浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0275A01: | 歎M(シテ)云ク。生盲ニM(シテ)信テレ業ニ走リ。隨テレ業ニ墮ツ二深坑ニ一。●(二八七) |
Z08_0275A02: | われら因果のことはりをしらず。恣に罪をつくりて |
Z08_0275A03: | は。惡道におつる事を。なげきて書きたまへり。生盲と |
Z08_0275A04: | は。胎內より目の見えざりしもの〻事也。生付の盲目 |
Z08_0275A05: | といふこと也。凡夫はもとより。智慧の眼くらきこと。 |
Z08_0275A06: | 盲人のごとし。●(二八八)業とは。心の煩惱にもよほ |
Z08_0275A07: | されて。身と口とになしつる惡業なり。此神は業に引 |
Z08_0275A08: | る〻也。新續古今に有。地獄の繪に。死出の山を。女の |
Z08_0275A09: | 鬼にをはれて。なきてこえたるかた。かきけるをみて。 |
Z08_0275A10: | 一條院宣旨。つくりこしつみをともにてしる人も。な |
Z08_0275A11: | く〱こゆる死出の山みち。●(二八九)業道は秤の |
Z08_0275A12: | ごとし。をもきものまづひく。すでに往生の業なくし |
Z08_0275A13: | て。地獄の業をなせり。それにしたがひて奈落におつ |
Z08_0275A14: | べし。●(二九〇)深坑はふかきあな也。阿鼻地獄の事 |
Z08_0275A15: | 也と。良忠上人の記にみえたり。一たびおちて出がた |
Z08_0275A16: | きこと。底ふかき坑におちいりたらんがごとし。● |
Z08_0275A17: | (二九一)此二字も般舟讚にあり。いたみなげくとよ |
Z08_0275A18: | むなり。●(二九二)善導大師の御ことなり。●(二九三) |
Z08_0275A19: | 案は考なり。人の推量の事なり。常にも案のごとくと |
Z08_0275A20: | いふことば也。ふぢばかまに。人のをしはかる案に。お |
Z08_0275B01: | つることもあらましかばと有り。案落と書くなり。● |
Z08_0275B02: | (二九四)阿鼻地獄のくるしみの事也。十輪經ニ云ク。處M(シテ)二 |
Z08_0275B03: | 無間大地獄ノ中ニ一。受ク二諸ノ重苦ヲ一。●(二九五)絲のむす |
Z08_0275B04: | ぼれてとけかぬるがごとく。一たび地獄におちぬれ |
Z08_0275B05: | ば。苦をのがる〻事かたし。野山大師ノ云ク。吾レ若シ不M(シテ)レ |
Z08_0275B06: | 勉メ二生ル日ニ一。蓋シ罹リナハ二一苦一辛ニ一。萬タヒ歎キ萬タヒ痛ムトモ。 |
Z08_0275B07: | 更ニ凭ン二誰人ニカ一。勉メヨヤ之勉メヨヤ之。●(二九六)地獄へお |
Z08_0275B08: | ちたる人の。心におもひくやむ事なり。これも釋に本 |
Z08_0275B09: | 文ある事也。舟讚ニ云ク。一ヒ入テ二泥梨ニ一受レハ二長苦ヲ一。始テ |
Z08_0275B10: | 憶フ二人中ノ善知識ヲ一。經ニ云ク。地獄ノ衆生。作ス二如キレ是ノ念ヲ一。 |
Z08_0275B11: | 諸沙門。婆羅門。恆ニ作セリ二是ノ言ヲ一。貪欲ハ是將來ノ過患ニM(シテ)。 |
Z08_0275B12: | 可キレ畏ル之處也ト。是ヲ以テ。當ニレ斷ス二貪欲ヲ一。我等以ノレ不ヲレ |
Z08_0275B13: | 能レ斷ス二貪欲ノ因緣ヲ一故ニ。今受クト二極劇。苦痛。極惱ヲ一。● |
Z08_0275B14: | (二九七)後悔なり。正法念經ニ云ク。閻羅人答テ二罪人ニ一 |
Z08_0275B15: | 云ク。汝本ト作ル二惡業ヲ一。爲ニ二欲癡ノ一所レ招。彼ノ時何ソ不ルレ |
Z08_0275B16: | 悔ヒ。今悔𪜈何ノ所カアランレ及フ。●(二九八)おそろしや。閻魔 |
Z08_0275B17: | 呵責の庭には。頭をたれてひとりかなしみ。獄卒の杖 |
Z08_0275B18: | の下には。後悔のなみだまづおつべし。しかるに我等 |
Z08_0275B19: | まのあたり。此文をよみながら。心はなほもつれなく |
Z08_0275B20: | して。念佛もまめやかならず。かくてたましゐ地獄に |