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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0298A01: 。●(五〇)やすみがちなり。徘徊の字なり。念佛
Z08_0298A02: のをこたる事也。○櫨菴法師。憶安養故鄕
Z08_0298A03: 幾年衣袂惹京塵。志氣陵雲莫。南鴈數聲
Z08_0298A04: 鄕夢斷。秋風終夕涙痕頻ナリ(コノ)(タヒ)若不歸計。向
Z08_0298A05: 後從ハン善隣。請路傍埋朽骨。其中多
Z08_0298A06: 人。○以上はまづ懈怠をいさめ。次には又安心
Z08_0298A07: をす〻めたり。●(五一)是は上卷にも有し事也。い
Z08_0298A08: かにをろそかなりとも。心ざしだにあれば往生する
Z08_0298A09: 也。たちかへりとは。わが心をかへりみる事也。あやぶ
Z08_0298A10: ましとは。うたがふ事也。○次に二重の信相あり。見
Z08_0298A11: るべし。●(五二)念佛の足はやすらひがちなれども。
Z08_0298A12: 稱名をうちすてぬは。往生のしるし也。●(五三)わが
Z08_0298A13: 心ざしはよはけれども。念佛は本願の行なり。●(五四)
Z08_0298A14: 念佛をと。ちかふ佛なれば。聲をたづねて來迎し給ふ
Z08_0298A15: なり。これも釋文に有。般舟讚。化佛菩薩
Z08_0298A16: 。我故ルト。本願抄の中卷にも
Z08_0298A17: 有。●(五五)かこつとは。あまへか〻る心也。本願の念
Z08_0298A18: 佛をわすれぬ身なり。こゑをしるべに來り給へとた
Z08_0298A19: のみをかくる也。後撰集よみ人しらず。夏の夜の月は
Z08_0298A20: ほどなくあけぬれば。あしたのまをぞかこちよせつ
Z08_0298B01: る。淸輔奧義抄に此歌を引て。かこつとは。あしたをよ
Z08_0298B02: ると。をしていひなす也といへり。今も。をしてたのみ
Z08_0298B03: をかくる心也。○是より下は。又心に付て信をつのる
Z08_0298B04: 也。●(五六)一向に不孝の子をもあはれむは。親のな
Z08_0298B05: らひなり。しをり山の故事などにおもひあはすべし。
Z08_0298B06: されば一向にたのまぬ人をだに。たすけんとおぼし
Z08_0298B07: めす佛の慈悲也。●(五七)いはんやすこしにても。た
Z08_0298B08: のむ心のあるもの〻。たすけられぬ事はなき也。●
Z08_0298B09: (五八)心におもひ。口にのぶる也。●(五九)すてられ
Z08_0298B10: ぬ道理ぞと也。●(六〇)右の行と心とのことはりを
Z08_0298B11: ●(六一)眞實に。●(六二)すこしも隔心せず。遠慮も
Z08_0298B12: なく。身を佛にうちまかす心なり。新拾遺。祖月法師。お
Z08_0298B13: もへどもゑぞいはしろのむすび松。うちとけぬべき
Z08_0298B14: 心ならねば。○是は心に付ていひ。下は行に付ていふ。
Z08_0298B15: ●(六三)氣遣もなく。ひとへにたのもしくおもふ事
Z08_0298B16: なり。紅葉賀に。われもうらなくうちかたり。なぐさ
Z08_0298B17: めきこへてんものをと有。花鳥餘情に。うらなくおも
Z08_0298B18: ふは。人の心の表裏なきをいふといへり。新拾遺。惠心。
Z08_0298B19: 夏衣ひとへに西をおもふ哉。うらなく彌陀をたのむ
Z08_0298B20: 身なれば。●(六四)前をうけてむすぶなり。●(六五)

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