浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0266A01: | の世のおろかなる我等は。冥より冥に入て。いのらん |
Z08_0266A02: | とおもふこ〻ろざしもなし。これぞ。げに。聖はますま |
Z08_0266A03: | す聖にして。愚はます〱愚なり。かなしきかな。●(一 |
Z08_0266A04: | 九九)前には無常を觀ずる德をのべたり。是は智者な |
Z08_0266A05: | れども。無常をしらぬは。佛法の本意にそむくことを |
Z08_0266A06: | あかす。智解より下は。摩訶止觀の文を用ひ給へり。止 |
Z08_0266A07: | 觀ニ云ク。或ハ出家ノ人。智解溢レレ胸ニ。或ハ精進滅スレ火ヲ。而𪜈 |
Z08_0266A08: | 不レ悟二無常一。諺ニ曰ク。可怜ケレ𪜈無シト一五ノ媚一。精進スレ𪜈無キ二 |
Z08_0266A09: | 道心一。此之謂也。末ニ可怜ハ如二精進一。五媚ト如二道心一。媚ト者 |
Z08_0266A10: | 好姿也。●(二〇〇)いかほど智慧ありて。佛法の義を解 |
Z08_0266A11: | するとも。●(二〇一)みちてあるとも也。博學多才。觀解 |
Z08_0266A12: | に不足なき也。●(二〇二)をほよそ佛法は。生死をはな |
Z08_0266A13: | れ。菩提にいらんためなり。無常を觀じ。修行せよとて |
Z08_0266A14: | ぞ。釋尊も御法をとき給ふなるに。今の世には。佛法を |
Z08_0266A15: | 藝能とし。智慧をくらべて。名利のなかだちとのみ。お |
Z08_0266A16: | もひあへり。されば智者はたとふにたらず。道者はま |
Z08_0266A17: | ことにうやまふべし。心あらん人。指を爰にそめざら |
Z08_0266A18: | んや。●(二〇三)道心あらば。まづこそ無常を觀ずべけ |
Z08_0266A19: | れ。佛法しりたるかほのみして。いかにして。生死をは |
Z08_0266A20: | なれんとは。おもひもよらぬにこそ。起信。楞嚴に。眼を |
Z08_0266B01: | さらす人も。いまだかならずしも無常をばしらず。淨 |
Z08_0266B02: | 土の聖敎を。わきばさむともがらも。おほくは人にす |
Z08_0266B03: | ぐれ。世にしられて。名利をたのしませんとのみおも |
Z08_0266B04: | へり。あやまれるかな。釋尊の因位にも。智者學道にて |
Z08_0266B05: | はましまさず。半偈のために。身をなげし道心者にて |
Z08_0266B06: | こそ。まし〱しか。黑谷上人起請文の趣も。道心を專 |
Z08_0266B07: | として。智解を。もちひざれとこそみえたれ。●(二〇四) |
Z08_0266B08: | 此事。止觀の末疏にも見あたり侍らず。こ〻かしこ。た |
Z08_0266B09: | づね侍りしに。たしかにしれる人なし。如空法師。台宗 |
Z08_0266B10: | の碩學に傳る說に云。此ことむかしより。いろ〱說 |
Z08_0266B11: | あれども。眉と眼と耳と鼻と口と。此いつ〻うるはし |
Z08_0266B12: | きを。五媚といふなり。又愚僧京都なる宗匠にたづね |
Z08_0266B13: | 侍りしは。後漢の梁冀が妻の孫壽。いつ〻の媚惑を |
Z08_0266B14: | なしたりし事を引て。いはゆる五媚は是なりといへ |
Z08_0266B15: | り。風俗通ニ云ク。愁眉ト者。細M(シテ)而曲折。啼粧ト者。薄ク拭二目 |
Z08_0266B16: | 下ヲ一若二啼ク處ノ一。墮馬髻ト者。側在二一邊一。折腰步ト者。足不レ |
Z08_0266B17: | 在二體下一。齲齒笑ト者。若三齒痛テ不二忻々一云云。梁氏が家よ |
Z08_0266B18: | り始て。京都みなこれにならへり云云●(二〇五)はぢ |
Z08_0266B19: | しめらる〻也。●(二〇六)二人丸祕に片輪の字也。智解 |
Z08_0266B20: | はありても。道心のなきは。面のみありて五の相なき |