浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0286A01: | れば一稱も一念も。阿彌陀ほとけに。しられまいらせ |
Z08_0286A02: | ずといふ事なし云云。古ニ云ク。闇室ノ私語。天ノ聽ヿ如トレ |
Z08_0286A03: | 雷ノ。ましてかの佛に。天耳遙聞力ましますをや。● |
Z08_0286A04: | (四五〇)臨終來迎の時の事也。一念も御耳にたつし |
Z08_0286A05: | るし也。●(四五一)十こゑにて氣たゆる人もあり。一 |
Z08_0286A06: | こゑとなへて死する人もあり。●(四五二)般舟讚ニ |
Z08_0286A07: | 云ク。救ニレ苦ヲ雖三遙ニ別ト二世界ヲ一。衆生急ニ念スレハ。應M(シテ)レ時ニ |
Z08_0286A08: | 來〓マフ。●(四五三)かくのごとくに。來迎のはやきにて |
Z08_0286A09: | しるべし。●(四五四)よくとは。よく〱。○生死の岸 |
Z08_0286A10: | にあるがゆえに。●(四五五)つねに我等をまち給ふ |
Z08_0286A11: | 御心を。おしはかれとなり。●(四五六)上よりの二の |
Z08_0286A12: | 疑をつかねて。料簡する也。●(四五七)右のごとく。● |
Z08_0286A13: | (四五八)何としてもわが身を卑下して。うたがひのお |
Z08_0286A14: | こるものなり。往生は佛のちからなりとしる時は。う |
Z08_0286A15: | たがひもなき也。●(四五九)心のそこより。しみ〲 |
Z08_0286A16: | とたふとき事なり。前に註す。●(四六〇)わが身に引 |
Z08_0286A17: | うけてみ給へ。かたじけなき御恩也。●(四六一)此い |
Z08_0286A18: | はれまでを。おもひいだすなり。此事は智論に出でた |
Z08_0286A19: | り。爰には往生論註を用ひ給へり。智論ニ云ク。菩薩不レハ下 |
Z08_0286A20: | 爲ニ二諸佛一所上レ念セ者。善根朽壞ス。如下魚子不レ爲二母ニ念ヤ一。則 |
Z08_0286B01: | 爛壞M(シテ)不カ上レ生セ。論ノ註ニ云ク。魚母念二-持スレハ子ヲ一。經モレ嶨ヲ不レ |
Z08_0286B02: | 壞。●(四六二)あやしの魚だにも。親子のなさけはふ |
Z08_0286B03: | かきものぞと。す▲ろにあはれもますなり。○彌陀を |
Z08_0286B04: | 慈父。衆生を一子といふ心を。おもひあはせて。此たと |
Z08_0286B05: | へを引きたまへり。●(四六三)上は魚の事をあはれと |
Z08_0286B06: | おもひ。是は佛の事を。たふとく覺ゆるなり。●(四六四) |
Z08_0286B07: | かれこれおもひあはせて感ずる詞也。●(四六五)は |
Z08_0286B08: | かりしる詞。●(四六六)和名ニ云ク。宇乎俗名伊遠ト。伊 |
Z08_0286B09: | 勢物語にもいをと有。●(四六七)母が心に。つねにお |
Z08_0286B10: | もひたもつ也。●(四六八)おやの念力守護となるな |
Z08_0286B11: | り。古今。たらちねのおやのまほりとあひそふる。心 |
Z08_0286B12: | はかりはせきなと〻めそ。をの〻ちふるが母。●(四七〇。四七一) |
Z08_0286B13: | いふことなれば。○いはんや也。○上は譬なり。下は |
Z08_0286B14: | 法なり。●(四七二)菩薩にも一子地の名あれども。 |
Z08_0286B15: | 佛の悲慈は。あながちにふかし。大集經ニ云ク。聲聞ノ |
Z08_0286B16: | 慈悲ハ。如シレ盡カレ皮ヲ。菩薩ノ慈悲ハ。如シレ入カレ肉ニ。如來ノ大 |
Z08_0286B17: | 悲ハ。破リレ骨ヲ徹ルレ髓ニ。●(四七三。四七四。四七五)ゆるす詞 |
Z08_0286B18: | なり。○いかにとは。いかやうに。○初のうたがひにあ |
Z08_0286B19: | たる。○後のうたがひにあたる。●(四七六)かならず |
Z08_0286B20: | とつよくねがふ詞なり。●(四七七)佛のふかき念力に |