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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0323A01: 父子相迎下末諺註
Z08_0323A02: 三には眞我あらはれて(一)(ほつ)(しん)まどかなれば。(二)
Z08_0323A03: われといふおもひの。まことある(三)速證無生の身
Z08_0323A04: をえて。(四)かりの身を。われはと思ひしまよひも。
Z08_0323A05: ながくはれぬ。(霽畢)(五)四には(六)淨くして。內外
Z08_0323A06: たまのごとくなるはだへ。(七)()(キン)のいろをおびて。
Z08_0323A07: (八)ひかり月日よりなをあきらけし。(九)これすな
Z08_0323A08: はち。(一〇)けがらはしき父母の精血をもちゐず。
Z08_0323A09: (一一)た▲いさぎよき蓮華より。お(を)のづから
Z08_0323A10: (自然)化生せるゆへに。(一二)()(ハク)の身かろくして。
Z08_0323A11: たちゐも心にさはらざれば。(一三)むなしうしてな
Z08_0323A12: きに〻たり。(一四)この淨德きわ(は)まらざるを。
Z08_0323A13: (一五)自然虛無之身。無極之體と〻けり。(一六)おほ
Z08_0323A14: よそ。(一七)常樂我淨。みなたのしみなれば。行住坐臥。
Z08_0323A15: つねに心をよろこばしむ。(一八)くに。春秋冬夏な
Z08_0323A16: く。(一九)そらに。晝夜昏曉なし。(二〇)た▲いつも
Z08_0323A17: さむからず。あつからず。よるともいはず。ひるとも
Z08_0323A18: いはねば。逍遙ときをまたずして。(二一)()()しばし
Z08_0323A19: もたゆることなし。(二二)しかあるにつけては。(二三)
Z08_0323B01: 身心樂。(二四)卽憶閻浮同行人
Z08_0323B02: (二五)各發M(シテ)誓願加被。(二六)專注莫退M(シテ)
Z08_0323B03: とて。(二七)あはれ。心ざしふか〻りしむか
Z08_0323B04: しのともと。これをもろともにたのしま〻しかばと。
Z08_0323B05: 事ひとつたらぬ心ちすれば。(二八)かまへて念佛退
Z08_0323B06: 轉せで。とく(疾)こ〻にきたれとのみ祈念すらんは。
Z08_0323B07: はかりなき(無量)往生のかたうどかな。(二九)むら
Z08_0323B08: なきあはれみも。(三〇)緣あるをまづするならひな
Z08_0323B09: れば。(三一)さこそは心もとなくまたるらめ。寶池の
Z08_0323B10: はちすに坐するにも。わが身は。かたはらによりゐて。
Z08_0323B11: 半座をいたづらにのこすなるは。(三二)よくわりな
Z08_0323B12: き(無別)(三三)心ざしにこそ。(三四)人にはかりなる
Z08_0323B13: ちぎりをも。ひとつはちすにとぞいふべかりける。
Z08_0323B14: (三五)さて。この界に念佛するものいできぬれば。か
Z08_0323B15: ならずかしこにひとつのはちす生ず。(三六)念佛お
Z08_0323B16: こたらざれば。華ひ▲にひらけ。(三七)すたるれば。
Z08_0323B17: 又。むなしくしぼむ。(三八)ひらくるおりは。聖衆こ
Z08_0323B18: ぞりて。(三九)往生ちかづきぬとよろこび。しぼむお
Z08_0323B19: りは。流轉のびぬとかなしみいます。大悲のかぎりな
Z08_0323B20: さは。いかばかりにおもひ給ふらむ。(四〇)さればた

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