浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0265A01: | 事なり。雨のしばしも。ふりやまぬことを。をやみなき |
Z08_0265A02: | 雨といふ。無小止とかくなり。風雅十七雜下に雨を題 |
Z08_0265A03: | にて。つく〱とをもへはかなしかすならぬ。身をし |
Z08_0265A04: | る雨よをやみたにせよ。金葉集。大納言經信。ほと〻き |
Z08_0265A05: | す雲路にまよふこゑすなり。をやみたにせよ五月雨 |
Z08_0265A06: | のそら。●(一八八)その身になりおほせたらば。●(一八 |
Z08_0265A07: | 九)いかほどか。●(一九〇)世の中の人。いまに死ぬべ |
Z08_0265A08: | き身をわすれて。名利にしづむ有さまなり。●(一九一) |
Z08_0265A09: | はやく萬事をやめて。後の世の勤をせぬ事よと。もど |
Z08_0265A10: | かしうおもはるべし。げにつたなきわれらにも侍る |
Z08_0265A11: | かな。しみ〲と無常をおもひしらば。何のいさみあ |
Z08_0265A12: | りてか。此世をいとなまん。いづる息。引息をまたぬ |
Z08_0265A13: | 命を。さ〻へながら。いたづらに月日をおくる事よ。は |
Z08_0265A14: | づべし〱。かなしむべし〱。●(一九二)うき世のに |
Z08_0265A15: | ごりなく。いさぎよき心なり。ありがたや。かやうにつ |
Z08_0265A16: | ねにおもひとり給なり。向阿上人の御心の內。いかば |
Z08_0265A17: | かりいさぎよく。すみわたりて侍りけん。●(一九三) |
Z08_0265A18: | なんは。ことばのたすけなり。(イ下知の詞うらやむべしと也とあり)●(一九四) |
Z08_0265A19: | これにすぎたる事あらじ。●(一九五)ありたきこ〻ろ |
Z08_0265A20: | 也。●(一九六)身の上の事を佛に申詞也。●(一九六)ね |
Z08_0265B01: | んごろにたのむ詞也。●(一九七)そ〻のかすとは。も |
Z08_0265B02: | よほしたつるやうの心也。唆の字なり。末つむにも此 |
Z08_0265B03: | 詞有。宿善ある人は。をのづから道心有。又心かしこき |
Z08_0265B04: | 人は。道理を案じ。經釋をよみて道心をおこす。我等 |
Z08_0265B05: | ごときものは。知識のをしへをき〻て。道心をもとむ |
Z08_0265B06: | べきに。天性こ〻ろつたなくして。なをうちおどろか |
Z08_0265B07: | ぬ身なれば。いかにせん。此うへは。佛の御はからひを |
Z08_0265B08: | たのみて。いさ〻かのこ〻ろざしをもおこすべし。此 |
Z08_0265B09: | ほかには。なすべきやうなし。まづこ〻ろみに。神佛に |
Z08_0265B10: | いのりて見給へ。たしかにそのしるし侍るべし。それ |
Z08_0265B11: | 佛神の世にまします事は。衆生利益のためなり。その |
Z08_0265B12: | 利益にさま〱有。現世安穩は。神佛の御本意にあら |
Z08_0265B13: | ず。後生をいのる人を。第一本意としてよろこび給ふ。 |
Z08_0265B14: | すでに。あなたよりす〻みて思召すことなるを。こな |
Z08_0265B15: | たよりねがひたてまつらんに。いかでかそのしるし |
Z08_0265B16: | なからめや。されば增賀は伊勢にまうで。道宿は初瀨 |
Z08_0265B17: | にこもりて道心をいのり。法然上人。向阿上人は。眞如 |
Z08_0265B18: | 堂。釋迦堂に參籠して。出離の道を祈給ひしかば。響の |
Z08_0265B19: | ごとく靈應まし〱き。あ〻。いにしへのかしこき人 |
Z08_0265B20: | は。明より明に入て。神佛にさへいのり給へるに。いま |