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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0299A01: 煩惱つねにおこるを。犬にたとへていふなり。西要抄
Z08_0299A02: に註す。●(六六)前に。つきしみぬる心のくせは。まよ
Z08_0299A03: ひなを。はるけがたくてとあるをうけていへり●
Z08_0299A04: (六七)かたうどは。方人の字なり。彌陀如來をかたう
Z08_0299A05: どにするなり。●(六八)煩惱を犬にたとえていへる
Z08_0299A06: ゆへ。又名號を杖にして。うちはらふとなり。たえず煩
Z08_0299A07: 惱はおこるとも。つねに念佛すれば。妄念もやむぞか
Z08_0299A08: し。○杖をあて狗を打こと。釋文にもあり。●(六九)是
Z08_0299A09: までに揚てす〻め。次には抑ていましむるなり。●
Z08_0299A10: (七〇)妄愛の迷執は。よきものにあらず。惡の字なり。
Z08_0299A11: ●(七一)此妄念にむかひては。隨分おこらぬやうに。
Z08_0299A12: 用意するがよきなり。本願にほこりて。煩惱をほしい
Z08_0299A13: ま〻にするは。邪見なるゆへ。是をいましむるなり。●
Z08_0299A14: (七二)平生の妄執がならひとなりて。臨終にもおこ
Z08_0299A15: るとなり。○是より臨終へか〻りて來迎につ▲き。そ
Z08_0299A16: れより淨土の事にうつる次第なり。●(七三)此時い
Z08_0299A17: よ〱妄執のおこる事をいひ。又此時彌陀の慈父。
Z08_0299A18: たのもしく來迎したまふことをいふなり。○臨終の
Z08_0299A19: 事。西要抄にくわしく註せり。こ〻には略之。●(七四)此
Z08_0299A20: 世は八苦にせめられて。よからぬところなれども。心
Z08_0299B01: のとまるなり。八苦とは。上卷にありし生老病死の四
Z08_0299B02: 苦の上に。又四苦あり。一に愛別離苦。いとおしき人に
Z08_0299B03: いきてわかれ。死してわかる〻をいふ。二には怨憎會
Z08_0299B04: 苦。にくきあだかたきに。よりあふをいふ。三には求不
Z08_0299B05: 得苦。ねがふ事のかなはぬをいふ。四には五盛陰苦。わ
Z08_0299B06: れらが此身も。とより苦なり。よろづのくるしみは。身
Z08_0299B07: と心とを本とす。右の八苦。ともにわが身と心をせむ
Z08_0299B08: るを。八苦あひやくといふ也。○これも釋文を用ひ給
Z08_0299B09: へり。定善義。八苦相燒。動スレハ違返。詐
Z08_0299B10: 。六賊常隨。已上次の詞も此釋の字なり。●(七五)
Z08_0299B11: 何のゆへともなく。●(七六)流轉ひさしきならひに
Z08_0299B12: て。生をむさぼり。死をおそれて。なごりおしき也。●
Z08_0299B13: (七七)六塵の境に對して煩惱をおこし。惡業をつく
Z08_0299B14: りて功德の寶をうしなふ。ゆへに。六賊といふ。くはし
Z08_0299B15: く本願抄に註す。此六賊。人の心にかなひ。いつはり
Z08_0299B16: 來てわれにしたしむを。まことの友とおもふ也。●
Z08_0299B17: (七八)此詞も前に有。なにとなふ。おもひの外なり。●
Z08_0299B18: (七九)たれとても臨終になれば。摠じて此世になご
Z08_0299B19: りおしく。別して妻子朋友も。しみ〲となつかしき
Z08_0299B20: なり。●(八〇)人の死ぬる時。あはれにかなしきこと

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