浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0310A01: | 轉のほどとは。まよひし間の。○禪林ノ云ク。須クレ觀ス二流 |
Z08_0310A02: | 來生死ヲ一。所謂ユル想下-像スルニ無始ヨリ以來タ。輪二-廻M(シテ)六趣一。備ニ |
Z08_0310A03: | 受ヿヲ中諸苦ヲ上。或ハ咽ビ二焦熱大焦熱之炎ニ一。或ハ閉ラレ二紅蓮 |
Z08_0310A04: | 大紅蓮之冰ニ一。或ハ沈ミ二餓鬼飢饉之愁ニ一。或ハ値ヒテ二畜生殘 |
Z08_0310A05: | 害之悲ニ一。人間ノ八苦。天上ノ五衰。摠ヘテ輪廻之間。受ルヿ二 |
Z08_0310A06: | 如キノレ是苦ヲ一幾クソヤ。●(一九六)宿命通の事也。定中に智 |
Z08_0310A07: | をおこしてしるゆへ。さとりといふ。○乙女に。むかし |
Z08_0310A08: | おぼゆる。はなたちばなとあり。●(一九七)前生の事。● |
Z08_0310A09: | (一九八)二乘の通は八萬劫をしり。佛菩薩は無量劫を |
Z08_0310A10: | しる。●(一九九)劇苦とは。はなはだしきくるしみな |
Z08_0310A11: | り。ひまなくしてとは。いづれの地獄も。苦をうくる |
Z08_0310A12: | にひまなき也。ひさしとは。等活地獄は五百歲。阿鼻地 |
Z08_0310A13: | 獄は八萬四千大劫なり。●地藏十輪經ニ云ク。生テ二無間 |
Z08_0310A14: | 大地獄ノ中ニ一。受二諸ノ劇苦ヲ一。字書ニ云ク。劇ハ甚也。●(二〇〇) |
Z08_0310A15: | 餓鬼も畜生もくるしみおもし。その苦は自業のむく |
Z08_0310A16: | ひなるを苦報といふ。三惡道なればいやしき也。● |
Z08_0310A17: | (二〇一)前に註す釋ニ云ク。無常八苦ノ火燒クレ人ヲけぶりと |
Z08_0310A18: | は。おもひのけぶりなり。●(二〇二)もろ〱の天人。い |
Z08_0310A19: | のちおはるべきしるしに。五の衰相あらはる〻也。一 |
Z08_0310A20: | には衣裳あかつく。二には頭の花しぼむ。三には腋の |
Z08_0310B01: | 下より汗ながる。四にはその身くさく。けがらはし。五 |
Z08_0310B02: | には本座をたのしまず。○露とは涙をいふ。月淸集天道の歌。○玉 |
Z08_0310B03: | かけし朝には露を置かへて。色おとろふるあまのは衣。●(二〇三)婆沙ニ云ク。有二一ノ比丘一。 |
Z08_0310B04: | 憶二-念テ地獄ヲ一。擧身ノ毛孔ヨリ。血流レ而出タリ。●(二〇四)く |
Z08_0310B05: | るしみをかたる詞の度ごとに。●(二〇五)いはゆる。三 |
Z08_0310B06: | 百の鉾をもてさすがごとく。大悲の心をいたましめ |
Z08_0310B07: | 給ふ義なり。●(二〇六)すぎさりし事なれば。さもあ |
Z08_0310B08: | れともいはず。●(二〇七)華嚴經ニ云ク。譬如下有レ人。唯 |
Z08_0310B09: | 有二一ノ子一。愛念ノ情重シ。忽有テレ人來リ。割二-截其身肢節手 |
Z08_0310B10: | 足ヲ一。慈父見テレ之ヲ。悼惻悲念スルカ上。菩薩若見レハ下衆生造ル二 |
Z08_0310B11: | 惡業緣。煩惱結一故ニ。入テ二惡道一受ルヲ中無量ノ苦ヲ上。〓レ如ナルヲレ |
Z08_0310B12: | 是ノ已テ。痛心悲念スルヿ。亦復如レ是。●(二〇八)や〻は漸 |
Z08_0310B13: | なり。爰にてはや〻しばしなり。●(二〇九)よ〻は。な |
Z08_0310B14: | くこゑなり。夕顏に。をのれもよ〻となきぬ〓有。歌に |
Z08_0310B15: | もよめり。●(二一〇)佛の御ことばをき〻て。むかし |
Z08_0310B16: | よりまよひ〓事の。いと▲くやしきなり。●(二一一) |
Z08_0310B17: | すでに往生をとげすまして。佛の御手にいれ給へり。 |
Z08_0310B18: | しおほせたりとおぼしてや。●(二一二)いづかたが |
Z08_0310B19: | よきぞと。とひ給ふ也。●(二一三)あまりうれしくて。● |
Z08_0310B20: | (二一四)あまりうれしき時。かなしきやうにて。なみだ |