08_0350B14: 古今。戀しさに命をかふる物ならは。しにはや
Z08_0350B15: すくそあるへかりける。○新撰六帖。戀しなん身
Z08_0350B16: をやはおしむあふことに。かへぬ命のなをつら
Z08_0350B17: き哉。
Z08_0350B18: 拾遺愚草
Z08_0350B19: あちきなや上なき道をおしむかは
Z08_0350B20: 命をすてん戀の山邊に

ウィンドウを閉じる