浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0280A01: | 難。無シレ過ルハ二此ノ難ニ一。●(三四三)上より段々とき來るこ |
Z08_0280A02: | とはりを案じて。はやく念佛を修せよとのす〻め也。 |
Z08_0280A03: | ○大智律師も。萬劫にあひがたくして千生に一たびあ |
Z08_0280A04: | へり。未來をつくして讚揚せんとのたまへり。慈鎭和 |
Z08_0280A05: | 尙。此たひをかきりにはせんとおもふかな。身もうけ |
Z08_0280A06: | かたく法も得かたし。●(三四四)淨土念佛門の事也。此 |
Z08_0280A07: | 字も釋に有。古板の舟讚ニ云ク。觀經彌陀經等ノ說。卽是レ |
Z08_0280A08: | 頓敎菩提藏ナリト。佛のをしへに漸頓といふ事あり。成佛 |
Z08_0280A09: | のすみやかなるを頓敎といひ。やう〱に生死をい |
Z08_0280A10: | づるを漸敎といふ也。善導大師は。淨士の法門を頓敎 |
Z08_0280A11: | なりと判じ給へり。一日七日の稱名もをて。順次に極 |
Z08_0280A12: | 樂にうまれ。すみやかに菩提を得るが故なり。菩提と |
Z08_0280A13: | は梵語なり。道と翻ず。佛果の名なり。門とは出入の義 |
Z08_0280A14: | なり。淨土の敎は。はやく菩提に入る門なり。釋ニ云ク。 |
Z08_0280A15: | 廣ク開ク二淨土ノ門ヲ一。●(三四五)これ大經の文なり。超絕と |
Z08_0280A16: | は。三界を一度にとびこして。極樂に生ずる事也。超は |
Z08_0280A17: | 次第に對する言なり。絕とは三界の道。あとたゆる事 |
Z08_0280A18: | 也。聖導の出離は。まづ見惑を斷じて三塗をはなれ。次 |
Z08_0280A19: | に思惑を斷じて人天をはなる。淨土の出離は。直に極 |
Z08_0280A20: | 樂に生じて。ながく三界をはなる〻ゆへ超絕といふ |
Z08_0280B01: | 也。易往とは。念佛の因を修すれば。往生の果を得るゆ |
Z08_0280B02: | へ。ゆきやすきみちといふ也。經ニ云ク。必得三超絕シ。去テ |
Z08_0280B03: | 往二-生スルヿヲ安養國ニ一。橫ニ截テ二五惡趣ヲ一。惡趣自然ニ閉ツ。昇 |
Z08_0280B04: | 道無二窮極一。易シテレ往キ而モ無レ人。●(三四六)安樂集に云ク。當 |
Z08_0280B05: | 今ハ末法ニM(シテ)。現ニ是レ五濁ノ惡世ナレハ。唯有テ二淨土ノ一門ノミ一。 |
Z08_0280B06: | 可キ二通入ス一路也。草庵集に。西へゆくみちより外は今 |
Z08_0280B07: | の世に。うき世を出る門やなからん。●(三四七)父子相 |
Z08_0280B08: | 迎の四字なり。序にいひいだして。爰にいたりて更に |
Z08_0280B09: | 此言葉出たり。四例をいひ〻ろめて。いつとなく。父子 |
Z08_0280B10: | 相迎の事にうつりて。下卷までの次第。まことに常山 |
Z08_0280B11: | の地勢有。●(三四八)極樂の事を本家といふ。釋ニ。努メ |
Z08_0280B12: | 力テ翻M(シテ)レ途ヲ還ル二本家ニ一。●(三四九)そも〱。我等ひさ |
Z08_0280B13: | しく六の道にまよひて。彌陀と申御名をだにもきか |
Z08_0280B14: | ざりしに。此度はからず人身をうけて。忝も彌陀の慈 |
Z08_0280B15: | 父にあひたてまつれり。はげみて西方の古鄕にかへ |
Z08_0280B16: | るべし。日月はしるが如くにして。臨終近きに有。うれ |
Z08_0280B17: | しくも。いそがはしくもおもひて。しきりに念佛すべ |
Z08_0280B18: | し。か〻るめでたき緣にあへる此生だに。むなしくす |
Z08_0280B19: | ぎなば。出離生死。いづれの生をか期せんや。期する |
Z08_0280B20: | とは心あてなり。●(三五〇)はやとは。十劫成覺のむ |