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Z0400 空花和歌集 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0349A01: スルカ。故信心不一。不ルカ決定。信心不
Z08_0349A02: 。餘念間ルカ。此三不レハ相應者。不
Z08_0349A03: スルヿ。若具M(シテ)三心。不往生者。無ルコト
Z08_0349A04: 云云。
Z08_0349A05: ○冬
Z08_0349A06: 雪のうちにほとけの御名をとなふれは
Z08_0349A07: つもれるつみそやかてきえぬる
Z08_0349A08: 此歌。稱名滅罪の德をよめり。雪の中に彌陀の名號
Z08_0349A09: を唱ふれば。雪はなを消えざるに。罪はまづ消ゆと
Z08_0349A10: いふ心也。雪を罪にたとへてよむは。常の事也。經に
Z08_0349A11: も億劫積業。如湯消雪とあり。方丈記にも。冬は雪を
Z08_0349A12: あはれむ。つもりきゆるさま。罪障にたとへつべし
Z08_0349A13: としるせり又。
Z08_0349A14: 夫木集。源信僧都。さとりえて思ひとく日に
Z08_0349A15: 逢ぬれは。程なくきえぬつみのあは雪。○新葉集。
Z08_0349A16: 妙光寺內大臣。おしむなよ法のむしろの春の雪。
Z08_0349A17: きゆらんつみのためしなりせは。同。後村上院。
Z08_0349A18: 思ひやるさかの〻春の雪にもや。消えけるつみ
Z08_0349A19: のほとはみゆらん。
Z08_0349A20: 拾遺集 貫之
Z08_0349B01: 年のうちにつもれるつみはかきくらし
Z08_0349B02: ふるしら雪とともにきえなん
Z08_0349B03: 佛名の歌也。是も罪と雪と〻もに消えよといふ心
Z08_0349B04: 也。今此上人の歌は。雪よりも早く罪にぞきゆれと
Z08_0349B05: いふ心也。稱名の端的に滅罪して。間に髮を容れざ
Z08_0349B06: る義也。爰に心を付て見侍るべし。又
Z08_0349B07: 千載集に 法親王覺性
Z08_0349B08: てらすなる三世のほとけの朝日には
Z08_0349B09: ふる雪よりもつみはきゆらん
Z08_0349B10: とあり。今の歌に似たり。○つもれるつみとは。生
Z08_0349B11: 生世々に作りこし三業の罪也。つもれるもきゆる
Z08_0349B12: も雪の緣の語なり。○やがてとは。程もなく。卽時
Z08_0349B13: に消えはつる義也。
Z08_0349B14: 觀經云。汝稱佛名。諸罪消滅云云。選擇
Z08_0349B15: 云。念佛三昧。重罪尙滅。何經罪ヲヤ哉。餘行
Z08_0349B16: 然。或M(シテ)而不一レ。或M(シテ)
Z08_0349B17: 而不一レ。念佛然。輕重兼。一切遍
Z08_0349B18: 。譬阿伽陀藥スルカ一切。故
Z08_0349B19: 念佛三昧云云。嘉祥觀經云。問。
Z08_0349B20: 念佛三昧。何テカスルヿヲ此多罪耶。解M(シテ)

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