浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z08_0283A01: | かさねていふにか〻る。是は念佛の日課をもうけて。 |
| Z08_0283A02: | 五萬十萬づ〻も。たえず申してこそ。をのづから佛の |
| Z08_0283A03: | 御み〻にも。と▲くべけれ。やう〱𨻶にあたりて。百 |
| Z08_0283A04: | 返千返づ〻。となふる分にては。大切なる往生。とげが |
| Z08_0283A05: | たかるべしとうたがふ也。○此うたがひは。他力のつ |
| Z08_0283A06: | よきにひかれて。をのが行のちからには。よらぬ事を |
| Z08_0283A07: | 知ざる故なり。これみやづかへに。いとまなき人。家業 |
| Z08_0283A08: | に𨻶なきもの〻。よくあるうたがひ也。●(三九二)う |
| Z08_0283A09: | たがひにいろ〱あれども。大かた機と行とをいで |
| Z08_0283A10: | ぬゆへ。其の二をあげて。のこりを略して。これらの |
| Z08_0283A11: | といふ。●(三九三)不審の事也。●(三九四)うたがひ |
| Z08_0283A12: | のはれぬうち也。風雅。俊成。君なくはいかにしてか |
| Z08_0283A13: | は〻るけまし。いにしへいまのおほつかなさを。● |
| Z08_0283A14: | (三九五)以上三心のうらのやうに見ゆる也。いぶかし |
| Z08_0283A15: | さのはれぬは。深心のなき也。まことしからぬは。至誠 |
| Z08_0283A16: | 心のなき也。ねがはしからぬは。廻向心のなき也。● |
| Z08_0283A17: | (三九六)上に二つのうたがひをあげて。下に二種の |
| Z08_0283A18: | 信相をいだして通じ給へり。●(三九七)前の二のう |
| Z08_0283A19: | たがひの事也。網はあみなり。疑の理をかくすこと。網 |
| Z08_0283A20: | をへだて〻物を見るがごとし。法華經ニ云ク。其ノ心安ヿ |
| Z08_0283B01: | 如レ海ノ。我聞テ疑網斷ツ。釋要鈔ニ云ク。疑ノ覆ヿ二眞理ヲ一。如シ二 |
| Z08_0283B02: | 網之罩蔽カ一也。斷ハ斷除ナリト。●(三九八)●網といふ緣 |
| Z08_0283B03: | にて海といふ也。佛願の深く。ひろきこと海のごとし。 |
| Z08_0283B04: | 華嚴〓云ク。菩薩修行諸願海ト。釋ニ云ク。彌陀智願海。たち |
| Z08_0283B05: | とは。斷の字なり。うたがひのはる〻事也。●(三九九) |
| Z08_0283B06: | 海といふ緣のことばなり。法の衆生を利する事。船の |
| Z08_0283B07: | 人を渡すがごとし。付法藏經ニ云ク。欲ハレ出ント二三界生死ノ |
| Z08_0283B08: | 大海ヲ一。必假テ二法船ヲ一。方ニ得二度脫スルヿヲ一。●(四〇〇)天台ノ |
| Z08_0283B09: | 禪門ニ云ク。生死ヲ爲シ二此岸ト一。𣵀槃ヲ爲ス二彼岸ト一云云。三界 |
| Z08_0283B10: | の生死は。こなたの岸のごとく。佛の本願は。海のご |
| Z08_0283B11: | とし。念佛は船のごとく。極樂はあなたの岸のごとし。 |
| Z08_0283B12: | ●(四〇一)念佛を申しはじむる事也。よそふとは。艤の |
| Z08_0283B13: | 字なり。舟をかざりて岸へよする事也。漢書ニ烏江ノ亭ノ |
| Z08_0283B14: | 長艤ヒレ船ヲ待ツト。如淳カ曰ク。南方ノ人。謂テ二整テレ船ヲ向フヲ一レ |
| Z08_0283B15: | 岸ニ曰レ艤ト。俊成卿。ともつなは生死の岸にときすて |
| Z08_0283B16: | て。解脫の風にふなよそひせよ。●(四〇二)摠じては |
| Z08_0283B17: | 淨土の諸部。別しては散善義なり。●(四〇三)是は善 |
| Z08_0283B18: | 導大師の御釋に有る事也。くはしく本願鈔に註す。● |
| Z08_0283B19: | (四〇四)これを機を信ずる略釋といふ。初のうたがひ |
| Z08_0283B20: | を通ずるなり。●(四〇五)此釋の心を。次に。やわら |