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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0274A01: 家の狗にたとふる也。その事𣵀槃經に有。くはしく西
Z08_0274A02: 要抄に註す。かせぎといふゆへ。なくとはいふなり。●
Z08_0274A03: (二七五)心にはうらやみながら。身をすてかぬる事を
Z08_0274A04: いふ。●(二七六)あるひは主君の恩もすてがたく。妻
Z08_0274A05: 子の愛も斷ちがたき也。ほだしは。かけと▲めらる〻
Z08_0274A06: 義也。まへに見ゆ。投身餓虎經。宮室牢獄。妻
Z08_0274A07: 杻械。●(二七七)一かたならぬさはり有也。●
Z08_0274A08: (二七八)ほだしといふ緣にて。きるといふ也。爲家の
Z08_0274A09: 歌に。かた木こるたつ木のをの〻えをよわみ。おもひ
Z08_0274A10: きられぬ世こそつらけれ。●(二七九)えおもひきら
Z08_0274A11: ぬ也。敢無の字なり。●(二八〇)主君の恩もすてがた
Z08_0274A12: し。妻子もいとをしければ。わが事。人の事。此事。か
Z08_0274A13: の事にうちまぎれて。●(二八一)徘徊の字也。爰にて
Z08_0274A14: は隱遁の延引する事也。新後拾。覺增法親王。世の中
Z08_0274A15: をうしとは誰もいひなから。まことにすつる人やす
Z08_0274A16: くなき。●(二八二)にはかに臨終になる事也。病と死
Z08_0274A17: ぬるとに案內なし。つゐにゆく道とはかねてき〻し
Z08_0274A18: かと。きのふけふとはをもはさりしを。此歌の心也。●
Z08_0274A19: (二八三)あはては。萬葉に急の字也。にはかなる事な
Z08_0274A20: れば。とるものもと〻りあへず。あはてさはぎて死ぬ
Z08_0274B01: る事也。古人云。忽爾トM(シテ)無常到。定紛々タラン。●
Z08_0274B02: (二八四)按ずるに。これに二義あるべし。まづ此世にて
Z08_0274B03: は愚癡の闇なり。後の世にては生死長夜の闇にいる
Z08_0274B04: 事也。經。以智慧。滅癡闇。允堪。以
Z08_0274B05: 智慧之火。生死長夜。冥々トM(シテ)覺。猶闇中
Z08_0274B06: 也。又は惡人の臨終には。四方をみるにくらし。死
Z08_0274B07: して後は。冥途の闇にいる事也。藥師經。見諸方
Z08_0274B08: 。死相現前。莊嚴論。命盡時。見大黑闇
Z08_0274B09: 𣵀槃經。深邃幽闇ニM(シテ)。無燈明。止觀。冥々トM(シテ)
Z08_0274B10: 。誰ハン是非已上大經。惡人シテ。從
Z08_0274B11: 苦入。得冥入。夫木抄に他阿上人。くらきよ
Z08_0274B12: りくらきにみつく夢路そと。しるやねさめのはしめな
Z08_0274B13: るらん。●(二八五)た▲よふとは。漂の字にて。さだまら
Z08_0274B14: ぬ心也。死して六道の間を。いづくへかまよはんと也。
Z08_0274B15: 𣵀槃經。爲生死水之所漂沒。定善義にも。漂-
Z08_0274B16: スト六道とあり。●(二八六)新續古今に勝定院贈太
Z08_0274B17: 政大臣。くりかへしおもひつなけてなけくかな。なに
Z08_0274B18: とまよひをしつのをたまき。拾玉集に。此世にてこん
Z08_0274B19: 世の事をなけかずは。いつをまつへきはかなさそこ
Z08_0274B20: は。△下に引くは善導大師の御釋也。般舟讚。傷

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