浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0274A01: | 家の狗にたとふる也。その事𣵀槃經に有。くはしく西 |
Z08_0274A02: | 要抄に註す。かせぎといふゆへ。なくとはいふなり。● |
Z08_0274A03: | (二七五)心にはうらやみながら。身をすてかぬる事を |
Z08_0274A04: | いふ。●(二七六)あるひは主君の恩もすてがたく。妻 |
Z08_0274A05: | 子の愛も斷ちがたき也。ほだしは。かけと▲めらる〻 |
Z08_0274A06: | 義也。まへに見ゆ。投身餓虎經ニ云ク。宮室ハ如ク二牢獄ノ一。妻 |
Z08_0274A07: | 子ハ如シ二杻械ノ一。●(二七七)一かたならぬさはり有也。● |
Z08_0274A08: | (二七八)ほだしといふ緣にて。きるといふ也。爲家の |
Z08_0274A09: | 歌に。かた木こるたつ木のをの〻えをよわみ。おもひ |
Z08_0274A10: | きられぬ世こそつらけれ。●(二七九)えおもひきら |
Z08_0274A11: | ぬ也。敢無の字なり。●(二八〇)主君の恩もすてがた |
Z08_0274A12: | し。妻子もいとをしければ。わが事。人の事。此事。か |
Z08_0274A13: | の事にうちまぎれて。●(二八一)徘徊の字也。爰にて |
Z08_0274A14: | は隱遁の延引する事也。新後拾。覺增法親王。世の中 |
Z08_0274A15: | をうしとは誰もいひなから。まことにすつる人やす |
Z08_0274A16: | くなき。●(二八二)にはかに臨終になる事也。病と死 |
Z08_0274A17: | ぬるとに案內なし。つゐにゆく道とはかねてき〻し |
Z08_0274A18: | かと。きのふけふとはをもはさりしを。此歌の心也。● |
Z08_0274A19: | (二八三)あはては。萬葉に急の字也。にはかなる事な |
Z08_0274A20: | れば。とるものもと〻りあへず。あはてさはぎて死ぬ |
Z08_0274B01: | る事也。古人云ク。忽爾トM(シテ)無常到ハ。定テ知ヌ亂テ紛々タラン。● |
Z08_0274B02: | (二八四)按ずるに。これに二義あるべし。まづ此世にて |
Z08_0274B03: | は愚癡の闇なり。後の世にては生死長夜の闇にいる |
Z08_0274B04: | 事也。經ニ云ク。以二智慧ノ明ヲ一。滅ス二諸ノ癡闇ヲ一。允堪ノ云ク。以ノレ |
Z08_0274B05: | 無二智慧之火一故ニ。生死ノ長夜。冥々トM(シテ)不レ覺。猶シ二闇中ニ |
Z08_0274B06: | 行ガ一也。又は惡人の臨終には。四方をみるにくらし。死 |
Z08_0274B07: | して後は。冥途の闇にいる事也。藥師經ニ云ク。見二諸方ノ |
Z08_0274B08: | 暗ヲ一。死相現前ス。莊嚴論ニ云ク。命盡キ終ル時。見ル二大黑闇ヲ一。 |
Z08_0274B09: | 𣵀槃經ニ云ク。深邃幽闇ニM(シテ)。無レ有二燈明一。止觀ニ云ク。冥々トM(シテ) |
Z08_0274B10: | 獨リ逝ク。誰カ訪ハン二是非ヲ一。已上大經ニ云ク。惡人ハ行シテレ惡ヲ。從レ |
Z08_0274B11: | 苦入リレ苦ニ。得レ冥入トレ冥ニ。夫木抄に他阿上人。くらきよ |
Z08_0274B12: | りくらきにみつく夢路そと。しるやねさめのはしめな |
Z08_0274B13: | るらん。●(二八五)た▲よふとは。漂の字にて。さだまら |
Z08_0274B14: | ぬ心也。死して六道の間を。いづくへかまよはんと也。 |
Z08_0274B15: | 𣵀槃經ニ云ク。爲ニ二生死水ノ一之所ト二漂沒セ一。定善義にも。漂二- |
Z08_0274B16: | 流スト六道ニ一とあり。●(二八六)新續古今に勝定院贈太 |
Z08_0274B17: | 政大臣。くりかへしおもひつなけてなけくかな。なに |
Z08_0274B18: | とまよひをしつのをたまき。拾玉集に。此世にてこん |
Z08_0274B19: | 世の事をなけかずは。いつをまつへきはかなさそこ |
Z08_0274B20: | は。△下に引くは善導大師の御釋也。般舟讚ニ云ク。傷 |