浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0272A01: | 邑外謂二之ヲ郊ト一。廣平ヲ曰レ原ト。蓮臺野。鳥部野などのご |
Z08_0272A02: | とく。都の外のひろくたいらかなる地をいふ也。義孝 |
Z08_0272A03: | 少將ノ詩ニ云ク。朝ニハ有テ二紅顏一誇リ二世路ニ一。暮ニハ爲テ二白骨ト一 |
Z08_0272A04: | 朽ヌ二郊原ニ一。●(二四六)露と〻もにくちはつる義也。又 |
Z08_0272A05: | 露はあだなることによそへていへるなるべし。惠心 |
Z08_0272A06: | 僧都云ク。形ニ無二常ノ主一。只爛二-壞ス墳墓之間ニ一。又云。風ニ |
Z08_0272A07: | 吹カレ日ニ%サレ。雨灌キ霜封シ。積テ有ハ二歲年一。色相變異ス。 |
Z08_0272A08: | 遂ニハ腐朽碎末シテ。與二塵土一相和ス。骨散ノ詩ニ云ク。爪髮分 |
Z08_0272A09: | 離シテ盈チ二野外ニ一。頭顱腐敗シテ在リ二叢端ニ一。新古今。小町。あ |
Z08_0272A10: | はれなりわか身のはてや朝みとり。つゐには野邊の |
Z08_0272A11: | 露とおもへは。千載集。民部卿成範。鳥部山おもひや |
Z08_0272A12: | るこそかなしけれ。ひとりや苔の下にくちなん。● |
Z08_0272A13: | (二四七)つゐにとは。畢竟の事也。さしあたりては。我と |
Z08_0272A14: | いふ物有るに似たれども。無常たちまちいたりぬれ |
Z08_0272A15: | ば。たましゐは冥途におもむき。骨は朽てあとかたも |
Z08_0272A16: | なし。此時なにか我といふものありや。心も我にあら |
Z08_0272A17: | ず。身も我にあらず。畢竟われといふすがたはなきも |
Z08_0272A18: | のなり。此すがたといふは。心と身とに通ずる詞なり。 |
Z08_0272A19: | ●(二四八)上をうけて下へつ▲くる詞也。○それ生死 |
Z08_0272A20: | の本は。二法二執にすぐるはなし。身心の摠相にまよ |
Z08_0272B01: | ふを人我といひ。五蘊の自相にまよふを法我といふ。 |
Z08_0272B02: | されば是より前には。人我の空なる事をあかし。是は |
Z08_0272B03: | 法體のなき事をしめす也●(二四九)四大もとより空 |
Z08_0272B04: | にして。五蘊も有にあらず。般若心經ニ云ク。是諸法空相。 |
Z08_0272B05: | 註解ニ云ク。是諸法ト者。指ス二前ノ五蘊ヲ一也。●(二五〇)四大 |
Z08_0272B06: | も五蘊も。みなこと〲く空なるゆへ。元來無我なり。 |
Z08_0272B07: | ●(二五一)如レ是なり。●(二五二)引よせてむすべる柴の |
Z08_0272B08: | 庵を執して。庵といふもの。たしかに有りとおもふは。 |
Z08_0272B09: | はなはだをろかなり。とくればもとの野原となりて。 |
Z08_0272B10: | 庵といふ名ばかりなり。又そのとけたる庵の柱も椽 |
Z08_0272B11: | も。もとよりなきものなり。有りとおもふは迷なり。今 |
Z08_0272B12: | あるもさながら。むなしくしてなきものなり。●(二五 |
Z08_0272B13: | 二)右のしるす事をみるに。我身とも。わかものとも執 |
Z08_0272B14: | 著すべき世の中にてはなきぞとなり。權僧正實伊の |
Z08_0272B15: | 歌に。人の身もわか身もむなしうつせみの。たかうき |
Z08_0272B16: | 世とてねをはなくらん。○以上我倒を釋する事をは |
Z08_0272B17: | りぬ。●(二五三)是よりは四種顛倒の摠結の詞なり。 |
Z08_0272B18: | ●(二五四)衆生に四顛倒あるに應じて。佛この四法を |
Z08_0272B19: | ときて破したまへり。すなはち大小の聖賢。入道の初 |
Z08_0272B20: | 心なり。是を四念處といふ。念とは能觀の四智なり。處 |
Z08_0272B21: | とは所觀の四倒なり。身とは自他の身の不淨を觀じ |