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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0302A01: は法事讚にあり。臨終の時。佛をおがみ。香をたきてす
Z08_0302A02: すむる也。●(一〇九)佛に手向たりし香の。かほりか
Z08_0302A03: とおもへば。はや異香の薰じきたるなり。●(一一〇)
Z08_0302A04: 燒香のけふり。直に來迎の佛にか〻るなり。●(一一一)
Z08_0302A05: 今までは香のけぶりかと見しに。いつしかむらさき
Z08_0302A06: の雲にてありける。異香も。紫雲も往生の瑞相にて。和
Z08_0302A07: 漢の諸傳におほくしるせり。夫木抄に。夜もすがら星合の空にたてまつる。香のけふりや雲
Z08_0302A08: となるらん。●(一一二)坊の上にくだりたる〻也。●(一一三)
Z08_0302A09: 毫光とは。求迎の佛の白毫のひかり也。うつろふは。映
Z08_0302A10: の字なり。紅艶とは。くれなゐにみやびやかなりと訓
Z08_0302A11: ず。紫雲の色の事也。紫は。赤と黑とまじはりてなる色
Z08_0302A12: なり。それに金色のひかりさす時。くれないのつやを
Z08_0302A13: そふる也。紅は。間色にて。あかくしろき色也。艶は光
Z08_0302A14: 彩也。紅艶紫艶の字。詩文におほし。●(一一四)管絃の
Z08_0302A15: をと。ちかく軒端にきこゆるなり。是また來迎のしる
Z08_0302A16: し。諸天聖衆の奏し給ふ也。又雲棲。今人念佛スレハ
Z08_0302A17: 臨終之日。天樂迎。正唯淨土常天樂ナリ。來
Z08_0302A18: 迎讚。見ればみどりの山の端に。光雲はるかにか
Z08_0302A19: がやけり。きけば西方界のそら。妓樂歌詠ほのかな
Z08_0302A20: り。○爾雅註䟽。凡八音備。一音獨作
Z08_0302B01: 。●(一一五)軒端を吹嵐の音。聖衆の音樂に
Z08_0302B02: ともなひて。いと▲ひ▲きのおもしろきなり。新古今。
Z08_0302B03: 寂蓮。むらさきの雲路にさそう琴のねに。うき世をは
Z08_0302B04: らふ嶺の松風。○旋〓とは。た▲吹めぐる微風なり。旋
Z08_0302B05: 嵐猛風の旋嵐にあらず。廻轉の旋風にもあらず。○五
Z08_0302B06: 音まじはるを音といひ。單にいづるを聲といふ。聲音
Z08_0302B07: の和諧するを韵といふ也。●(一一六)此正しく三尊來
Z08_0302B08: 迎の時也。○照臨とは。光明。室を照して降臨し給ふ也。
Z08_0302B09: 字書。以。觀經。阿彌陀佛
Z08_0302B10: 大光明行者●(一一七)觀經。化佛光
Z08_0302B11: 明。遍-滿其。往生講式。云。彌陀如來。紫磨黃金之
Z08_0302B12: 嚴。與聖衆リ玉フ。黃金色。映徹M(シテ)蒼天皆黃ナリ
Z08_0302B13: 白毫光。赫奕國土普。始此事時。歡喜
Z08_0302B14: ソヤ。●(一一八)聖衆は化佛菩薩聲聞諸天等なり。羅列
Z08_0302B15: を日本記につらなり。かさなりと訓ず。○烈字書云。
Z08_0302B16: 光明盛也已上○いはゆる觀音勢至。諸の菩薩。無數の化
Z08_0302B17: 佛。百千の比丘。聲聞。無量の諸天。前にあつまり。後に
Z08_0302B18: むらがり。左にそばだち。右にふさがり。重疊して𨻶な
Z08_0302B19: きこと竹葦のごとし。●(一一九)聖衆のかげ。星の如
Z08_0302B20: くにつらなり。碁のごとくに布て。處せきまで庭にみ

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