ウィンドウを閉じる

Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0297A01: 月の尊容をやつしつ〻。苦海の浪をしのぎて。御足を
Z08_0297A02: 本誓にうるほし。御手を攝取にたれ給ふは。かたじけ
Z08_0297A03: なき事なり。●(三六)天眞の父子。同體の慈悲をおも
Z08_0297A04: ひしらば。人のす〻めをまつ事にあらず。●(三七)慈
Z08_0297A05: 父をこふる心。●(三八)いか▲して。本國にかへらん
Z08_0297A06: とおもふ心也。○さしも佛の御かたよりは。す〻みて
Z08_0297A07: まち給ふ往生なるに。衆生の方より。恩にそむきてね
Z08_0297A08: がはぬ也。楞嚴。十方如來。憐-念シ玉フヿ衆生。如
Z08_0297A09: 一レ。若子逃逝スレハ。雖何爲。子若
Z08_0297A10: ナラハ。母子歷。不相違遠。●(三九)
Z08_0297A11: 凡夫のかなしさは。道理をきけども。妄執のあらたま
Z08_0297A12: りがたき事をいふ也。五欲にふけることは。無始より
Z08_0297A13: のならひなれば。膠の手につくに似たり。○つきしむ
Z08_0297A14: とは染著也。○くせとは。癖の字也。まへに註す。●
Z08_0297A15: (四〇)魔鄕にと▲こほるまよひの。はれがたきなり。
Z08_0297A16: 上卷。淨樂常我はひさしく顛倒し。なれぬるまよ
Z08_0297A17: ひにて。きとひるがへさん事かたかるべし。●(四一)
Z08_0297A18: 妄念のおこるを。おもひつくる時。●(四二)こはいか
Z08_0297A19: なるまよひぞと。心ながらおどろく也。●(四三)道理
Z08_0297A20: におれて。しばしは忘念もやむことあれども。心から
Z08_0297B01: おこる道心はなき也。●(四四)五欲の妄緣にむかふ
Z08_0297B02: ときなり。●(四五)煩惱內にもよほし。惡緣外に〓く
Z08_0297B03: ゆへ。何の道理をもうちわする〻こと。波の上の月の
Z08_0297B04: ごとし。明禪法師。凡夫は何事も。まさしくその事
Z08_0297B05: にのぞまぬほどなり。意樂はいみじきやうなれども。
Z08_0297B06: 事にふれてうごきやすき也。慈鎭和尙。いかにせんま
Z08_0297B07: ことの道にいる身ぞと。おもひいづればまたわすれ
Z08_0297B08: つ〻。●(四六)これ懈怠をいさむる也。わが家にかへる
Z08_0297B09: には。道のとをさをもわすれ。身のつかる〻をもかへ
Z08_0297B10: りみずして。心おもしろきものなり。これ人ごとにあ
Z08_0297B11: るならひなり。○極樂はわれらが本國なり。ものうき
Z08_0297B12: ことをわすれて。念佛のあしをはこぶべし。○是は出
Z08_0297B13: 處ある事也。瑞應傳載歟光明大師定中。佛吿
Z08_0297B14: 。還ンニハスルヿ云云。慈覺禪師。西方淨土
Z08_0297B15: 。會須極樂。歸路スルヿ。●(四七)
Z08_0297B16: かへりさま也。出さま。入さまをいづさ。いるさといふ。
Z08_0297B17: 歌にも。かへさぞ道の程はしらる〻云云。●(四八)無
Z08_0297B18: 下也。前に註す。●(四九)ねがふ心は目のごとし。念佛
Z08_0297B19: の行は足に似たり。戒度聞持記。願行目足
Z08_0297B20: 也。人レハ目足。所。事レハ願行。所

ウィンドウを閉じる