浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0296A01: | 道交ス。已上この外はしるすに遑あらず。●(二五)十劫正 |
Z08_0296A02: | 覺の曉より。廿五有の霧をはらひて。われらが行衞を |
Z08_0296A03: | たづねわびたまひしに。此度さいはい人界にいで〻。 |
Z08_0296A04: | 閻浮提の日本國にて。わが慈父のましますことをき |
Z08_0296A05: | きて。はじめてその御名をよばふ。此一こゑを。きこし |
Z08_0296A06: | めしつけられたる佛の御心。筆にもいか▲しるしあ |
Z08_0296A07: | へん。さぞよろこびの御なみだに。攝取の袖をしぼり |
Z08_0296A08: | たまひぬべし。○をきどころなくとは。うれしさの身 |
Z08_0296A09: | にあまる事なり。詞花集の歌に。秋の夜の露もくもら |
Z08_0296A10: | ぬ月を見て。をきどころなきわが心かな。○前と對句 |
Z08_0296A11: | のやう。心を付べし。●(二六)さうあればこそなり。よ |
Z08_0296A12: | く〱よろこび給へばこそとて。そのしるしを出す |
Z08_0296A13: | なり。●(二七)極樂と娑婆の間は。十萬億の佛士をへ |
Z08_0296A14: | だて〻。はる〲の道なり。●(二八)とをき道なり。每 |
Z08_0296A15: | 日なり。千遍なり。よろこびたまふ御心は。これにてし |
Z08_0296A16: | るべし。●(二九)されば念佛の行者は。そのあたりを |
Z08_0296A17: | 掃除し。きよむべしとぞ。○經ニ云ク。極樂ノ敎主彌陀尊ハ。 |
Z08_0296A18: | 隨二-順M(シテ)念佛ノ諸衆生ニ一。每日千遍來リ二住處ニ一。踊躍歡喜シ |
Z08_0296A19: | 給フヿ無二譬喩一。已上眞如堂緣起に有。かの本尊の御歌。千た |
Z08_0296A20: | びだに我はかよふにいかなれば。日に一たびのもの |
Z08_0296B01: | うかるらん。是は右の經文とおなじ心なり。●(三〇) |
Z08_0296B02: | 右の千遍影向の事を評していへり。親の子をあはれ |
Z08_0296B03: | む樣體なり。かはるとは。凡夫は癡愛一片なり。佛は悲 |
Z08_0296B04: | 智平等なり。●(三一)これ佛の。衆生をおぼしめすこ |
Z08_0296B05: | となり。かしこきとは。萬葉に。貴。畏。恐の字を訓ず。お |
Z08_0296B06: | それうやまふ詞也。さとりとは。佛自覺の德をいふ。是 |
Z08_0296B07: | は如に達する智慧門なり。●(三二)法藏の發願より。 |
Z08_0296B08: | 千遍の影向まで。とりあつめたる御心づくしは。三界 |
Z08_0296B09: | を一子になで給ふがゆへなり。是は權に通ずる慈悲 |
Z08_0296B10: | 門なり。○兼輔朝臣。人の親の心はやみにあらねども。 |
Z08_0296B11: | 子をおもふ道にまどひぬるかな。●(三三)前に法藏 |
Z08_0296B12: | 五劫といふより。やるかたもなく。おぼしけんといふ |
Z08_0296B13: | までは大悲なり。それより下は大慈なり。○是より下 |
Z08_0296B14: | は。佛は衆生をおぼしめせども。衆生は佛をおもはぬ |
Z08_0296B15: | ことをいさむるなり。然阿上人ノ云ク。衆生憶二-念M(シテ)彌陀ヲ一 |
Z08_0296B16: | 不ルヿレ絕。如ハ二犢子ノ思カ一レ母ヲ。彌陀還テ念M(シテ)二衆生ヲ一。不ルヿレ |
Z08_0296B17: | 捨玉ハ如シ二魚母ノ念カ一レ子ヲ。●(三四)これ大悲をおもふ |
Z08_0296B18: | 也。あはれなるかな四十八願の法王。子をたづねんと |
Z08_0296B19: | おぼすがゆへに。大悲の肝をくだき給ふ。●(三五)こ |
Z08_0296B20: | れ大慈をおもふ也。われらをすくはんとおぼして。滿 |