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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0275A01: M(シテ)。生盲ニM(シテ)。隨深坑。●(二八七)
Z08_0275A02: われら因果のことはりをしらず。恣に罪をつくりて
Z08_0275A03: は。惡道におつる事を。なげきて書きたまへり。生盲と
Z08_0275A04: は。胎內より目の見えざりしもの〻事也。(ムマレ)(ツキ)の盲目
Z08_0275A05: といふこと也。凡夫はもとより。智慧の眼くらきこと。
Z08_0275A06: 盲人のごとし。●(二八八)業とは。心の煩惱にもよほ
Z08_0275A07: されて。身と口とになしつる惡業なり。此神は業に引
Z08_0275A08: る〻也。新續古今に有。地獄の繪に。死出の山を。女の
Z08_0275A09: 鬼にをはれて。なきてこえたるかた。かきけるをみて。
Z08_0275A10: 一條院宣旨。つくりこしつみをともにてしる人も。な
Z08_0275A11: く〱こゆる死出の山みち。●(二八九)業道は秤の
Z08_0275A12: ごとし。をもきものまづひく。すでに往生の業なくし
Z08_0275A13: て。地獄の業をなせり。それにしたがひて奈落におつ
Z08_0275A14: べし。●(二九〇)深坑はふかきあな也。阿鼻地獄の事
Z08_0275A15: 也と。良忠上人の記にみえたり。一たびおちて出がた
Z08_0275A16: きこと。底ふかき坑におちいりたらんがごとし。●
Z08_0275A17: (二九一)此二字も般舟讚にあり。いたみなげくとよ
Z08_0275A18: むなり。●(二九二)善導大師の御ことなり。●(二九三)
Z08_0275A19: 案は考なり。人の推量の事なり。常にも案のごとくと
Z08_0275A20: いふことば也。ふぢばかまに。人のをしはかる案に。お
Z08_0275B01: つることもあらましかばと有り。案落と書くなり。●
Z08_0275B02: (二九四)阿鼻地獄のくるしみの事也。十輪經。處M(シテ)
Z08_0275B03: 無間大地獄。受重苦。●(二九五)絲のむす
Z08_0275B04: ぼれてとけかぬるがごとく。一たび地獄におちぬれ
Z08_0275B05: ば。苦をのがる〻事かたし。野山大師。吾M(シテ)
Z08_0275B06: 。蓋リナハ一苦一辛。萬タヒタヒムトモ
Z08_0275B07: 誰人ニカ。勉メヨヤ之勉メヨヤ之。●(二九六)地獄へお
Z08_0275B08: ちたる人の。心におもひくやむ事なり。これも釋に本
Z08_0275B09: 文ある事也。舟讚。一泥梨レハ長苦。始
Z08_0275B10: 人中善知識。經。地獄衆生。作
Z08_0275B11: 諸沙門。婆羅門。恆セリ。貪欲是將來過患ニM(シテ)
Z08_0275B12: 之處也ト。是。當貪欲。我等以
Z08_0275B13: 貪欲因緣。今受クト極劇。苦痛。極惱。●
Z08_0275B14: (二九七)後悔なり。正法念經。閻羅人答罪人
Z08_0275B15: 。汝本惡業。爲欲癡招。彼時何
Z08_0275B16: 。今悔𪜈カアラン。●(二九八)おそろしや。閻魔
Z08_0275B17: 呵責の庭には。頭をたれてひとりかなしみ。獄卒の杖
Z08_0275B18: の下には。後悔のなみだまづおつべし。しかるに我等
Z08_0275B19: まのあたり。此文をよみながら。心はなほもつれなく
Z08_0275B20: して。念佛もまめやかならず。かくてたましゐ地獄に

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