浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0300A01: | おほかり。生涯いまをかぎりとおもふに。恩愛のわか |
Z08_0300A02: | れといひ。名利の餘執といひ。此世のなごりといひ。後 |
Z08_0300A03: | 生のをそれといひ。みるものきくものにふれつ〻。心 |
Z08_0300A04: | 肝をくだかずといふことなし。●(八一)わが死のお |
Z08_0300A05: | そろしきうへに。●(八二)一かたならぬ心ぼそさ也。 |
Z08_0300A06: | 殊に冥途のゆくさきをおもへば。まことにあぢきな |
Z08_0300A07: | し。萬葉五。常しらぬ道のなが手をくれ〲と。いかに |
Z08_0300A08: | かゆかんかれひはな〓に。●(八三)死ぬ〓事なり。決 |
Z08_0300A09: | 疑鈔ニ云ク。當レ知。一切ノ事ハ雖𪜈レ免ト死ノ一事ハ不レ遁レ。● |
Z08_0300A10: | (八四)〓のがれがたき死の道なれども。おそろしくて |
Z08_0300A11: | 斟酌するなり。いせ物語に。敵のことばしらざりけれ |
Z08_0300A12: | ば。すまひけれど〻有。愚見抄に。いやがる心也といへ |
Z08_0300A13: | り。遊仙窟云ク。不二敢テ推シ辭ヒ一。●(八五)前の世より。つ |
Z08_0300A14: | くりおきし惡業のことなり。業は業因。繫は繫縛なり。 |
Z08_0300A15: | 此二字經論釋におほし。●(八六)いと▲は。いよ〱。 |
Z08_0300A16: | 惡業の力は。臨終にいよ〱つよくなりて。それ〲 |
Z08_0300A17: | の惡道へ。ひきおとさんとせむる也。ひくは牽の字也。 |
Z08_0300A18: | 正法念經ニ云ク。如ク下繩ヲ以繫クニ二飛鳥ヲ一。雖𪜈レ遠ト攝スレハ卽 |
Z08_0300A19: | 還ルカ上。衆生被ヿモ二業ニ牽カ一。當レ知。亦如レ是。○西要抄ノ下 |
Z08_0300A20: | に。相照してみるべし。●(八七)三惡道を火の坑とい |
Z08_0300B01: | ふ。地獄。餓鬼。畜生の事也。今をかぎりの命なれば。足 |
Z08_0300B02: | の下にのぞむといふ。には。やすめ字也。○釋ニ云ク。三 |
Z08_0300B03: | 惡ノ火坑。臨々トシテ欲レ入ント。又云ク。三惡ノ火坑。闇ニ在二人 |
Z08_0300B04: | 之足下ニ一。●(八八)引接とは。觀音の蓮臺にのぼせて。 |
Z08_0300B05: | 佛のみちびき給ふ事也。息のきれんこと只今にあり。 |
Z08_0300B06: | ●(八九)直の字也。たんてきの事。●(九〇)泥梨は |
Z08_0300B07: | 地獄の事也。上卷に註す。上には三惡道を火坑といへ |
Z08_0300B08: | ども。おほくは地獄におつべきゆへ。こ〻には泥梨と |
Z08_0300B09: | いふ。●(九一)命は一刹那につ▲まる。地獄におちん |
Z08_0300B10: | 事。息の間にあり。ふかき淵にのぞみて。うすきこほり |
Z08_0300B11: | をふむがごとし。●(九二)せんかたなく。をそれかな |
Z08_0300B12: | しむ也。○是より下。來迎のもよほし也。●(九三)淨 |
Z08_0300B13: | 覺ノ云ク。慈ハ名ク二愛念ニ一。悲ハ曰ト二愍傷ヲ一。業に引れて。惡 |
Z08_0300B14: | 道におちぬべきをおどろき。來迎をもよほして。さは |
Z08_0300B15: | ぎたまふなり。●(九四)聖衆とは。聲聞諸天なり。しづ |
Z08_0300B16: | 心なくとは。しづかなる心なきなり。河海に。無閑心と |
Z08_0300B17: | 有。○古今に。久かたの光のどけき春の日に。しづ心 |
Z08_0300B18: | なく花のちるらん。●(九五)來迎の出立なり。儀は行 |
Z08_0300B19: | の威儀なり。●(九六)片時もはやくと。いそぎたまふ。 |
Z08_0300B20: | ●(九七)せちは深切の心也。前に註す。御心ざしのち |