浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0298A01: | 必ス遂ク。●(五〇)やすみがちなり。徘徊の字なり。念佛 |
Z08_0298A02: | のをこたる事也。○櫨菴法師。憶フ二安養ノ故鄕ヲ一詩ニ云ク。 |
Z08_0298A03: | 幾年カ衣袂惹二京塵ニ一。志氣陵テレ雲莫一自ラ伸ル一。南鴈ノ數聲ニ |
Z08_0298A04: | 鄕夢斷ヘ。秋風ノ終夕涙痕頻ナリ。此廻若不ハレ懷ハ二歸計ヲ一。向 |
Z08_0298A05: | 後從レ誰ニ結ハン二善隣ヲ一。請フ看ヨ路傍埋朽ノ骨。其中多ハ是レ |
Z08_0298A06: | 未レ歸ラ人。○以上はまづ懈怠をいさめ。次には又安心 |
Z08_0298A07: | をす〻めたり。●(五一)是は上卷にも有し事也。い |
Z08_0298A08: | かにをろそかなりとも。心ざしだにあれば往生する |
Z08_0298A09: | 也。たちかへりとは。わが心をかへりみる事也。あやぶ |
Z08_0298A10: | ましとは。うたがふ事也。○次に二重の信相あり。見 |
Z08_0298A11: | るべし。●(五二)念佛の足はやすらひがちなれども。 |
Z08_0298A12: | 稱名をうちすてぬは。往生のしるし也。●(五三)わが |
Z08_0298A13: | 心ざしはよはけれども。念佛は本願の行なり。●(五四) |
Z08_0298A14: | 念佛をと。ちかふ佛なれば。聲をたづねて來迎し給ふ |
Z08_0298A15: | なり。これも釋文に有。般舟讚ニ云ク。化佛ト菩薩ト尋テレ |
Z08_0298A16: | 聲ヲ到リ。我故ニ持レ花ヲ迎ヘレ汝ヲ來ルト。本願抄の中卷にも |
Z08_0298A17: | 有。●(五五)かこつとは。あまへか〻る心也。本願の念 |
Z08_0298A18: | 佛をわすれぬ身なり。こゑをしるべに來り給へとた |
Z08_0298A19: | のみをかくる也。後撰集よみ人しらず。夏の夜の月は |
Z08_0298A20: | ほどなくあけぬれば。あしたのまをぞかこちよせつ |
Z08_0298B01: | る。淸輔奧義抄に此歌を引て。かこつとは。あしたをよ |
Z08_0298B02: | ると。をしていひなす也といへり。今も。をしてたのみ |
Z08_0298B03: | をかくる心也。○是より下は。又心に付て信をつのる |
Z08_0298B04: | 也。●(五六)一向に不孝の子をもあはれむは。親のな |
Z08_0298B05: | らひなり。しをり山の故事などにおもひあはすべし。 |
Z08_0298B06: | されば一向にたのまぬ人をだに。たすけんとおぼし |
Z08_0298B07: | めす佛の慈悲也。●(五七)いはんやすこしにても。た |
Z08_0298B08: | のむ心のあるもの〻。たすけられぬ事はなき也。● |
Z08_0298B09: | (五八)心におもひ。口にのぶる也。●(五九)すてられ |
Z08_0298B10: | ぬ道理ぞと也。●(六〇)右の行と心とのことはりを |
Z08_0298B11: | ●(六一)眞實に。●(六二)すこしも隔心せず。遠慮も |
Z08_0298B12: | なく。身を佛にうちまかす心なり。新拾遺。祖月法師。お |
Z08_0298B13: | もへどもゑぞいはしろのむすび松。うちとけぬべき |
Z08_0298B14: | 心ならねば。○是は心に付ていひ。下は行に付ていふ。 |
Z08_0298B15: | ●(六三)氣遣もなく。ひとへにたのもしくおもふ事 |
Z08_0298B16: | なり。紅葉賀に。われもうらなくうちかたり。なぐさ |
Z08_0298B17: | めきこへてんものをと有。花鳥餘情に。うらなくおも |
Z08_0298B18: | ふは。人の心の表裏なきをいふといへり。新拾遺。惠心。 |
Z08_0298B19: | 夏衣ひとへに西をおもふ哉。うらなく彌陀をたのむ |
Z08_0298B20: | 身なれば。●(六四)前をうけてむすぶなり。●(六五) |