浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0281A01: | かしの事也。すでにと云ふもすぎさりし詞なり。古今 |
Z08_0281A02: | に。よしの川岩波たかくゆく水の。はやくそ人をおも |
Z08_0281A03: | ひそめてしと有り。昔の事也。○(三五一)極樂の古里の |
Z08_0281A04: | 家也。●(三五二)四十八願莊嚴淨土といひ。一々誓願爲 |
Z08_0281A05: | 衆生とて。我等がために願をたて〻。かざり給ひし淨 |
Z08_0281A06: | 土なるに。卑下して往生をうたがふものは。佛の恩に |
Z08_0281A07: | そむくなり。地下地上より。虛空まで二十九種の莊嚴。 |
Z08_0281A08: | めでたくつくりみが〻せ給へり。廣略相入。思議すべ |
Z08_0281A09: | からず。經ニ云ク。成二-就ス如レ是功德莊嚴ヲ一。論ニ云ク。具二-足ス |
Z08_0281A10: | 妙莊嚴ヲ一。●(三五三)父の子をまつ心にひとしく。此本願 |
Z08_0281A11: | の有るゆへに。念佛の衆生を待ち給ふなり。●(三五四) |
Z08_0281A12: | かまへて。心行おこたらずして。此たびさはりなくう |
Z08_0281A13: | まれよと念じ給ふなり。●(三五五)同體の大悲。とく |
Z08_0281A14: | うまれよとまち給ふらん。げにたのもしき方人にこ |
Z08_0281A15: | そ。寂然法師の歌に。をとにきく君かりいつかいきの |
Z08_0281A16: | 松。まつらんものをこ〻ろつくしに。●三五六)此慈 |
Z08_0281A17: | 父の本願をき〻ながら。●(三五七)何とてそのやうに。 |
Z08_0281A18: | ●(三五八)風雅集に。善光寺如來の御歌とて。待ちか |
Z08_0281A19: | ねてなけくとつけよみな人に。いつをいつとていそ |
Z08_0281A20: | かさるらん。此歌につきて聖德太子。いそけ人彌陀の |
Z08_0281B01: | 御舟のかよう世に。のりをくれなはいつかわたらん。 |
Z08_0281B02: | 次に引くは定善義の文なり。これ此界をいとひて。か |
Z08_0281B03: | の國をねがへとの御す〻め也。●(三五九)歸去來とは。 |
Z08_0281B04: | いざなふ詞也。魔鄕とは。三界の事也。不可停とは。逗 |
Z08_0281B05: | 留すべからずといふ心也。去來の二字を。萬葉にいざ |
Z08_0281B06: | と訓ず。歸去來の字は。淵明が詞に出たり。聖德太子の |
Z08_0281B07: | 歌ニ云ク。よしさらは五濁の水はのますとも。いさかへ |
Z08_0281B08: | りなん彌陀の御くにへ。●(三六〇)曠劫とは。はるかな |
Z08_0281B09: | るむかしの事也。流轉とは。六道をめぐりし事なり。● |
Z08_0281B10: | (三六一)六の道にまよひていたらぬ處なし。●(三六二) |
Z08_0281B11: | 三界の內は。いづくにゆきても。たのしみはなき也。餘 |
Z08_0281B12: | 樂とは。しばらくのたのしみの事也。●(三六三)天上 |
Z08_0281B13: | には五衰。人間には八苦。修羅にた〻かひ。畜生に殘 |
Z08_0281B14: | 害。餓鬼に飢渴。地獄に劇苦。愁嘆の聲のみなり。● |
Z08_0281B15: | (三六四)此一生涯すぎての事也。生平の二字を。日本 |
Z08_0281B16: | 紀に。いけりし時と訓ず。●(三六五)極樂を𣵀槃の城 |
Z08_0281B17: | といふ也。さとりの都なればなり。●(三六六)さそ |
Z08_0281B18: | ふことなり。●(三六七)右の善導大師の釋文なり。● |
Z08_0281B19: | (三六八)極樂の道の案內也。みちびきの心也。菩提寺 |
Z08_0281B20: | の講堂の柱に。蟲のくひたる歌。新古今ニ入。しるへあ |