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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0272A01: 邑外謂。廣平。蓮臺野。鳥部野などのご
Z08_0272A02: とく。都の外のひろくたいらかなる地をいふ也。義孝
Z08_0272A03: 少將。朝ニハ紅顏世路。暮ニハ白骨
Z08_0272A04: 郊原。●(二四六)露と〻もにくちはつる義也。又
Z08_0272A05: 露はあだなることによそへていへるなるべし。惠心
Z08_0272A06: 僧都云。形。只爛-壞墳墓之間。又云。風
Z08_0272A07: カレサレ。雨灌霜封。積歲年。色相變異
Z08_0272A08: ニハ腐朽碎末シテ。與塵土相和。骨散。爪髮分
Z08_0272A09: シテ野外。頭顱腐敗シテ叢端。新古今。小町。あ
Z08_0272A10: はれなりわか身のはてや朝みとり。つゐには野邊の
Z08_0272A11: 露とおもへは。千載集。民部卿成範。鳥部山おもひや
Z08_0272A12: るこそかなしけれ。ひとりや苔の下にくちなん。●
Z08_0272A13: (二四七)つゐにとは。畢竟の事也。さしあたりては。我と
Z08_0272A14: いふ物有るに似たれども。無常たちまちいたりぬれ
Z08_0272A15: ば。たましゐは冥途におもむき。骨は朽てあとかたも
Z08_0272A16: なし。此時なにか我といふものありや。心も我にあら
Z08_0272A17: ず。身も我にあらず。畢竟われといふすがたはなきも
Z08_0272A18: のなり。此すがたといふは。心と身とに通ずる詞なり。
Z08_0272A19: ●(二四八)上をうけて下へつ▲くる詞也。○それ生死
Z08_0272A20: の本は。二法二執にすぐるはなし。身心の摠相にまよ
Z08_0272B01: ふを人我といひ。五蘊の自相にまよふを法我といふ。
Z08_0272B02: されば是より前には。人我の空なる事をあかし。是は
Z08_0272B03: 法體のなき事をしめす也●(二四九)四大もとより空
Z08_0272B04: にして。五蘊も有にあらず。般若心經。是諸法空相。
Z08_0272B05: 註解。是諸法者。指五蘊也。●(二五〇)四大
Z08_0272B06: も五蘊も。みなこと〲く空なるゆへ。元來無我なり。
Z08_0272B07: ●(二五一)如是なり。●(二五二)引よせてむすべる柴の
Z08_0272B08: 庵を執して。庵といふもの。たしかに有りとおもふは。
Z08_0272B09: はなはだをろかなり。とくればもとの野原となりて。
Z08_0272B10: 庵といふ名ばかりなり。又そのとけたる庵の柱も椽
Z08_0272B11: も。もとよりなきものなり。有りとおもふは迷なり。今
Z08_0272B12: あるもさながら。むなしくしてなきものなり。●(二五
Z08_0272B13: 二)右のしるす事をみるに。我身とも。わかものとも執
Z08_0272B14: 著すべき世の中にてはなきぞとなり。權僧正實伊の
Z08_0272B15: 歌に。人の身もわか身もむなしうつせみの。たかうき
Z08_0272B16: 世とてねをはなくらん。○以上我倒を釋する事をは
Z08_0272B17: りぬ。●(二五三)是よりは四種顛倒の摠結の詞なり。
Z08_0272B18: ●(二五四)衆生に四顛倒あるに應じて。佛この四法を
Z08_0272B19: ときて破したまへり。すなはち大小の聖賢。入道の初
Z08_0272B20: 心なり。是を四念處といふ。念とは能觀の四智なり。處
Z08_0272B21: とは所觀の四倒なり。身とは自他の身の不淨を觀じ

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