浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0273A01: | て。淨顛倒を破するなり。受とは五根に物を領納する |
Z08_0273A02: | 義なり。それ〲の根に受てたのしむ事。みなこれ苦 |
Z08_0273A03: | なりと觀じて。樂顛倒を破するなり。心とは第六識な |
Z08_0273A04: | り。此識新々に代謝し。念々に生滅して。みな無常な |
Z08_0273A05: | りと觀じて。常顛倒を破す。法とは。善惡の諸法はみ |
Z08_0273A06: | な。我々所にあらずと觀じて。我顛倒を破するなり。● |
Z08_0273A07: | (二五六)四念處の內にて。●(二五七)めでねがひて |
Z08_0273A08: | 心をとむるなり。●(二五八)此四顛倒。四念處を細判 |
Z08_0273A09: | せば。經論の說いと詳なれど。略してしめし給ふとの |
Z08_0273A10: | 義なり。●(二五九)是四顛倒の摠結勸なり。●(二六〇) |
Z08_0273A11: | いかにつたなくとも。人の心。いわ木にしあらねば。 |
Z08_0273A12: | 此ことはりをき〻ては感ずべきぞとなり。白氏文集ニ |
Z08_0273A13: | 云ク。人非二木石ニ一皆有レ情。●(二六一)いか▲は蓋の字 |
Z08_0273A14: | の心あるべし。又下になからんと有にかけて見るべ |
Z08_0273A15: | し。木石にあらぬゆへ。げに最も。おもはぬ人あるべ |
Z08_0273A16: | きかとなり。●(二六二)おもひとは。此おしへを尤と |
Z08_0273A17: | おもふ事なり。おどろくとは。いま〻でまよひし事を。 |
Z08_0273A18: | はじめておどろくなり。●(二六三)甘心とは。尤しか |
Z08_0273A19: | なりと心にふかく感ずる義なり。西要抄に註す。○是 |
Z08_0273A20: | までに四倒の別段をはりぬ。以下は妄習の改めがた |
Z08_0273B01: | き事をいひて。かさねてのす〻めなり。●(二六四)以 |
Z08_0273B02: | 前四倒の別段をさす。●(二六五)無始のむかしより。生 |
Z08_0273B03: | 生世々のまよひなればなり。●(二六六)すみやかの |
Z08_0273B04: | 心なり。急度の字。屹の字なるべし。●(二六七)解脫 |
Z08_0273B05: | 上人ノ云ク。妄心え迷ハ。往昔ノ串習。僅ニ起ルモ彌盛也。● |
Z08_0273B06: | (二六八)されども心は緣にひかれてうつるものゆへ。 |
Z08_0273B07: | 世をすて〻。閑居の身と成りたらば。まよひもあらた |
Z08_0273B08: | めやすかるべし。●(二六九)松の林うちおほひて。かす |
Z08_0273B09: | かなる門なり。隱者のすむ處をいふ。源氏の註にも。松 |
Z08_0273B10: | の木のあるあたりの門なるべしと有。白氏文集ニ云ク。 |
Z08_0273B11: | 松門柏城幽閉M(シテ)深シト。又は松の生木を。そのま〻もちひ |
Z08_0273B12: | て門にしたるなるべし。●(二七〇)あとは足の跡な |
Z08_0273B13: | り。ふかく山などにかくれて。人にしられぬ事也。● |
Z08_0273B14: | (二七一)永の字の心にて。ながく世をはなる〻事也。 |
Z08_0273B15: | ●(二七二)妻子をもすて。世間のうれへをわすれて。 |
Z08_0273B16: | 後生の事のみいとなむ身なり。●(二七三)自然にと |
Z08_0273B17: | いふ心。もしはといふ心も有。萬葉に自然の字を訓ず。 |
Z08_0273B18: | ●(二七四)ひたすら世をはなれたらば。善心もをの |
Z08_0273B19: | づからおこるべしといふ事也。山のかせぎとは。山に |
Z08_0273B20: | すむ鹿なり。佛法にて善心を山の鹿にたとへ。煩惱を |