浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0264A01: | 迄いくる身ぞ。久しからずして死ぬる身也。●(一七八) |
Z08_0264A02: | いかでかそれほどにといふ心。●(一七九)淸少納言 |
Z08_0264A03: | が枕草子に。うちをかんも。人わろし。猶つかふもあ |
Z08_0264A04: | やにくなりと有は。人目のわろき心也。無常をおもは |
Z08_0264A05: | ば。人目をも。さのみかざるまじとの心か。○また。家も |
Z08_0264A06: | 人も。程なく死ぬべきものをとおもひながせば。人 |
Z08_0264A07: | のわろさの。うらみもはる〻なり。續拾遺に。人の身 |
Z08_0264A08: | も我身もむなしうつせみの。たかうき世とてね |
Z08_0264A09: | をはなくらん。●(一八〇)上は人のわろさ。是は |
Z08_0264A10: | 身のうへの事也。●(一八一)すぐれてよき事也。 |
Z08_0264A11: | ●(一八二)やるかたとは。おもひのけぶりを。はらふ手 |
Z08_0264A12: | だてなり。無常をおもへば。なげきもはれ。うれへも |
Z08_0264A13: | やむ也。新拾遺に。世のうきもいかばかりかはなげか |
Z08_0264A14: | れん。はかなきゆめとおもひなさずば。遠賀門院兵衛續千載 |
Z08_0264A15: | に。巖敎。うきことも有はてぬ世とおもはすは。いつ |
Z08_0264A16: | をかきりに身をなけかまし。兼好の歌。うき事もしは |
Z08_0264A17: | しはかりの世の中を。いくほといとふ我身なるらん。 |
Z08_0264A18: | 山家集。世の中のうきもうからすおもひとけは。あさ |
Z08_0264A19: | ちにむすふ露のしらたき。●(一八三)あつぱれと。ね |
Z08_0264A20: | がふ詞也。西行云。あはれふかき御法を。しるまでの心 |
Z08_0264B01: | は侍らずとも。無常を。つねに心にわすれぬほどのこ |
Z08_0264B02: | ころざしの。佛のつけ給りて我身をさしはなちて。思 |
Z08_0264B03: | をと▲めて。後の世のつと〻し侍らばや。閑居友にも |
Z08_0264B04: | 此こ〻ろあり。●(一八四)右に道理をつくし。證人ま |
Z08_0264B05: | でをしめしたるにも。しみ〲とおもひしらぬ人は。 |
Z08_0264B06: | 佛の冥加をあふぎて發心すべし。●(一八五)一期とい |
Z08_0264B07: | ふに心有。人ごとにさしあたる事に感じて。しばらく |
Z08_0264B08: | 無常をおもへども。やがてうちわすれて常住になる |
Z08_0264B09: | なり。一期といへば。命あるかぎり。わすれぬ身とな |
Z08_0264B10: | らばやとなり。口には。たれも無常をかたれども。心 |
Z08_0264B11: | におもひつかぬゆへ。心にわすれぬといふなり。兼好 |
Z08_0264B12: | 云ク。人はだ▲無常の。身にせまる事を。ひしと心にか |
Z08_0264B13: | けて。つかのまもわするまじきなり。○爰は念死なり。 |
Z08_0264B14: | 下は念佛なり。○聖光上人の持言に云。安心起行の要 |
Z08_0264B15: | は。念死念佛に有。いづる息。いる息を待ず。たすけ給 |
Z08_0264B16: | へあみだほとけ。南無阿彌陀佛と云云。有本に。無常を |
Z08_0264B17: | わすれずと有。下の句に對して。をの字なきがよし。 |
Z08_0264B18: | ●(一八六)心に無常をわするれば。口に念佛も〻のう |
Z08_0264B19: | きなり。心にひしと無常を念ずれば。はげまざるに申 |
Z08_0264B20: | さる〻念佛なり。●(一八七)此をの字を。上へ付てよ |
Z08_0264B21: | むはわろし。をやまぬとは。念佛のしばらくもた〻ぬ |