浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0297A01: | 月の尊容をやつしつ〻。苦海の浪をしのぎて。御足を |
Z08_0297A02: | 本誓にうるほし。御手を攝取にたれ給ふは。かたじけ |
Z08_0297A03: | なき事なり。●(三六)天眞の父子。同體の慈悲をおも |
Z08_0297A04: | ひしらば。人のす〻めをまつ事にあらず。●(三七)慈 |
Z08_0297A05: | 父をこふる心。●(三八)いか▲して。本國にかへらん |
Z08_0297A06: | とおもふ心也。○さしも佛の御かたよりは。す〻みて |
Z08_0297A07: | まち給ふ往生なるに。衆生の方より。恩にそむきてね |
Z08_0297A08: | がはぬ也。楞嚴ニ云ク。十方ノ如來。憐二-念シ玉フヿ衆生ヲ一。如シ二 |
Z08_0297A09: | 母ノ憶カ一レ子ヲ。若シ子逃逝スレハ。雖レ憶ト何爲ン。子若シ憶ヿレ母ヲ。 |
Z08_0297A10: | 如ナラハ二母ノ憶フ時ノ一。母子歷テレ生ヲ。不二相違遠セ一。●(三九) |
Z08_0297A11: | 凡夫のかなしさは。道理をきけども。妄執のあらたま |
Z08_0297A12: | りがたき事をいふ也。五欲にふけることは。無始より |
Z08_0297A13: | のならひなれば。膠の手につくに似たり。○つきしむ |
Z08_0297A14: | とは染著也。○くせとは。癖の字也。まへに註す。● |
Z08_0297A15: | (四〇)魔鄕にと▲こほるまよひの。はれがたきなり。 |
Z08_0297A16: | 上卷ニ云ク。淨樂常我はひさしく顛倒し。なれぬるまよ |
Z08_0297A17: | ひにて。きとひるがへさん事かたかるべし。●(四一) |
Z08_0297A18: | 妄念のおこるを。おもひつくる時。●(四二)こはいか |
Z08_0297A19: | なるまよひぞと。心ながらおどろく也。●(四三)道理 |
Z08_0297A20: | におれて。しばしは忘念もやむことあれども。心から |
Z08_0297B01: | おこる道心はなき也。●(四四)五欲の妄緣にむかふ |
Z08_0297B02: | ときなり。●(四五)煩惱內にもよほし。惡緣外に〓く |
Z08_0297B03: | ゆへ。何の道理をもうちわする〻こと。波の上の月の |
Z08_0297B04: | ごとし。明禪法師ノ云ク。凡夫は何事も。まさしくその事 |
Z08_0297B05: | にのぞまぬほどなり。意樂はいみじきやうなれども。 |
Z08_0297B06: | 事にふれてうごきやすき也。慈鎭和尙。いかにせんま |
Z08_0297B07: | ことの道にいる身ぞと。おもひいづればまたわすれ |
Z08_0297B08: | つ〻。●(四六)これ懈怠をいさむる也。わが家にかへる |
Z08_0297B09: | には。道のとをさをもわすれ。身のつかる〻をもかへ |
Z08_0297B10: | りみずして。心おもしろきものなり。これ人ごとにあ |
Z08_0297B11: | るならひなり。○極樂はわれらが本國なり。ものうき |
Z08_0297B12: | ことをわすれて。念佛のあしをはこぶべし。○是は出 |
Z08_0297B13: | 處ある事也。瑞應傳ニ戴ス。考載歟光明大師ノ定中ニ。佛吿テ |
Z08_0297B14: | 曰ク。還ンニハレ家ニ莫レレ辭スルヿレ苦ヲ云云。慈覺禪師。西方淨土ノ |
Z08_0297B15: | 頌ニ云ク。會須クレ登二極樂ニ一。歸路ニ莫レレ辭スルヿレ勞ヲ。●(四七) |
Z08_0297B16: | かへりさま也。出さま。入さまをいづさ。いるさといふ。 |
Z08_0297B17: | 歌にも。かへさぞ道の程はしらる〻云云。●(四八)無 |
Z08_0297B18: | 下也。前に註す。●(四九)ねがふ心は目のごとし。念佛 |
Z08_0297B19: | の行は足に似たり。戒度ノ聞持記ニ云ク。願行ハ猶二目足ノ一 |
Z08_0297B20: | 也。人ニ有レハ二目足一。所レ往ク必ス至ル。事ニ有レハ二願行一。所レ求 |