浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0299A01: | 煩惱つねにおこるを。犬にたとへていふなり。西要抄 |
Z08_0299A02: | に註す。●(六六)前に。つきしみぬる心のくせは。まよ |
Z08_0299A03: | ひなを。はるけがたくてとあるをうけていへり● |
Z08_0299A04: | (六七)かたうどは。方人の字なり。彌陀如來をかたう |
Z08_0299A05: | どにするなり。●(六八)煩惱を犬にたとえていへる |
Z08_0299A06: | ゆへ。又名號を杖にして。うちはらふとなり。たえず煩 |
Z08_0299A07: | 惱はおこるとも。つねに念佛すれば。妄念もやむぞか |
Z08_0299A08: | し。○杖をあて狗を打こと。釋文にもあり。●(六九)是 |
Z08_0299A09: | までに揚てす〻め。次には抑ていましむるなり。● |
Z08_0299A10: | (七〇)妄愛の迷執は。よきものにあらず。惡の字なり。 |
Z08_0299A11: | ●(七一)此妄念にむかひては。隨分おこらぬやうに。 |
Z08_0299A12: | 用意するがよきなり。本願にほこりて。煩惱をほしい |
Z08_0299A13: | ま〻にするは。邪見なるゆへ。是をいましむるなり。● |
Z08_0299A14: | (七二)平生の妄執がならひとなりて。臨終にもおこ |
Z08_0299A15: | るとなり。○是より臨終へか〻りて來迎につ▲き。そ |
Z08_0299A16: | れより淨土の事にうつる次第なり。●(七三)此時い |
Z08_0299A17: | よ〱妄執のおこる事をいひ。又此時彌陀の慈父。 |
Z08_0299A18: | たのもしく來迎したまふことをいふなり。○臨終の |
Z08_0299A19: | 事。西要抄にくわしく註せり。こ〻には略之。●(七四)此 |
Z08_0299A20: | 世は八苦にせめられて。よからぬところなれども。心 |
Z08_0299B01: | のとまるなり。八苦とは。上卷にありし生老病死の四 |
Z08_0299B02: | 苦の上に。又四苦あり。一に愛別離苦。いとおしき人に |
Z08_0299B03: | いきてわかれ。死してわかる〻をいふ。二には怨憎會 |
Z08_0299B04: | 苦。にくきあだかたきに。よりあふをいふ。三には求不 |
Z08_0299B05: | 得苦。ねがふ事のかなはぬをいふ。四には五盛陰苦。わ |
Z08_0299B06: | れらが此身も。とより苦なり。よろづのくるしみは。身 |
Z08_0299B07: | と心とを本とす。右の八苦。ともにわが身と心をせむ |
Z08_0299B08: | るを。八苦あひやくといふ也。○これも釋文を用ひ給 |
Z08_0299B09: | へり。定善義ニ云ク。八苦相燒テ。動スレハ成二違返ヲ一。詐リ親テ |
Z08_0299B10: | 含レ笑ヲ。六賊常ニ隨。已上次の詞も此釋の字なり。●(七五) |
Z08_0299B11: | 何のゆへともなく。●(七六)流轉ひさしきならひに |
Z08_0299B12: | て。生をむさぼり。死をおそれて。なごりおしき也。● |
Z08_0299B13: | (七七)六塵の境に對して煩惱をおこし。惡業をつく |
Z08_0299B14: | りて功德の寶をうしなふ。ゆへに。六賊といふ。くはし |
Z08_0299B15: | く本願抄に註す。此六賊。人の心にかなひ。いつはり |
Z08_0299B16: | 來てわれにしたしむを。まことの友とおもふ也。● |
Z08_0299B17: | (七八)此詞も前に有。なにとなふ。おもひの外なり。● |
Z08_0299B18: | (七九)たれとても臨終になれば。摠じて此世になご |
Z08_0299B19: | りおしく。別して妻子朋友も。しみ〲となつかしき |
Z08_0299B20: | なり。●(八〇)人の死ぬる時。あはれにかなしきこと |