浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0276A01: | いたらん時。天にあふぎ。地をた〻きて。千たび百たび |
Z08_0276A02: | さけぶとも。その甲斐あらんや。はや〲。たれ〲も |
Z08_0276A03: | ねぶりをさましたまへ。●(二九九)われとなしをきた |
Z08_0276A04: | る善を自業といひ。そのむくひをうくるを自得とい |
Z08_0276A05: | ふなり。その善力あれば。重苦をたすかり。そのちか |
Z08_0276A06: | らなければ。主君妻子のちからもおよばぬなり。自業 |
Z08_0276A07: | 自得の字は。正法念經にあり。●(三〇〇)いかに主人 |
Z08_0276A08: | の恩すてがたくおもふとも。後の世のためには。さら |
Z08_0276A09: | に用にた〻ず。主にかはりて罪をつくる事なかれ。往 |
Z08_0276A10: | 生講式ニ云ク。主君モ不レ資ケ。親眤モ不トレ替。●(三〇一)つ |
Z08_0276A11: | たなきかな。世人のありさま。さまざまの惡業をもて |
Z08_0276A12: | 財をあつめ。妻子をやしなひて樂とすれども。臨終に |
Z08_0276A13: | 苦痛ある時。妻子さらに身の代とならず。まして地獄 |
Z08_0276A14: | に入て後は。妻子の名をもきかず。いかでか。そのく |
Z08_0276A15: | るしみをたすくるものあらんや。大經ニ云ク。身自當ルレ |
Z08_0276A16: | 之ニ。無二誰モ代ル者一。地藏本願經ニ云ク。父子至テ親𪜈。岐路各 |
Z08_0276A17: | 別也。縱然相ヒ逢𪜈。無二肯テ代リ受ヿ一。正法念經ニ云ク。汝獨リ |
Z08_0276A18: | 地獄ニ燒レ。爲ニ二惡業ノ一所ルレ食ハ。妻子兄弟親眷モ不レ能レ救。 |
Z08_0276A19: | 十勝論ニ云ク。夫レ黃金珠玉之寶ハ。不レ代ラ二洞然猛火 |
Z08_0276A20: | 之苦ニ一。綾羅錦繡之貯ハ。無レ救ヿ二獄卒呵嘖之悲ヲ一。閻魔 |
Z08_0276B01: | 之札ノ中ニハ。免ルレ責ヲ之詞鮮シ矣。獄卒ノ苔ノ下ニハ。請レ助ヲ之 |
Z08_0276B02: | 涙多シ焉。祖ノ力モ不ルレ及之處ナレハ。誰カ代ン二一日ノ苦ニ一。子ノ |
Z08_0276B03: | 聲モ不ルレ聞之境ナレハ。何ソ省ン二萬圍ノ愁ヲ一。呌喚ニ無M(シテ)レ暇。 |
Z08_0276B04: | 難レ得二念佛之意ヲ一。宛轉不レ緩。焉ンソ欣ン二淨刹之身ヲ一。● |
Z08_0276B05: | (三〇二)主君妻子は。をのれ〱が業にひかれて。そ |
Z08_0276B06: | れ〲の處へうまるべし。我は又わが業にひかれて。 |
Z08_0276B07: | いづくへもうまるべし。●(三〇三)これ大經の文 |
Z08_0276B08: | なり。此身の生れたりし時も。我ひとりうまれた |
Z08_0276B09: | り。死する時も。我ひとり死するなり。●(三〇四) |
Z08_0276B10: | 此たましゐの。冥途へさる時にもひとりさるな |
Z08_0276B11: | り。此たましゐの母の胎內へやどりし時も。ひとり |
Z08_0276B12: | やどりしなり云云。大經ニ云ク。人在二世間愛欲之中ニ一。 |
Z08_0276B13: | 獨生シ獨死シ。獨去リ獨來ル。同鈔ニ云ク。生死ハ限テ有リ二 |
Z08_0276B14: | 生有ト死有トニ一。去來ハ通シテ亙ル二中有等ニ一也。又義寂に |
Z08_0276B15: | 異解あり云云。●(三〇五)生死の間。六の道なり。● |
Z08_0276B16: | (三〇六)後拾遺。哀傷。一條院皇后宮。しる人もなき |
Z08_0276B17: | わかれちにいまはとて。心ほそくもいそきたつか |
Z08_0276B18: | な。善光寺緣起に。皇極天皇の御歌とて。わくらはにと |
Z08_0276B19: | ふ人あらはくらき道。なく〱ひとりゆくとこたへ |
Z08_0276B20: | よ。●(三〇七)人ごとに我を愛せぬ人なし。た▲一期 |