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Z0400 空花和歌集 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0348A01: 山姬のこ〻ろの色もやちくさに
Z08_0348A02: そめてしらする峰の紅葉々
Z08_0348A03: 和歌のみならず。(モロコシ)の文に。丹誠赤心といへるも。ま
Z08_0348A04: ことの心也。心の臟は赤色なる故也。白氏文集にも。
Z08_0348A05: 但見丹誠赤如一レ血とあり。
Z08_0348A06: 文選云。冐-奏丹誠。註云。丹誠赤心也
Z08_0348A07: 云云。
Z08_0348A08: ○ならましとは。なるべし也。ましは應の字也。案
Z08_0348A09: ずるに。此歌の心をそむるといへるは。橫の三心也。
Z08_0348A10: 辨阿上人念佛名義集云。よく〱極樂を願ひ。よく
Z08_0348A11: よく阿彌陀を心に染て居たるに。自然に三心を具
Z08_0348A12: 足する也云云。
Z08_0348A13: 然れども世くだり。人をろかにして。あだなる寶に
Z08_0348A14: 心をそめ。よしなき色に心を染て。花紅葉に心を染
Z08_0348A15: るばかりのなさけもなし。いはむや佛法に心をそ
Z08_0348A16: むる人は。いとまれなり。たま〱家を出たる人
Z08_0348A17: も。いたづらに衣を墨に染て。心を法に染ることす
Z08_0348A18: くなし。かなしむべしはづべし。されば此雅詠をよ
Z08_0348A19: く〱腹に味はひて。今より後は。心を阿彌陀佛に
Z08_0348A20: 染べし。行住坐臥をいはず。常に極樂を念じ。時處
Z08_0348B01: 諸緣をえらばず。た▲彌陀を思ひ。本願を思ひ。名
Z08_0348B02: 號を思ひ。相好をおもひ。光明を思ひ。あるひは知識
Z08_0348B03: の說法をきく。若しはみづから敎文をひらき。しば
Z08_0348B04: しもわすれず。玉ゆらも捨つべからず。これいはゆ
Z08_0348B05: る心を染る也。かくてやう〱染るならば。誰か色
Z08_0348B06: にも出ざらんや。されど染る事あさき人は。たが
Z08_0348B07: はぬ鴨頭(ツキ)(クサ)の色にて。緣にふれば。信心もうつるべ
Z08_0348B08: し。千入に染し心の色は。四重破人の朝露にもうつ
Z08_0348B09: ろふべからず。頓阿法師。淨土宗の心をよめる長歌
Z08_0348B10: にも。心にそむる紫の。雲のむかへを待ちえつ〻と
Z08_0348B11: あり。
Z08_0348B12: 六道講式云。我等適剃トモ。染トモ
Z08_0348B13: 云云。○草根集。心をはそめすよい
Z08_0348B14: か〻しかまなる。からの衣は身にかくれとも。○
Z08_0348B15: 萬葉集七に。月草に衣はすらん朝つゆに。ぬれて
Z08_0348B16: の後はうつろひぬとも。八雲御抄云。月草うつろ
Z08_0348B17: ふ物にいへり。露草なりと道具卿說也云云。○往
Z08_0348B18: 生要集云。問。若凡下輩。亦得往生。云何ンソ
Z08_0348B19: 近代於國土。求千萬ニM(シテ)。得ルハ
Z08_0348B20: 。答。綽和尙云。信心不カラ。若スルカクハ

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